SOTO レギュレーターストーブ ST-310

災害時やキャンプ用の湯沸しや調理のためにカセットコンロを用意している方も多いと思います。災害時に用意していなければなかなか手に入らないものかも知れませんが、避難所などに支援物資として持ち込まれる可能性は高いですし、日本国内ならば安価でどこでも入手可能なのが家庭用のカセットガスという状況もあります。カセットコンロの中にはコンパクトで持ち運びしやすい製品も多く出ているものの、基本的には室内用に設計されたもので、屋外用に作られた風の影響を受けにくいものは少々ごついものになってしまいます。十分な車への積載スペースがある方は外でも火が消えにくい風防の機能が付いたものを選べばいいでしょうが、車の中にそれほどスペースしかなく、カセットコンロの積載が困難な場合は、カセットコンロ用のガスカートリッジが使える小型ストーブ(この場合のストーブとはキャンプ用のコンロといった意味です)を用意しておくと便利です。

家庭用のガスカートリッジが使えるキャンプ用ストーブは複数のメーカーから出ていますが、私が携行しているのはSOTOのレギュレーターストーブ ST-310です。ガスを使った器具は学生の時に理科の時間に習ったことを覚えている方も多いと思いますが、それほど使い方が難しくないので誰にでも簡単に扱えると思います。ただ、これから冬にかけての季節にはちょっと問題になることが出てきます。一般的にガスを使った器具というのは外気温が下がれば下がるほど火力が落ちるという性質があり、調理にも時間がかかったりすることがあります。しかしこの製品は内蔵されたマイクロレギュレーターにより日本の晩秋ぐらいまでの低温下においても比較的火力を保つことができるという触れ込みの製品です。基本的にカセットコンロは、外で使うことはないと想定して販売されているものであり、普通に利用する場合はある程度暖房が入った部屋で使われることが多いため、冬であってもカセットコンロの火力低下というのを感じる方は少ないと思いますが、ガスを使った器具を野外で使う場合、どうしても低温下の使用問題がつきまといます。それでもキャンプ用に売られているガス缶については、山で使うことを想定されているためガス自体が低温でもそれなりの能力を保って使用できるものがあるのですが、家庭用として売られているガスカートリッジについてはもちろん山で使われることは考えられていないので、外気温が低い中でカセットコンロを使おうとしても思うような能力を発揮できないということが起きてくるのです。この製品はそうした対策を器具側である程度解決することを目指して開発された製品だといえるでしょう。

実際にどのくらいまでの低温下で大丈夫なのかということは、製品名で検索していただければすでに多くのレポートが上がっていますが、さすがに氷点下の状況では無理でも安価でどこでも手に入る家庭用のガスカートリッジでそこそこ使えるようです。外で使われる場合は風の影響から炎を守るために市販されているウィンドスクリーンとの併用が必要になる場合もあるかも知れませんが、それでもたたむと写真ぐらいまで小さくなるので、カセットコンロを持ち歩くよりも省スペースでの収納が可能です。

また、この製品の問題として、全てが金属になっているためいったん火を付けてしまうととても素手で触れないほど本体が熱くなってしまうとういことがあります。そのため、私は地面に設置する部分におよそ5mmのシリコンチューブを通して熱が伝わりにくいように工夫しているのですが、それでもかなり熱くなるので軍手を使用するのが基本で、その点がカセットコンロと比べると面倒なところだと思います。そして、本体が小さいだけに乗せている鍋をひっくり返してしまったり、本体そのものの転倒の危険も大きいと言えます。それでも、仕舞寸法は山岳用のものと比べれば大きくて重くはあるものの、車や非常用持ち出し袋に入れておくものとしては十分小さいと言えるでしょう。このゴトクに安定して乗せられる鍋やヤカンなどを揃えるのもまた楽しいものです。いざという時のためだけではなく、キャンプ場など火が使えるところでもこれだけあればたいがいの調理ができますので、まずは一つこの種のものを用意したいと思われる際には個人的におすすめの一品です。


カテゴリー: 防災用品・防災コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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