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NTTドコモ「ポータブルSIM」の可能性と不安な点

 携帯電話会社が端末を使って通信を行なう場合、いわゆる「SIMカード」を中に入れないと通信ができませんが、NTTドコモが新たなSIMカードの開発を発表しました。

 それが表題の「ポータブルSIM」というもので、将来発売されるであろう機能に対応したスマートフォンやタブレット端末をポータブルSIMにかざし、基本的にはBluetoothで認証を行なうことによって、SIMカードの抜き差しを行なわなくてもネットワーク通信を紐付けした端末で行なえ、簡単に別端末での使い分けが可能になるというものです。現在はカード型の端末なので常に持ち歩く中でなくしてしまう可能性もあります。さらにこの端末自体では通信ができないので、常に何らかのデバイスと組み合わせて使う必要があります。

 さらに、ID認証の仕組みを使ってパソコンと連携し、買い物やネットバンキングを安全に行なえる事が期待されています。まだ具体的にいつから出てくるとかいう感じではないので、新しい端末の買い控えなどは無意味ですが、こういった流れを知っておくと、やはり長期間しばりのある契約で高い端末を分割払いしようとは思えなくなりますね(^^;)。

 ポータブルSIM自体にも電池が入っていてUSBによる充電が必要であるという点ではウィルコムの「誰とでも定額パス」と似ている感じがしますが、発表されたそのままのものを私は導入しようとは思いません。というのも、常に利用するスマートフォンなどの端末とBluetoothの届く範囲の中に置いておかなければならないため、もしうっかり紐付けしていないスマートフォンだけを持ち出してポータブルSIMを持って行くのを忘れてしまったらインターネットどころか電話も受けられなくなってしまうからです(^^;)。

 とりあえず、どこへ行くにも必ず持って行き、手ぶらでも付けられるものということになると腕時計型の端末でしょうか。このような端末でメールと音声通話できるものの中にポータブルSIMの仕組みが入り、Bluetoohが届かない場合には単体での使用が可能であるなら持ってみたいとは思います。ただその際、どれくらい電池が持つのかということも重要な購入における判断材料になるでしょう。その他、メガネにこの機能を付けたりしてあのGoogleグラスのように使えるものが出てくれば面白いと思います。

 このポータブルSIMの仕組みが一般化した場合、あえて端末のメーカーは通信会社の提供する電波に合わせた通信機能を付けなくても良くなりますので、端末の値段も下がるかも知れませんし、またメーカーの方で通信会社を問わずこのポータブルSIMを利用できるものが出てくれば、例えばauのスマートフォンを使いながらドコモの番号を使っての発着信ができるとか、そんな製品が発売されてもいいように思います。でも、ポータブルSIMだけ契約して端末は他社でというのはドコモが許さないかも知れませんが(^^;)。

 今後の事を考えると、従来のSIMカードに代わるものとしてこのポータブルSIMが開発されているものなのか、単に数多くある製品の中の一つなのかということにも注目していきたいと思います。SIMカードの差し替えは手間である半面、災害時に端末が壊れたとしても別の端末に入れればカード自体が壊れていない限り、少なくとも同じ番号での通話やメールは続けられます。反対にもしポータブルSIMが破損した場合は、お店に行って新しい端末に交換するしかなく、通信の復旧にはかなりの時間がかかってしまうことでしょう。ですから、あえて新しい技術には飛び付かず、冷静に動向を見ていくようにしたいと思います。

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