Panasonic ミニクッカー SR-03GP

 災害時に家電製品というのは電源が確保されないと使えないのですが、最近では外からのエネルギーを入れずに全て自前の機材で最低限の電力を確保するための機材も自前で用意できるようになってきました。具体的には太陽光パネルを使い、自動車用の鉛バッテリーや持ち運びのできるポータブルバッテリーを充電するシステムなどです。

 車中泊の装備を揃えている方は、走行中に充電ができるようにしたサブバッテリーシステムを組んでいらっしゃる方も多いと思いますのでいざという時に家電製品が使えるメリットは大きいと言えます。しかし、東日本大震災の時の事を思い出してみると、ガソリンの供給がほとんどされず、車を移動目的以外のためにアイドリングしてサブバッテリーの充電をするという事は難しいかも知れません。それなりに充電が可能な太陽光パネルを装備したとしても、使い過ぎたバッテリーを一日で急速充電というのはなかなか難しく、その日のお天気頼みということもあります。

 そんなわけで、できるだけ電力消費量が少なく、できることの多いものというのを防災用電源セットとともに用意しておくのがまずは災害時に使える家電製品を選ぶポイントだと私は思っています。そうなると電子レンジという便利なものは論外になりますが(^^;)、いろいろ探していけば面白いものはあるものです。

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 写真のパナソニックが現在も販売しているミニクッカーSR-03GPは、写真のように昔からある電気炊飯器そのものです。もちろん、基本はお米を炊くためのもので1.5合までお米を炊くことができます。せいぜい2人までが使える量と言えるでしょう。

 こうした電気炊飯器は最近色々出ていて、新しいものだとご飯を炊きながらおかずを温めることができるランチボックスのような形状のものの方が魅力的に映るかも知れません。しかしながら、私がこの製品を紹介するのには少なからず理由があります。まずはカタログ値の消費電力が200Wと、他の小型炊飯器よりも、さらに旅行用ポットよりも少ない消費電力を誇るということです。これは最初に紹介したように限りあるバッテリー容量を節約しながら使わなければならない場合に大きなポイントとなります。特に炊飯している場合は途中でバッテリー切れを起こして止まってしまったらどうしようもないわけです。また、バッテリーをコンセントから出力できるようにインバーターを入れる場合、消費電力が少ないほどインバーターの能力に余裕ができます。これなら大型のインバーター経由でなくても、ポータブルバッテリーに内蔵されたインバーターで動くものもあります。利用するバッテリーやインバーターの範囲が広いということがまずは大きなポイントだと言えます。

 そして、どう見ても電気炊飯器とは言いながらメーカーが「ミニクッカー」とうたっているように、この製品はご飯を炊くことだけしかできないということではありません。構造はいたってシンプルで、なべに入れているものの水分がなくなるとスイッチが切れる構造になっているということで、他の電気クッカーのように空炊きしてしまう心配がありません。もちろん水を沸騰させることもできますし、汁物を温めることや簡単な調理も可能です。レシピについては炊飯器を使った料理のレシピを参考にすれば、それこそ数多くのバリエーションがこのクッカーでできるでしょう。もっとも、サイズが極端に小さいので(容量0.27l)作る分量に限りがあります。あくまで1人用程度のものであることはご留意下さい。なべにはテフロン加工が施されていますので剥がれないように注意しながら、これも特徴の透明なガラス蓋でなべの中を確認しながら行なえるというのも便利です。

 今後の課題として、こうした便利な家電製品が普通に使えるように外からのエネルギーに依存しない自家発電のシステムを組み、いざという時にご飯を炊いたりおかずを作ったりするだけの電力を確保することができるかどうかということですね。太陽電池だけでは毎日使うことは難しいでしょうが、晴れの日にバッテリーに充電し、野外で火を使った調理のできない雨の日に使うというような形なら何とか災害時にも役に立ちそうな感じではあります。どちらにしてもシンプルな構造で使い方も簡単、日常生活においてもそこそこ使えるものを防災用品として持っておくのもいいのではないかと思います。


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