Panasonic 電話機 VE-GDW54D

 スマートフォンを子機にできる家庭用電話機が出て、外で使っているスマートフォンで自宅の電話も取れるということになり、買おうかどうしようか悩んでいるうちにさらに進んだスマートフォン連携機能を搭載した電話機が発売されました。すでにテレビコマーシャルも出ていますのでご存知の方もおられると思います。

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 その電話機がVE-GDW54Dシリーズというものですが、親機の受話機自体もワイヤレスになっているタイプなので、通電していないと使えなくなる仕様と考えた方がいいでしょう。光電話に切り替わっている家なら諦められるでしょうが、メタル回線で利用されている方、で停電時に電話を使いたい方は,別に停電時にも使える電話機を用意しておくことをおすすめします。

 さて、このシリーズの特徴であるスマートフォン連携ですが、スマートフォンを家庭内子機として使えるというのは自宅Wi-Fiへの接続が必要だということと、専用アプリのインストールできるスマートフォン端末であるかというのが問題になります(パナソニックのサイトにある対応機器の情報を参考に調べてみてください)。さらに言うと、自宅に帰ってきてすぐ受けたりするためには、事前にスマートフォンのWi-FiをONにしておく必要がありますので、その点にも注意しましょう。

 そして、今回紹介するVE-GDW54Dシリーズの目玉機能が「外出先でスマホに着信転送」というものです。これはどういうことかというと、自宅の電話番号に電話をして留守の場合、今までは留守番電話で応対するのが普通でしたが、この電話機では外にいるスマートフォンに着信を転送させ、出先でそのまま家の電話にかかってきた電話を受けて話せるということです。今までも着信転送をしてくれるサービスは数々ありました。電話会社の方に登録して、自宅にかかってきた電話を転送する場合には、自宅から出先の携帯電話への通話料は契約者負担になってしまいます。また、電話機自体に転送機能が付いたものも存在しましたが、回線が2本ないと転送ができません。そして当然ながらかかってきた回線を出先につなぐということで、その分の料金は契約者負担になりました。

 しかし、この電話の仕組みをうまく使うと、転送料金がかからずに家にかかってきた電話を、一回線しかない固定電話契約でも受けることができます。ただし、自宅でのWi-Fi環境が必要なことは変わりないので、すでに光回線やADSL契約をしている方にとっては便利に使えるものであると言えるでしょう。

 一回線しかない電話回線とインターネットで転送通話のできるカラクリは、インターネット網を使ったIP電話を利用できる機能が付いているからです。カタログやチラシには、以前このブログでも紹介してきましたスマートフォン用のIP電話「FUSION IP-Phone SMART」を登録する手順が記載されています。なお、以下に紹介する内容は極力カタログおよび専用チラシに書いてあることを基にして書いていますが、こちらの理解が足らず、実際と違ったことを書いているかも知れません。ご指摘をいただければ正しい表記に書き換えますので、間違いがありましたらその点はどうかご了承下さい。

 カタログを一通り読んだところ、すでにある「FUSION IP-Phone SMART」の番号を流用するのではなく、パナソニック専用サイトからまず登録をし、「SIPアカウント」「SIPアカウントパスワード」「転送先電話番号」をまずもらいます。親機自体でIP電話が使えるようになるのではなさそうな感じです。次に対応するスマートフォンにSMARTTalkアプリをインストールし、IP電話を使えるようにします。すでに「FUSION IP-Phone SMART」のアカウントを持っている場合どうなるのかはわかりませんが、新たに導入する番号については支払いに違うクレジットカードが同じ場合は、番号追加ごとに500円の手数料がかかりますので、違うカードが有ればそれを使うか、それまでの契約を解約して契約し直すことが必要になってくるかも知れません。

 最後に、スマートフォンと親機をつなぐアプリを起動して、親機の方にも「SIPアカウント」「SIPアカウントパスワード」「転送先電話番号」を登録します。これで、かかってきた電話をIP電話網にのせて、スマートフォンにインストールした通話アプリを使って通話できるようになるそうです。個人的には電話機本体でIP電話の発着信ができるのかといきり立ったのですが(^^;)、それは無理なのかなという感じがしなくもありません。

 ただこれでスマートフォンへの転送料金は無料で(通話料金そのものは無料でも、自宅およびスマートフォンを使ってのネット接続料金はかかります)家の電話を外でも受けられるので、理由あって携帯の番号を教えたくない場合や、自宅に緊急連絡が入るような場合でも安心して出掛けられる環境が完成します。車中泊で長期にわたって家を空ける場合には、外から直接家の電話を受けられる環境が役に立つこともあるでしょう。さらに、スマートフォン自体には090や080の番号は必要ないので、データ通信専用のMVNOでも受けられるわけです。連絡は自宅の電話経由でもらい、発信は別のIP電話で行なうなら相当安く上がりますし、ガラケーとスマートフォンの2台持ちで運用する場合でも、スマートフォンにかかってくる電話は自宅への電話であると簡単にわかりますので、これはこれでメリットがあります。既に連絡は携帯電話で全て済ませているなら必要ありませんが、何やかんやで自宅の電話も使う場合はこういうものも面白そうですね。

 ただ、最初にも書きましたが、停電時には電話そのものが使えなくなるだけでなく、自宅のインターネット回線に不具合が出たら転送機能が使えなくなることは覚悟して使った方がいいでしょう。また、「FUSION IP-Phone SMART」を転送のために使う場合、通話品質がいいとは必ずしも言えないという口コミ評価もネット上では見受けられるので、転送時の通話品質に不安を感じる方もいるかと思います。メーカーの方にはソフトのバージョンアップで、同じIP電話でも、比較的通話品質についての評判がいい050plusあたりにも対応してもらいたいところです。


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Panasonic 電話機 VE-GDW54D」への2件のフィードバック

  1. hiroro 投稿作成者

    いつも拝見させて頂いております。
    静岡県西部に住んでいます、hiroroと申します。
    有益な情報を提供して頂きありがとうございます。参考にさせて頂いております。
    当方、この電話機を購入しました。
    一番期待した機能が、着信転送でした。
    使用した結果、スマホに着信する番号が転送先の050番号一本になり、誰からの電話か通話しないと判らないという事態になりました。不要な着信にも通話するハメになります。
    これでは使い物にならないため、転送設定は止めしまいました。
    今後も拝見させて頂きますので、よろしくお願い申し上げます。

  2. てら 投稿作成者

    hiroro さん コメントありがとうございました。
    家の電話というのは、古くから使っているほど、いろんな電話が掛かって来るものですね。 いわゆる振り込め詐欺が目的の電話も、古い電話帳を調べて掛けてくる場合もありますし、そういう類いのものまで外で受けたのでは何のための便利な機能なのかわからなくなりそうです。
    すでに携帯の番号を持っていて不自由のない場合は、確かにうっとうしいだけかもしれません。でも、なにかの拍子に固定電話にかかってきた電話を直に受けたいと思うこともあるかもしれませんし、その他の機能も充実していますので、大切につかってあげてくださいね。

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