新幹線「のぞみ」と「こだま」の損得感が変わるかも

前回まで飛行機を使わなければ早く行けない沖縄旅行の事を書いていたこともあり、先日起こってしまった東海道新幹線のぞみの車内で起こたナタを持った男の殺傷事件の第一報を聞いた時には、その時に事件の起こった新幹線に乗っていた方の驚きと恐怖を感じると全く他人事には思えませんでした。

飛行機の場合も、最近になってかなり保安検査も面倒になっているということがありますが、それは大きなハイジャックによる事件が起きているためで、現在の検査でも完全に安全とは言えないということがあります。極端な話、持っているボールペン一本でも凶器になり得ますし、今回私も持ち込んだお酒の入った密封されたガラス瓶自体を割って凶器にするようなケースも考えられます。多くの人にとっては便利な道具でも、それを持つ人の心持ち一つで大きな事件を起こすための凶器になってしまうということで、今後の事を考えると派手な凶器を使わずに起こってしまう事件の方が恐ろしいとも思ったりするのです。

さらに今回の事件を受けて、他の国のように高速鉄道でも航空機のような手荷物検査をした方がいいという議論が今後出てくることが予想されますが、日本では銃器の携行が許されていないということもあるので、今回のような銃刀法や軽犯罪法に引っ掛かる刃物類や爆発炎上の恐れのあるリチウムイオン電池あたりまではできるにしても、飛行機のように液体についてペットボトルだけでなく普通のボトルやビニールに入った液体についてまできちんと検査できるのかは疑問です。すでにマスコミ報道で指摘されているように、新幹線でできなければ在来線で起こるかも知れないし、繁華街そのもので起こるかも知れません。現在の飛び込み乗車が可能な新幹線の現在の利便性を損ねるだけの効果が得られるかという事はあります。映画「新幹線大爆破」のような、新幹線車内を舞台にした大規模なテロ事件が起きれば別かも知れませんが、とりあえずは現状のままでどのように危険を回避するかということを考えることが大切ではないかと思います。

もうひとつ、別の面から考えると今回の事件の舞台になった新幹線は、途中停車駅が少ない「のぞみ」で起こったということも大きなポイントではないかと思います。私自身は静岡から東西に移動することもあり、静岡駅から「のぞみ」に乗ることができないので(静岡駅にのぞみが停車しないため)、この辺はちょっと東京・名古屋・大阪に住んでいる人とは意識の違いがあると思います。

基本的に車内で何かがあった時にその場から逃げやすい方法としては、停車駅に止まった時に外に出て逃げるということがあります。しかし、「のぞみ」の場合は新横浜を出てしまうと少なくとも名古屋まで止まりませんし、今回の事件も新横浜を出てから起こったことを考えると、今回の犯人は事件を起こすために「こだま」や「ひかり」ではなく「のぞみ」に乗ったことが考えられます。駅を出発してしばらくするとすぐに次の駅の案内が入って人の出入りもある「こだま」では全ての乗客が落ち着かないわけですから、計画的な行動を起こすには不向きであるのではないかと思えます。

特に私は、停車駅が多く敬遠されがちな「こだま」の指定席とアルコールを含む飲み物券がセットになったJR東海ツアーズが販売する旅行券(新幹線の乗車券ではありません)「ぷらっとこだま」をよく利用しています。静岡から東京までだと指定席で通常期大人4,700円と回数券のバラをチケットショップで買うより安く利用できます。静岡からの停車駅は「新富士」「三島」「熱海」「小田原」「新横浜」「品川」「東京」とかなり多いですし、「ひかり」や「のぞみ」に多く抜かれるために停車時間の長くなる駅もありますが、途中の停車駅に止まらない「ひかり」だと一時間で東京に着いてしまうので(こだまでは約1時間半)、車内で落ち着いて何かやる前に着いてしまいます。30分の差を長いと感じるかそれほどでもないと感じるかによって今までは考えていたと思いますが、今後考える時は単なる利便性だけでなく、停車駅が多いということによるいざという時に降りられる駅が多いというリスクを未然に避けられる新幹線が「こだま」であるという風に考えることができる分、個人的には「こだま」利用のメリットを見出すことができるのではないかと思うのですが。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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