車中泊徒然草+

奇跡は起こるのか?

 さすがに本日のお題は、女子サッカーのワールドカップについて書いておきたいと思います。興味のない方には申し訳ありません。

 昨日は早朝から生で試合を見ていたのですが、「日本が絶対勝つ」というような甘い見通しはとても持てませんでした。というのも、世界ランキングが1位と4位と拮抗しているようでいても、その力の差というのはかなり開いていたように思います。それまでの対戦成績を見ればさらに難しい試合になることは容易に想像できました。

 日本が勝つパターンとして、後半ギリギリまで0対0で粘り、試合終了間際にセットプレーで1点をもぎ取って逃げ切るという準々決勝のドイツ戦のような戦い方でないと難しいだろうなと思っていました。しかし反対にいい時間にアメリカに点を入れられて、悲観的な予想をされた方も多いはずですが、相手ゴール中央のセンタリングに合わせて複数の選手が走り込んでいたため、こぼれ球を押し込み同点とすることができました。

 そのまま延長戦に入ったものの、ゲーム当初からアメリカにパスで振り回されていた日本チームはスタミナも切れがちで、案の上相手チームのエースに決定的な点を入れられてしまいました。体格の差をカバーする運動量が落ちている中、延長後半の15分があるとは言え、この時点でまた追い付けると見ていて思った方は、そうはいなかったに違いありません。流れの中で点を入れるのが難しいとなると、フリーキックやコーナーキックからのセットプレイしか活路はないと思っていたところ、そのチャンスをものの見事に決め切ってしまいました。

 サッカーというゲームは力の差があってもそれほど点が入るスポーツではないため、チャンスを確実にものにしながらしっかり守っていけば、力が劣るチームでも勝つチャンスがあります。今回のように引き分けが許されないのでペナルティキック合戦になるトーナメントではなおさらです。日本国内でもプロアマのチームが一緒のトーナメントで日本一を競う天皇杯がありますが、そこでもリーグ戦の王者やJ1のチームが必ず優勝できるわけではありません。それがサッカーの面白いところなのですが、それでも全くの運だけで今回の日本チームの栄光があったわけではないでしょう。

 どんなに劣勢になっても試合を諦めず、ひたむきにボールを追いかけてゴールを狙う姿勢をなくさなかったことこそが今回の世界制覇の原動力になったのであろうと思います。それでも、勝敗は時の運で、ちょっとしたことで違った結果になってしまったかも知れませんが、まじめにやっていればこういう事も起きるということの実にいいお手本であったのではないかと思いますね。

 各国のメディアでは「奇跡」というキーワードで語られているところもありますが、奇跡はただ待っているだけではそうは起こりません。自分でできる事はしっかりとやった上でその結果を待つようでないととてもだめでしょう。そんな当たり前の事を身をもって示してくれた日本チームには感謝の気持ちでいっぱいです。

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