車中泊徒然草+

車中泊のための装備は緊急時に役に立つか

 2013年3月上旬に起こった北海道での地吹雪は、たいがいの悪天候に慣れているはずの地元の人たちの生命の危険も伴うものすごい威力を持つものである事を改めて感じさせてくれました。外を歩いていたり、更には車から出て歩き出すも力尽きてしまったというのは本当に悲しいですし、車内に留まっていて一酸化炭素中毒になった家族の方々の無念はいかばかりだったでしょう。こういう事故が起こった後で、その対応策が報じられるというのもやるせない気がしますが、このような報道がどうすれば安全に避難できるのかという事を多くの人が考える事にもつながる事は確かです。今後同じような天候に巻き込まれても何とかして生命を守るためにはどうしたらいいのか、考えてみる事にします。

 公共交通機関を使っているなど、最初から車に乗っていない場合は仕方がないところもありますが、車に乗っていて天候の急変に遭遇した場合、余程の事がなければまず車にとどまって救出を待つのが基本でしょう。今回の地吹雪ではホワイトアウトが起こり、自宅から数百メートルというほんのわずかな場所で力尽きているような状況もありました。くれぐれも自然を甘く見ない方がいいという言葉をかみしめつつ、考える事が大事なように思います。天候か多少良い時に目的地が見えていても、視界が遮られ音も聞こえない(無音ではなく恐ろしい地吹雪の響きが聞こえるということが更に方向感覚を鈍らせる可能性も)状態では正確に進む事ができない事をまずは理解しましょう。早く安全なところへ行きたいと思っても、まずは車の中で天候の回復を待つのが大切です。

 車の中で待つ場合、単なる風だけなら車のエンジンを付けながら待つのもいいでしょうが、雪が飛んできてマフラー周辺に積もり、マフラーを塞ぐ可能性がある場合は常にマフラー周辺の雪をどけるよう気を付けるか、アイドリングはしないのが賢明です。ただ、雪が降り続く最悪の状況も考えると外に出ること自体が自殺行為と言えないこともなく、何とかアイドリングなしに寒さをしのぐ方法についても考えておいた方がいいような気がします。

 車の中では屋外と違ってとりあえず風をさえぎることができ、野営では一番恐ろしい地面からの冷気を直接受けずに済みますが、それでも寒さはじわりとやってきます。まずは下からの冷気をシャットアウトするためキャンプ用のマット(安い銀マットでも可)を乗っている人が座席に触れる部分に使えるだけ揃えることが大事です。その上でお互いに体をくっつけあったり、災害用のアルミシーにくるまるなどして、助けが来るまで体温を維持するというような対策が必要になってきます。この他に、使い切りのカイロを車に常備しておくとか、非常用の飲料水や食料を用意しておくとか、そういった用意をしておく事が意外と大切な事だと思います。私が考える便利グッズをちょっとまとめてみると、

・車のシート部分と体の間に敷くためのキャンプ用マット
・寝具類や非常用のアルミシート
・使い捨てカイロ
・缶入りの非常食(水なしでも食べやすいキャラメルあたりがおすすめ)
・乾電池や手回し発電で動くラジオおよびライト

 最低限これくらいを用意しておけば急に車中泊しなければならなくなった時だけでなく、車の外に出られないまま一晩過ごす場合、エンジンをかけなくても何とかなるのではないかという希望は湧いてきます。いわゆる、災害用のセット販売されている品を買ってまで揃える必要はありません。こうしたものの多くは100円ショップで補充したり、家にあるものでも代用できます。寝具兼寝袋の代わりに使い古しの毛布を積んでおくだけでもいいでしょうし、非常食も早いペースで入れ替え可能ならばあえて高い非常食用の缶を買わないで通常のパッケージを置いておくだけでもいいでしょう。季節の変わり目にはまだ荒れた天候が全国的に現れてくる場合がありますので、元々車中泊をされない方もこうした用意について考えておくのもありなのではないかと思います。

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