東京オリンピック時に「駿河湾フェリー」は動いているか

先日、現在清水港と西伊豆の土肥港を結んでいる「エスパルスドリームフェリー(駿河湾フェリー)」の2019年3月末での撤退について報告しましたが、道路が整備されているとはいえ、この航路はかつて静岡県の防災船が動いていたこともあって、何かしら公的な支援を持って存続できないのかと思っていましたが、一昨日の静岡県知事の会見の中で、この駿河湾フェリーについて何とか航路を維持できないかということでプロジェクトチームを発足して検討していくことを発表したことが新たな展開を呼ぶかも知れません。この会見の様子を報じた地元紙によると、このプロジェクトチームでは「事業引受先候補の有無」「事業継続のための費用」「どのような手法を取れば事業継続できるか」などについて検討するとのことです。

元々この航路は清水港~田子の浦港~土肥港という風に清水まで出なくても利用することができたのですが、2002年から田子の浦港に寄稿することがなくなり、現在の清水港~土肥港間の運行になっていたのですが2005年から赤字となり、そのままの状態で運行を維持するのは難しいとの判断の元で撤退が発表されました。もはや伊豆に行くための道路整備が進んでいく中、短い距離のフェリーというのはもはや営業的に成り立たないのではないかという感じがしたのですが、県の方から駿河湾フェリーの存続について具体的に動くということになるとまた状況は変わってくる可能性があります。

今は「フェリー」と言いつつも、清水港には割と大き目な駐車場もあり、車を使わなくても清水港へはJR清水駅や静岡鉄道の新清水駅からも向かうことができます。そのようにフェリーのみに乗ってくる乗客にとっては、もし県の方で乗り出してくるなら今のままの土肥港からの交通機関についても何とかしてもらいたいというのが正直なところなのではないでしょうか。特に土肥港からはバスが走っていて、修善寺方向および堂ヶ島・松崎行きの2本があるものの、これらのバスは周遊きっぷの利用範囲外で、本数もフェリーの数だけに限定されているので、このバスについても県の補助によって本数を増やすとか「富士山満喫きっぷ」で使えるようにしてもらうとか、または土肥港から電動自転車の利用を促して土肥港から修善寺間の乗り捨てに対応するようにするとか、いろいろ伊豆半島への観光のための方法は考えられると思います。

さらに、先日の撤退発表があった時に嘆いたように、せっかく修善寺周辺で東京オリンピックの自転車競技が行なわれるというのに、西側からやってくる人については車を使わないで会場にスムーズに入場することもできるのではないかと思っていました(オリンピック期間中には土肥港からのシャトルバスが増発されることも考えられました)。しかし先日の撤退発表でオリンピックの一年前にフェリーを失くなった状態で世界から多くの人々を迎えるというのは、かなり厳しいだろうと思っていたのですが、もしこのオリンピックを機に「自転車なら修善寺」というような状況を発信できたとしたら、オリンピック後も駿河湾フェリーも自転車に優しいフェリーとして方向転換を図るという考え方もあると思います。清水港にフェリー利用客のための駐車場を増やし、土肥港からのサイクリングロードをオリンピック開催とともに整備するような方向で、伊豆半島の観光資源をロードバイクに乗りながら楽しめるようにするとか、今まで車で直接伊豆半島に入っていた人達をフェリーに誘導するような仕組みを県の補助で作っても面白そうです。

ただし、県のプロジェクトチームが発足したからと言って駿河湾フェリーが存続するという甘い事ではないということも事実です。そんなわけで、この件については新たな情報が入りましたら改めて紹介し、できることなら駿河湾フェリーが存続するような形でこちらも何らかの協力ができないか考えていきたいと思っています。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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