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実測による手回し充電の実力は?

 前回のエントリーでUSB出力の電圧・電流のだいたいの数値を測定できる簡易チェッカーを使ってみました。今回いろんなケーブルを試してみましたが、携帯電話の充電に使用するものならどんなケーブルでもほぼ500mA出力することができていることもわかりました。つまり、スマートフォンでなく普通の携帯電話なら、まず充電する機器を選ばないということです。

 そうしたことをふまえて気になるのは、災害時に使われることが想定されるダイナモを使った手回し充電ではどれくらいの電圧・電流を作れるのかということです。一般的な携帯電話用の充電器からですと5V 500mAというほぼパソコンのUSB端子からの出力と同程度の数値が計測できます。

 今回は直接本体からUSBケーブルが繋げる現在は販売されていないLEDライトを使って試してみました。携帯電話を繋いで回し始めてもなかなか数値が表示されませんが、ある程度重くなった状態で出てきた数値は、約5V 50~200mA前後という結果でした。つまり、普通の充電器をコンセントに繋いで充電するよりも2~10倍の時間がかかってしまうことが予想されるわけです。さらに言うと、手回しを行なっていてふっとハンドルが軽くなる時があると思いますが、この時には電流の数値は0になってしまっています。あくまでハンドルが重くなった状態で充電するための電流が出力されるものであるわけです。

 これはあくまで個人的な見解になりますが、災害時にこうした手回しの発電システムはないよりはましだと思いますが、手回しで発電するような電力はラジオなど他の利用にあてながら、別の方法で携帯電話を充電する方法についても考えておいた方がいいような気がします。もちろん緊急避難用としては携帯電話を使いながら他の人に必死に手回ししてもらうという方法もあるわけですが、恐らくスマートフォンを使いながら充電することは人の手で作り出す電気ではとてもまかないきれないと思われます。

 私としては通話用にスマートフォンではない普通の携帯電話を災害用に確保しつつ、小型の太陽電池パネルで単三のニッケル水素電池を時間をかけて充電しながら手回し発電は補助的に使っていくことを考えています。今回試してわかったのですが、200mA前後の出力を手回しで維持するのは結構大変で、心身ともに疲れている被災者が何時間も続けるのはそれを行なう人の健康を害してしまう恐れがあると思います。そんなことも考えながら非常用の電源の確保について考えていくことをおすすめします。

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