旅行中のもしもに備えるなら車の予備キーは持って行くべきか

テレビのドキュメンタリーで24時間365日受け付けるカギのトラブルに関する主張サービスに密着する番組を見ていました。改めて様々なトラブルが有るなということを感じるとともに、旅行の際にお世話にならないようにということをしみじみ思いました。というのも出張サービスの場合は出張料金がかかるため、単純な作業でも2万円くらいの出費を覚悟しなければなりませんし(トランクのカギを置き忘れて沖縄旅行に出発前に出張依頼をした方が番組では紹介されていました)、自宅の複雑なカギの取替え費用にいたってはカギの種類にもよりますが7万とか8万の請求をされた方もいました。カギがあれば解錠だけで済みますが、カギごと無くしてしまったり、鍵穴に接着剤などをつめられて使用不能にされたらシリンダーごと取り替えるしかないわけで、特に自己管理で何とかなる分についてはしっかりしなくてはと改めて思ったのが正直なところです。

テレビ番組では主に自宅のカギや金庫を開けるといったパターンがほとんどでしたが、一つだけ車のカギをロックしたまま失くしたという人が出てきました。この方は引っ越し作業中にカギを荷物の中に紛れ込ませてしまったようで、単に解錠だけならロードサービスで対応できるのですが、その場から車を動かして引越し作業を続けるためには現場で改めてセルが回ってエンジンがかかるキーを作ってもらわなくてはなりません。

番組の中では特に触れていませんでしたが、作業対象の車は幸いにもトヨタのイモビライザーも付いていない古いタイプのキーだったため、シリンダーを外してその内部に刻印されているキーの番号から機械を使って自動的にドアが解錠できるキーを作り、そのキーでエンジンがかかるか確かめ、複製の料金サービスでさらに2個のスペアキーを作ってもらって料金は3万6千円ほどでした。

ただ、テレビを見ている人が普通の車ならだいたいそのくらいの値段で作業をやってもらえると思ったら大きな間違いです。ギザギザのパターンを削ることでスペアキーを作れるカギは今の時代においてもはや時代遅れのカギで、車上荒らしに狙われた場合、簡単に解錠され直結でエンジンを掛けられて盗まれる可能性があります。

私の乗っている古いフィットでも、実は昔のようなギザギザのある車のキーではありません。中古車で購入した時には中古車販売店のお店の人に、スペアキーを作る場合にはディーラー経由になり、さらに車の説明書と一緒に付いているバーコードを失くすとキーが作れなくなるとおどされたので車の購入後すぐにディーラーからスペアキーの作成を申し込みました。

実はその前にカギの専門店にも相談に行ったのですが、鍵屋さんではカギが昔の車のキーのパターンとは違うのでその場ではスペアは作れず(必要に応じてメーカーに問い合わせをする必要がある場合があるとのこと)、そしてそのままコピーを作ったとしても、ドアは開いてもエンジンの掛からないキーになる可能性があると言われ、素直にディーラー経由で頼むことにしました。結果、鍵屋さんで言われた金額より安い金額で作ることができたのですが、改めて車のキーの種類には多くの違いがあることを教わりました。

鍵屋さんに上記のようなことを言われたのは、同じように見える車のキーでも、イモビライザーが付いているか付いていないかは鍵屋さんの方では判断できないからということのようです。カギの作成料金はイモビライザーが付いているか付いていないかで万単位で作成費用が違ってきますし、今の新車に多く採用されている鍵穴にキーを差して使わないスマートキー(ノンタッチのICチップ内蔵キー)については更に金額が変わってくることが予想されます。具体的なキー作成料金のみ(出張料や解錠料金、キー複製は別料金)の目安については、国産のイモビライザーが付いたキーで4万円から、外車のイモビライザーキーになると6万円から車種によって変動有りということになるので、下手をすると出張してもらう場所や車種によっては10万円コースも有り得るということになってしまう可能性もあるわけです。

それだけのお金を払っても、車の名義が運転者と違った場合、その場ではキーを作れないか作れても時間がかかる可能性も出てきます(本人確認がないとスペアキーが作れない場合も考えられます)。そんなトラブル時の事を考えれば、昔の車の複製の簡単なキーの方が楽でリーズナブルだとも言えますが、逆にそれでは安全面で不安ということもあるわけですから、車での旅をする場合にはやはり何らかの対策を考えておくべきだと思います。

今回問題にしているのは車の中に鍵を置いたまま閉めてしまったという「インキー」ではなく、鍵そのものがどこにあるのかわからない場合の費用負担の多さです。古い車の場合は専門の業者でなくロードサービスを呼んでも解錠できるなら、あえてスペアキーを車内の秘密の場所に隠しておけば鍵の入ったバックが盗まれたり、鍵そのものを落としたりして紛失してしまってもロードサービスを呼んだり、ロードサービスでは対応できないと言われた場合でも専門業者への支払いは解錠のための費用だけで済むことになります。対策としては一見スマートではないかも知れませんが、新たにカギを作ってもらうための手間と費用を考えると、これも立派な対策と言えるでしょう。

ロードサービスも頼みたくないという場合に、昔はそれこそバンパーの裏にガムテープでスペアキーを貼り付けたり、強力な磁石で車のどこかにくっつけておくという事が推奨されていた時期はあったものの、さすがに現代ではおすすめできる方法ではありません。たとえ偶然であっても鍵が誰でも取り出せる場所にあることがわかってしまっては、それこそ盗まれて盗難保険に入っていたとしても、契約者の重大な過失ということで保険が下りない事が考えられるからです。

トヨタの一部の車用に、ソーラー腕時計に車のスマートキーがセットできるオプションがあるとのことですが、この時計を付けていれば失くす心配はありませんが、少々高いのが難点です。ブレスレット式の同じものが一般的に使えるようになれば、恐らくこうしたトラブルも減ってくるかも知れませんが、これはあくまで現代のキーについての話です。

昔のキーを常時持つには個人的には昔の「鍵っ子」を連想しますが(^^;)、ネックストラップにスペアキーを付け、外から見えないように首から掛けていつも携帯しておくのが最強ではないかという気もしますが、どちらにしてもスペアキーは自宅に1つ置いておく分を含めて車で出掛ける際に持ち出す分が2つ(もちろん、2つは別々の場所に置いておかないと2個いっぺんに失くしたら意味がありません)で合計3つ用意しておくのが、特に旅行ですぐに自宅までスペアキーを取りに行けない場合には有効だと思います。

とにかく、鍵のトラブルにはお金がかかるという事については十分認識し、失くした場合にでも現地で何とかする対策を考えておく方が、出先での思わぬ出費を避けられるという意味でも工夫のしがいがあると思います。


カテゴリー: 車中泊での心構え | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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