車に乗っていて道に迷って本当に困ったら?

高速道路や一般道で逆走をする事にはさまざまな原因がありますが、先日山形県の国道で起こった逆走による正面衝突事故は、本当に何とかならなかったのかと悲しい気持ちになる事故報道でした。

事故を起こした軽自動車に乗っていたのは80代のご夫婦で、2018年8月17日のお昼くらいに福島県南相馬市から仙台市にある長男の家を訪れた後、自宅に帰るのに宮城県から道に迷い、宮城県・山形県・福島県を走行した形跡があり、仙台を出発してから1日半後の8月18日の深夜に山形県上山市金瓶の国道13号で逆走による事故を起こすまで道に迷いながらずっと運転を続けていたということになります。

事故を起こした軽自動車にはカーナビは付いていなかったそうで、知らない道を不安で運転しているのと、長時間運転した事の心労が重なって走行車線とは反対側の道路に入ってしまったという風に考えることができますが、ではどうしたら良かったのかということも十分に考えるべきではないかと思います。ちなみに、以下の検証は電話は使えてもスマホを持たずにネットは使えない状況で、道がわからなくなったらどうするかということになるので、同じようにご高齢の両親が車で長距離を走った時のトラブル回避策として、訪れた際に直接対応できることや、別れても後から電話で指示できるような感じで考えてみました。

まず、方向感覚がおかしくなり、さらにカーナビもないということになると、まず偶然に通った道に行きあたることを信じて走るというのはあまりうまい対処法とは言えません。当日の夕方に息子さんが電話をした時点で道に迷っているということだったので、今から思えば電話を受けた地点周辺で動かないでいてもらい、息子さんの方で迎えに行くぺきだったと思いますが、それでも何とか帰ることができるだろうという考えが息子さんの方にもあったのかも知れませんが、今回の結果を見ると大丈夫ではないわけなので、別れ際に「道がわからなくなって不安になればいつでも電話していい」ということを最初に伝えるとともに、とにかく「勘に頼らない走行」を行なうための手段を考えてあげる必要があります。

今回の事故ではそこまで細かく語られていませんが、カーナビがない車で来ているなら、紙の地図はどうだったのかということが気になります。ただ道路地図だけ持っていて安心してはだめです。地図の字は細かく、人によってはなかなかわからない場合もあります。そうしたことが心配になるなら、あえて地図に書き込みをしても自宅までのルートを把握した上で出発することが大切です。

もし無謀にも道路地図も持たないで出てきてしまった場合は、四の五の言う前にどこかのコンビニに車を停めてもらい、雑誌コーナーで道路地図は置いていないか店員さんに聞いてもらうように促しましょう。無事に道路地図をゲットできたら、店員の方にお願いして、その地図上に現在地をチェックしてもらうようにお願いしてみます。基本的には地図を読めないようなら、元々車で長距離を運転するのではなく、公共交通機関を使って出掛ける方がいいので、さすがに今回事故を起こした方も地図は読めるのではないかと思います。地図に書き込むものも持ってないようだったら、コンビニには文具も売っているので赤のサインペンやメモ帳などを購入し、自宅までのルートを地図上で書いたり、メモ用紙により具体的にポイントとなる交差点名とその交差点をどちらに曲がるかということを大きな字で書くとかの工夫が必要になるでしょう。もしそれでも道がわからなければその都度止まって地図を確認し、場合によっては地元の人に書いたルートに出るまでの道順をメモ用紙に書いてもらうようにしてそのメモを見ながら進めば、仙台から福島に帰るのに山形の上山市まで行くことはなかったのではないでしょうか。

そして、今回の事故を起こす前の状況を考えた時、運転している中で休憩や食事はしていたとは思いますが、ご夫妻で軽自動車に乗っていたということになると、車中泊をして体を休めるというのはなかなか難しいと思います。その場合、考えるべき対応策は2つあります。

まず一つは、当日帰りを諦めた時点で迎えに行き自宅に泊めてから改めて対策するか、もし親の方で迎えを嫌がった場合は周辺のホテルや旅館に泊まるという選択です。ただ、今回のケースはお盆休みにあたっているので、数ヶ所の宿泊施設で満室のため断わられてしまうと、気力まで萎えてしまう可能性はあります。その場合、頼りたいのは近くの駅に行き、そこに観光案内所があればそこで探してもらうというパターンは案内所が開いている時間であればおすすめです。

道に迷っているという状況をきちんと説明すれば、親身になって相談にも乗ってくれると思いますので、単に道を聞く手段としてもおすすめだと思います。もし案内所が閉っていたり、そもそも案内所がない駅でも、駅にホテル案内のパネルなどがあった場合にはそのホテルに片っ端から電話をしてみるという方法もあります。ただこうした事は旅慣れていないとできないかも知れません。そんな場合には、親から迷ったと電話が来た時点で、当日中にあくまでも帰る気でいるのか、その日のうちの宿泊を諦めて現地で宿泊するのかという意志表示を確認して息子さんの方から積極的に動くということも考えておきましょう。もし現場で長いこと待って迎えに来られるのがいやなら宿泊するということになりますので、その時点で現地から離れていても両親の代わりにネットでビジネスホテルや旅館などの空室情報を得たり直接宿の予約をすることもできます。

その場合も、とにかく言葉で伝わる誰かが迎えに来てもらいやすい場所で待機をしてもらい、現地までの送迎(実際は車で来て、宿まで先導してもらう)が可能な宿泊施設かどうかを確認する必要があるので、ネットで空室を確認したら、電話で打ち合わせをした方がいいのではないかと思います。

そして、今回の事故で考えてしまったのは、仙台から南相馬市がそう遠くないからかも知れませんが、運転していた方がなぜかかたくなに高速道路を使わずに一般道をひた走ったということです。今回の事故の場合は行きは無事に着いているので、お金を持たず出たということは考えにくく、考えられる一つとしては高速道路を運転したことがないため、流れに乗って走ることが不安だったのか? という風にも考えることができます。

ちなみに、高速道路の一般的な最低速度は50km/hで、夜の国道だったら十分出てしまう速度です。コンビニで地図を買い、そこで道順を教えてもらって近くの高速道路のインターチェンジまで行ければ、自宅近くのインターまで行る可能性は高まります。さすがにそこからは地図がなくても帰ることができるでしょう。高速道路では全ての車が100km/h(通常の高速道路の場合)で走らなくてはいけないということではありません。むしろ車しか走っていないということで一般道よりも安全に走行できるという点もあるので、日頃話をする機会があれば、一般道で無理をしないで高速に乗って左車線をひた走り、サービスエリアでは必ず休憩しながら進むことも必要であるという事を言っておくことも大切でしょう。

ここまで、あえて高齢者の方が自走して長距離を走ることも考えた対策についても紹介しましたが、高齢者の運転についての問題の一つは、そもそも運転すら危ないと家族が思っていても、がんこで決して自分で運転することを譲らないというケースが意外と多いことです。もちろん、日常的な移動に走り慣れた道をいつも安全に利用できているなら、免許を返納する必要まではないと思いますが、長距離運転の経験がない高齢者がいきなり長い距離を走るというのは今回の事故のような事が今後も起こる可能性があるということもあり、そもそも論になりますができれば車を使わずに移動してもらえるように説得することが必要になってくることもあるでしょう。

そこまで言っても車で出てきてしまうような場合はある意味仕方がないと思ってしまって冷たい態度を取ってしまうことも脳裏をよぎるかも知れませんが、ここまで書いたことを参考にしていただいて、車の中に道路地図の類が全くないようだったら、その場で用意して持たせた上であらゆる可能性を想定した対策を考えてあげた方がいいと思います。それと、無事に自宅に到着するまでは常に電話で連絡をし合うことを明言し、こちらに電話しやすいような状況は作っておきましょう。そして最悪の場合迷った先まで迎えに行き、現地でピックアップをすることも考えた上で面倒を見るようでないと、同じような悲劇は今後も容易に起きてしまいそうな気がしてなりません。

特に今回の事故では正面衝突をした相手の車に乗っておられた方もお亡くなりになっているので、さらに想定される状況が悪い場合もあり得ます。いくら言っても車で出掛けてしまい、一年のうちで何回も事故を起こしているような事がある場合には、もはや自宅まで車で来た時点で帰りは電車で帰るように促し、もしその忠告を無視して出ていってしまった場合は直接警察に保護を届け出ることも必要になるかも知れません。ここまで来ると家族の問題を自分達で解決できないということになってしまいますが、それ以上に車というものは凶器にもなり得るものですので、常に最悪の状況が起こることを考えて対策することが大事になります。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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