Zippo ハンディウォーマー

カイロの主流は安価でさまざまな種類のある使いすてカイロであることは間違いありませんが、昔からあるカイロもそれなりの良さがあります。以前紹介した燃料棒に火を付ける楠灰カイロと同様に現在はそれほど使われなくなったものに、ハクキンカイロがあります。写真のZippo ハンディウォーマーは実のところハクキンカイロと同じ構造で、単にZippoが出しているかどうかという違いだけなので、これから入手されるならZippoでもハクキンでもどちらでもいいと思います。

このカイロの仕組みは火を使って火口を温め、本体内に入っているワタにしみこんでいるベンジンやZippoオイルを気化させることで温かさを持続するのですが、カイロが温まっている時に燃焼自体は起こっていません。本体はかなり熱くなるので、カバーを付けずに使ったり、同じところに当てたまま圧迫するような状況になると低温やけどの危険性がありますが、カイロそのものが燃え出すような事はそれ自体ではないというのも安心な点でしょう。車中泊での使い方として、外出時に使うだけでなく、寝袋の中に放り込んでおいて中を暖めるといった事もできます。ただ、就寝時に使う場合低音やけどには注意しましょう。

燃料としてはカイロ専用で売られているベンジンか、ホワイトガソリン、ライター用に売られているZippoオイルを使えばいいのですが、とりあえずZippoオイルの方は旅先でもコンビニで入手可能です。それより安く燃料を入手したい場合には、薬局でカイロ用のベンジンを購入すればいいでしょう。

ただ、カイロ用のベンジンは可燃性の液体で、車の中に置いておく場合、取り扱いに注意しなければならないということがまずあります。さらに、点火するのに現状では火を使うしかないということもあって、あえてお勧めとは言い難いのがつらいところです。以前は単三の乾電池(エネループやエボルタなどの充電式電池でも可)を使って燃料を気化させることの出来る専用の火口と点火装置がハクキンから売られていたのですが、現在ではそうした方式のカイロおよび、部品が製造中止になってしまったのが大変残念です。

あと、全く使ったことのない方のために書いておきますが、燃料を燃やしたり気化させるタイプのカイロというのは、どうしても匂いが出ます。私はそんなに気にならないので使い続けていますが、こればかりは実際に使われてみて判断しないといけないところではあります。今の日本ではこうした燃焼系カイロが廃れ、使い捨てカイロが全盛になっていますがその理由はこういうことなのだなとしみじみ思うわけです。しかしそれでもここで紹介するのは、車中泊における長期旅行において、できるだけゴミを出さない工夫の中で選択する意味はあると思うからです。

使いすてカイロはその名の通り、一回使ったらゴミとなるわけですが、これが不燃ごみか可燃ごみなのかは自治体によって対応が違うようです。袋を破って別々に出せば確実かも知れませんが、どうしてもゴミを持ち帰れないような場合、袋を破くような捨て方は後々のトラブルの元になってしまいそうです。

旅の中でごみが出るのはある程度仕方のない事だと思うのですが、できるだけ簡単に分別できるゴミしか出したくないということになると、個人的には使い捨てカイロは使いたくないのですね。そこで、今回紹介した燃焼系のカイロとなるのですが、車に燃料自体を常備可能で短時間の使用で済むならば楠灰カイロを選べばいいでしょうし、長時間の使用や、車内での使用を想定している場合はハクキンカイロを選ばれるのがいいと思います。就寝時には湯たんぽを使うという選択肢もありますし、電気を使わないで体を暖める手段として、本体のみを車にのせておき、いざという時にはコンビニに飛び込んでZippoオイルで使うという選択肢もありかも知れません。特にZippoのライターを使っている方は、常に持っているもので対応可能という点で、このカイロはおすすめだと思います。タバコを吸われない方については、商品名で言うとチャッカマンが有名な柄の長いディスポーザブルライターを用意しておけば火口への点火もそう大変ではないでしょう。


カテゴリー: 車中泊のための道具考 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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