非常用電源付きの信号の現実

今年起こった地震や台風による北海道や静岡県での長期停電の影響で、改めて改善が必要だと思われたことに信号だけでも何らかの方法で復旧させることはできないかということがありました。ただその時は現状がなぜこうなっているのかという点の検証についてはそこまで深くすることができませんでした。その後、改めて停電における信号機の現状についてのニュースを目にすることができましたので、その内容を紹介しつつ、今後自分達はどうしたらいいのかということについて考えてみたいと思います。

停電した際に外からの電源供給に頼らない「非常電源付きの信号機」というのはすでに存在していて、電源を供給する方法によっておよそ2種類のものがあるそうです。そのひとつが停電から約1分で軽油で自家発電を始める「自動起動式」で、さらにもう一つの方式が停電と同時に点灯する「リチウムイオン電池式」で、これら2種類の信号機は2011年度末に全国で約5400基だったものが2017年度末までで約4000基増えたそうですが、全ての信号の中ではその配備されている割合が10%を超えているのは4都県のみで、他の道府県ではそれ以下の数%の普及率に留まっているそうです。

その原因というのは、やはりというか費用の問題が大きいらしく、自動起動式が約240万円、リチウムイオン電池式が約150万円と結構かかります。この金額は信号機自体の価格ではありませんので、注意が必要です。普通の信号機の場合、約400万円という数字が私がかつて自動車保険のチラシで見ただいたいの価格ですが(つまり、物損の補償金額は500万円程度では足りないというアピールチラシだったようです)、改めてネットで調べたところ設置費用込みだと470万円というデータを載せてあるページを発見しました。どちらにしても一機500万円くらいということになるので、なかなかそこに非常用の電源を付けるというのは難しいのではないかと思うこともあります。

ただ、最近のLEDの進歩により、交通標識や工事場所などで夜になると光るソーラーパネルのついた製品があります。今年の台風の停電では、昼間に消えた信号のところを通ったのですが、その際は信号機のある交差点ということは明るいので認識できたので、注意して前と左右を確認しながら通行できましたが、せめて夜だけでも信号自体が光るようになったら多少は状況は良くなるのではないかと思うのですが。

というのも、交差点というのは優先道路とそうでない道路にあるのが普通だとすると、優先道路から見える信号に黄色いLEDを全体に付けて停電した夜間にそのLEDを点滅させ、優先道路でない道路から見える信号には同じく赤いLEDを散りばめて停電した夜間は遠くからでも赤色が点滅しているように見えれば、信号の制御が必要なく交通を制御することができるのではないかというあくまで素人考えではありますが、これならそこまでの追加費用はかからないのではないかと思うのですが。もちろん、簡易的な黄点滅、赤点滅するリチウムイオン電池を搭載した非常用の信号を持って行く方が安く利用できるならそれでも十分役に立つと思います。

もちろん、もっといい案や画期的な技術があればそちらの方を優先させていただきたいわけですが、単に費用が高いので何もできないというのでは停電時の事故を防ぐことはできませんので、様々なところからアイデアを得ることで、今後の長期停電でも信号機が動かないことによる事故が減るように対策を打って欲しいです。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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