執筆環境がパソコンならタッチタイピングをマスターしよう

お笑い芸人として史上初の芥川賞を受賞した又吉直樹氏が2作目の小説を発表することになったということで、彼に密着したテレビクルーが彼の執筆環境を取材していたものを見る機会がありました。自宅とは別に古いアパートを借り、大きな机の他は何もないという簡素な部屋の中に、パソコンが置かれ、それが執筆用に使われているようです。パソコンの左側にカラーの電子辞書を置き、右側にはノートを常備しているだけで、テレビには小説を書く際の資料の類は映っていませんでした。

さらに、この環境でどのように書くのかというところまで紹介していましたが、又吉氏は執筆の様子を見る限りではパソコンから文字入力するのはどうも苦手なようで、そのためにパソコンとは別に電子辞書を用意しているのではないかと思われるのですが、さらに気になったのが、手書きのノートを用意している理由について話が及んだ時でした。

というのも、執筆に気分が乗ってくると自分で考えたフレーズや出てきたアイデアをパソコンの画面に打ち出しているうちに新たな発想が次から次へと出てきた時に困るということで、キーボードからパソコン画面に文字を打ち出すのが追い付かなくなる時があるのだそうです。そうした状態の時にはとにかくノートの方にその発想で出てきたフレーズやアイデアをパソコンで入力するより前に書いていくためにノートを用意しているのだそうですが、これはせっかくキーボードから入力しているのに正直もったいないと思ってしまいました。

もちろん、私にはベストセラー小説を生みだすだけの才能などありませんし、全てにわたって私のライフスタイルを凌駕するような活躍をなさっている又吉氏に対して意見できるなんておこがましいことであると承知しています。ただ、又吉氏のような大人気の書き手ではなくても、これからこうしたブログを含めてパソコンに向かって何か書いてみたいという方がいらしたら、キーボードからの入力が苦手なままでいいのかという事は考えてみて欲しいと思うのです。

パソコンの前に座って執筆することを考えるなら、まずは何が書きたいかを考える前に、「いかに自分の頭の中に生まれたフレーズや考え方をスムーズにキーボードから出力できるか」という事について考え、技術的に両手を使ったタッチタイピングを学習するという方向に向かった方が私は賢明だと思います。
パソコン用のキーボードの中に「F」「J」のキーがありますが、このキーの下にだけ他のキーにはない印がどのキーボードにもあります。ローマ字入力・カナ入力に関わらず、タッチタイピングをする場合は左右の人差し指がそれぞれFとJのキーの上に乗るようにして、「ホームポジション」を作ります。常に両手はホームポジションの上にあり、ここから自在に手元を見ないでも指を移動させて文字をスムーズに入力できるようになれば、入力のスピードは確実に手書き文字より早く正確になり、筆圧もかからずに長く文章を打っても疲れにくくなります。

もしそれでも溢れ出てくるアイデアを原稿に反映できないという状況になれば、アイデア用にワープロやエディタの別ウインドウを開いておき、「原稿用」「アイデア用」の画面にその都度分けて入力していけばパソコンとノートを併用しなくても十分に対応は可能になると思います。パソコンのユーティリティソフトの中には執筆をする人が便利なアイデアプロセッサや電子付箋のような、実際に現物を用意しなくてもパソコンの画面上で完結するソフトが多数あり、キーボードから入力した文字データはハードディスクだけでなくクラウドにデータを残すことも簡単にできます。手書き用のノートについては、パソコンから離れている時に出てきたアイデアをまとめるために主に利用した方が、作業自体もスムーズに進むのではないかと私は思います。

ある程度大人になって、なかなか今さら基本からタッチタイプの学習をしたくないという方も多いと思いますが、私自身紙に書いた原稿を作るよりもワープロで同じものを作る方が10倍くらい時間がかかった右手一本打ちをしていた頃を通り、多少は機械に慣れたと思える中でキーボードを見ながらそれなりにローマ字入力ができている頃には、このくらいキーボードが打てれば十分だと思っていました。しかし、大量の文章を毎日ネットにアップするようになると、かなり自分の頭で考えた事に自分の作業が付いていかないことにストレスを感じるようになりました。

そしてある程度時間(練習)とお金(主にテキスト代)を掛けたことで、昔なら一時間くらいかかって文章を打っていたのが、立ち止まることなくスムーズに10分くらいでも書けるようになり、今まで腱鞘炎とも無縁です。手書きの場合は長文を書き続けるためには軽い筆圧で書ける筆記具にお金を掛けることも考えなくてはいけませんが、パソコンによる執筆の場合は筆記具にお金を掛けることもなく、今ではどんな安いノートパソコンのキーボードでも手書きで長い文章を書くよりましだと思うようになりました。

ただ、昔と比べると今のタッチタイプを実現するためのテキストは数自体が売れないためか少なくなっているか、本屋さんでもほとんど見当たらないというのが残念です。それだけパソコンを使わずにスマホのフリック入力で済ませてしまっている人が多いということなのかも知れませんが、長文の論文・小説・ブログをこれから書こうと思っている方は、その前にしっかりと自分のタイピング技術を見直し、手元を見ないでタッチタイプができるくらいまでの能力を身に付けておいた方が時間的な事だけを言っても、絶対に楽になります。もしすでに長文を書いていて、又吉氏のようにキーボードを打つスピードと自分の頭に浮かんだものを打ち出すスピードが比例しないような場合は、ネット上でも有料無料の様々な学習法を見付けることができますので、自分に合った学習法でぜひチャレンジしてみることをお勧めします。


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