車中泊徒然草+

夏と冬の車中泊の違い

 これまで例年とはちょっと違う天候で、こちら静岡は日中はまだ暑いくらいなのですが、北海道ではかなりの雪が降ったそうで、いよいよ車中泊も冬対策を迫られることが多くなってくるでしょう。

 車の中というのは多くの場合鉄板一枚のみで覆われているだけに、夏は暑く冬は寒いというのは仕方のないところなのですが、夏と冬ではどちらの方が車中泊をやりやすいかというのはなかなか難しい問題ですね。

 ある意味究極の選択とも言えるわけですが、これは車の中にどれだけ装備を揃えているかによって違ってくるでしょう。何の用意もなく車中泊する場合は、当然冬だったら大変なことになるでしょう。先日のニュースですが、北海道でおじいちゃんと三歳の孫、そしてラブラドール・レトリバーを連れて車で出掛けた際に橋から転落したまま身動きが取れなくなり、携帯電話すら持っていなかったということで遭難しかけたというニュースがありました。おじいちゃんはもちろんですが、特に三歳の子どもが心配されましたが、ラブラドール・レトリバーに寄り添うようにして寒さを耐え抜いたということです。テレビニュースではさも美談のように報道していましたが、何も用意のない状況の中、雪の降りしきる場所で一晩明かさなければならなくなった場合、それだけで命の危険もあるということです。同じ事が夏に起こったとしたら、何とか車から降りて助けを呼びに行ける状況もあったかも知れませんし。

 そんなわけで、何も装備はないけどとりあえず車中泊をしたいと思われている方は、さしあたってこれからの時期の車中泊は避けたほうが無難であるということは言えるでしょう。ただ、個人的には車の中はともかく、装備を万全にし、シュラフなどを使って体だけは温められる場合は、真夏の蒸し暑さを耐えるよりも冬の車中泊の方がいくらかましであると言えるかも知れません。

 冬の車中泊を快適に過ごすためには、エンジンを切った状態で暖まる車内暖房装備を高いお金を出して付けてしまうのが一番ですが、それすら故障したらいざという時にはまずいので、外気温が氷点下の状況でも体を休めることができる就寝環境をまずは揃えることが大事です。背中から冷気が来ないようにキャンプ用のマット(私のページではCAPTAIN STAG EVAフォームマット M-3318を紹介しています)を車のシートの上に敷き、冬用のシュラフにくるまって寝るというパターンが一般的でしょう。外からの冷気をできるだけ入れないように窓のところにカーテンをしたり銀マットを切ってはめ込むような工夫も必要でしょうし、低温やけどに気を付けながら携帯カイロや湯たんぽを使うなどこのブログで紹介しているさまざまなグッズを使って温かさを保つ工夫があればなおいいでしょう。また、布団や封筒型の寝袋を使っている場合は頭の寒さ対策のために帽子をかぶって寝るという用意も極寒の場所では必要な対策でしょう。

 そうは言っても、何の用意もないまま日帰りなどのレジャーへ行った際に道に迷って遭難しかけるような場合など、いざという時にはもちろん車のエンジンを付けてアイドリングしながら寝るという選択肢もあり得ます。ただ、排気ガスが車内に入り込んで命の危険があることにはかわりがありませんし、アイドリングすることによる外部の方とのトラブルが発生することも考えられますので、あくまで緊急用ということで考えておくのがいいでしょう。

 同じようなことを何回も書いていますが、もし車中泊に出掛けることが多ければ、ここまでの装備は用意できなくても、車の中に非常用持ち出し袋に入れるような品を常に入れておけば、例えば防災用品として体内の熱を外に逃がさないアルミシートなど、最低限の寒さ対策の品をいざという時に使えます。今年は地震だけでなく台風など、身近に災害の影がやってきてしまった方も多くおられると思いますので、災害用という感じではなく、車中泊の旅を快適にするという目的で徐々にいろいろ揃えて行くというのもいいのではないでしょうか。

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