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ヤザワコーポレーション ポケットワンセグラジオ RD3WH

 ラジオをこよなく愛する人から見ると、テレビの地デジ化というものは従来あったラジオの寿命を縮めてしまった側面があります。以前このブログで紹介した単1単2単3のどの電池も2本単位で使え、電池が切れた際にも本体内に長期保存が可能なリチウム電池を設置しておけば、放送を聞き続けることができるソニーの防災ラジオICF-B100がカタログから姿を消したのは、アナログのテレビ放送が終了し、FMワイドバンドをカバーすることでテレビ音声が聞けるという機能が使えなくなったためなのだろうと思います。ダイヤル周りの変更(テレビチャンネルが書かれた部分を消すなど)をするには新たに部品を作り直さなければならず、それだけの投資をしても売れなければしょうがないという判断の元での生産終了なのでしょう。だとしたら従来あったテレビ音声を聞くことのできるラジオを作るのが筋だと思うのですが、今までずっと大手メーカーからはそんなラジオが出ず、ようやく出てきたのは大手ではないメーカーからのものでした。

 商品名にあるように、手の中にすっぽりと収まる持ち運び可能なサイズになっています。電源は単四電池4本で、AM/FM約20~24時間、肝心のワンセグについては約6~7時間とかなり短めなので、充電して再利用が可能なニッケル水素電池での運用がいいだろうと思います。できれば単三電池で長時間使えるようなものであれば災害用としても重宝するのではないかと思いますが、これがはじめてのワンセグ放送を聞くことができるラジオであるわけですから、後継機を期待したいところではあります。

 ワンセグ放送については携帯電話やスマートフォンで視聴が可能なので、あえて音声だけしか聞くことのできないラジオに搭載して意味があるのかと思う方もおられるかも知れませんが、携帯電話などは主機能のおまけのワンセグであり、機種変更をしたらワンセグが付いていなかったり従来機種より明らかに受信感度が落ちていて使いものにならなくなったりする場合もあります。実際、このラジオがどの程度の感度があるのかわからないので断言はできませんが、画像で見る限りちゃんとしたロッドアンテナを持っていますので、使う場所にもよりますがそれなりにワンセグ放送をとらえることができるのではないかと思います。電池も汎用の単四型電池の入れ替え式なので、携帯電話のように電池が切れたら終わりということもなく、電池のストックを用意しておけば使い続けられます。テレビの画面から目をはずして音だけで放送を楽しめるかは番組によって違うとは思いますが、ニュースではしっかり音声でも伝えますし、聞きようによっては連続ドラマくらいなら音声の向こうにある画面を想像しながら楽しむことも可能でしょう。メーカーホームページには細かい記載がありませんでしたので確実なのかどうかはわかりませんが、製品の写真には「音声切替」のボタンがありますので、副音声への切り替えもできるかも知れません。もしそうしたことができれば、耳の不自由な人向けの状況説明が入った放送を聞くことで音声だけでドラマも楽しめる可能性があります。2012年9月発売ということで、実際に店頭に出てきて展示されるような場面に遭遇したらぜひ触ってみたいですね。

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