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SIMフリー機は「FOMAプラスエリア」使用可能かがカギ

 Googleが出している7インチタブレットNexus 7の新機種「Nexus 7 (2013)」が発表になりました。OSはAndroid 4.3になり、プロセッサは従来機と比べてCPU1.8倍、GPU4倍という値とのこと。メモリは倍の2GBで解像度も1920 x 1200と広くなりました。外部ストレージ(microSDカードスロット)がないのは変わりませんが内蔵スピーカーはステレオになり、従来機にはなかった背面カメラも500万画素のものが搭載されました。Wi-Fi専用モデルの他、SIMロックフリーのLTE通信機能付きのモデルも発表されています。

 価格は従来機より高めに設定されているので、総合的な評価は実機が日本に流通するまで待ちたいと思いますが、個人的にはLTE通信ができるタイプのものが気になります。今も従来機で、格安SIMカードを入れて使える3G通信付きのものがありますが、これは価格が高いことの他、SIMフリーではあるもののFOMAプラスエリアに対応しないという理由で私は購入を見送りました。今度出るLTEタイプで、果たしてこの点は改善されるのかが私にとっての興味ある点です。

 そもそもFOMAプラスエリアとは何かというますと、元々ドコモの携帯電話のアナログ端末で使われていた周波数が携帯電話のデジタル化とともに使わなくなってしまったので、この周波数が1つの基地局で受けもつエリアが広いという特性を生かし、山間部など電波が届きづらい場所で利用できるように改めて割り当てたエリアのことです。FOMAプラスエリアでは800MHz帯となっているので、端末が800MHz帯に対応している必要があります。

 ドコモが出しているスマートフォンやタブレット端末ならこうした日本特有の事情に対応して800MHz帯を使えるようになっているのですが、海外で売られているものをそのまま持ってきたようないわゆるSIMフリーをうたう端末では、800MHz帯に対応しないものはFOMAプラスエリアだけが使えないという事にもなってしまいます。こうした端末を手に入れた場合、ほぼ市街地から動かないというのならいいと思いますが、日本全国をくまなく車で回るような旅をする場合はFOMAプラスエリア対応の端末でないと肝心な時にネットに繋がらないという旅用としては使えない端末になってしまいます。また、カーナビの代用としてNexus 7を使おうという場合、移動する場所によって通信が切れるというのは致命的です。

 というわけで、日本で発売されるNexus 7(2013)のLTE付きモデルがFOMAプラスエリアに対応するか否かで、私の中での評価が全く違ってきてしまうのです。もし使えれば、ガラケーともう一台格安SIMカードを使ったデータ専用端末の本命として十分おすすめできると思います。もし従来機と同じように使えなければ、あえてLTEタイプはすすめず、Wi-Fi専用モデルにFOMAプラスエリアが使えるルーターをセットで使う方をおすすめするでしょう。

 そんなわけで、Googleが日本の電波事情に合わせたLTE通信付モデルを出してくるかというのが目下の関心事です。ただ、こんな端末が出たら、日本の携帯電話会社が出している7インチタブレットおよび大型画面のスマートフォンの売上にも影響が出てくることが予想されるので、すんなり出てくるかどうかはわかりません。しかし、技術的には簡単に実現できるかも知れないものをあえてつぶして出してくるとしたら、大変に残念ですね。まあ、あまり期待しないで発表を待つことにしましょう。

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