車旅の途中にちょっと山登りという考えは危険

車で旅をする中で、車を麓に置いていわゆる低山に登っている人をうらやましく思う時があります。自分の体力に必ずしも絶対の信頼を置いているわけではないので無理をする気はないのですが、旅の途中に山に登るのが面白そうで、さらに家族連れで小さい子も登っている簡単そうな山があれば登ってみたいと思うこともあったのですが、最近になって実際に起こった山の事故を検証した新聞記事を読む機会があり、そうした低山を甘く見る事がいかに危険な事かという事を実感した次第です。

低山と言えども登山をするためには、まず足元についてしっかり準備をしないと思わぬ怪我をする恐れがあります。段差や岩を踏んで行く場合に足首をしっかり固定するような登山のためのシューズを履くのが基本です。極端な例として、ビーチサンダルを履いたまま岩の多い山道に入っていってしまうと、足をぐらすだけでなく岩の先端や木の枝で体を傷つけてしまう恐れがあります。これは山登りではありませんが、先日の波照間島でサンゴでできた岩がゴツゴツしている場所でつい島サンダルを履いたまま入ってしまい怪我をしたということも痛い教訓として残っています。その場の思い付きだけで山に入って行かないということが、車を運転した旅の中では大切だということですが、最初から山へ行こうと思っている方でも万全の準備が必要であることが改めてわかったのでその内容について紹介します。

まず、山の天気は変わりやすいということで、肌着やズボンはウールや化繊のちゃんとした山用の速乾性のものを着て行き、雨具も上下一体型のポンチョではなく上下別の山用のレインウェアを荷物になっても持っていくことが大切です。過去に低体温症になって亡くなった方はことごとくそうした準備がなく、大量にかいた汗や雨を全身に受けて体が冷えてしまって生命の危機に直面してしまっています。

また、お弁当以外にも非常用の食料を持っていくこともありますし、いざという時に連絡する手段を確保するためにも工夫があった方がいいでしょう。2018年5月のゴールデンウィークに親子で遭難したケースでは、残念ながら二人とも低体温症でお亡くなりになってしまったのですが、当初は親族に電話にて野宿するとの連絡があったものの、恐らくスマホで連絡をしていたので電池が次第になくなり、肝心な捜索活動を行なっている時に電話が繋がらなくなってしまったそうです。

スマホでは地図アプリを起動するとGPSにより自分の現在位置を把握できるなど便利な機能が満載ですが、普段の生活のようにスマホを使っているとあっという間に電池が切れてしまいます。外付けのモバイルバッテリーを持っていたとしても避難生活が長引けば同じ事でしょう。確かにGPSを使えば自分の位置を確認できますが、専用のアプリがなければ場所を特定できないので「緯度経度」をスマホで調べてその内容をメモ用紙に書いておき、探しに来てくれる人と連絡が取れたらそのデータを電話で伝えるようにすれば電池も減らずに必要な情報を知らせることができます。

私自身は通話用にガラホを持ち、スマホやタブレットは通話以外の用途に使っています。識者によると連絡は家族より110番に掛け、なるべく電池を消費しないように捜索が開始されるまでは電源を切っておくなどの電池を消費しないような工夫が大事だということです。ただ、ガラケーに災害用の手回し発電機能が付いたラジオと接続ケーブルのセットがあれば、捜索が終了する夕方から翌朝にかけてはガラケーの電源を切り、ラジオのハンドルを回しながら充電作業をするようにできれば、何とかいざという時の通話も可能になるかも知れませんのでどこにも持って行く荷物の中に非常用ラジオとケーブルを加える余地はあるのではないかと思います。

また、一般的な遭難時の対応としては、遭難したと思ったら来た道を戻るようし、それもわからなくなったらむやみにその場から動かないようにし、絶対に下りない(崖で進めなくなるだけでなく滑落する危険がある)。草木が生い茂っていると空から見付けることが困難になるので、登山道でない林道や獣道にむやみに入らないということも大事なことです。

あとこれは、あまり余裕のない旅の計画を適当に実行している私としては耳の痛い話なのですが、登山の計画は十分に余裕を持って立て、下山については遅くても午後3時までには開始するということも大切なのだそうです。そのくらい早く動けば、多少迷ったとしても周辺が明るいうちに下山できる可能性が高く、暗くなった山道というのは昼とは全く違って迷いやすくなるというのは事実です。そもそも、日帰りのハイキングというつもりで出掛けた時に、ヘッドライトのような夜間歩行のための装備を持って行く人はまれでしょうし、そうした装備がなければなかなか夜間に行動することは難しいと思います。そんな事まで考えて山登りをするのでなければやはり危ないと考え、もし車旅の途中で山に登りたいと思うのなら、出掛ける時には車の中に必要な道具を入れておき、万全の体制で山に入ることができるようにしておくべきだと私は思います。


カテゴリー: 車中泊での心構え | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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