本当にUQmobileやY!mobileと他のMVNOとの回線品質に差がないのか?

楽天の携帯電話事業参入のニュースによってあまり報じられていませんが、政府が主導する携帯電話市場に関する有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の第五回会合の内容について個人的にちょっと気になる記事が4月9日の日経朝刊に出ていたので、まずはその内容について紹介します。

記事ではmineoを運営するケイ・オプティコムが主に指摘したという風に書いてありますが、複数のMVNOが「UQmobileやY!mobileのような大手のサブブランドの事業者は通信速度を優遇されているのではないか」という話を持ち出したそうです。

私自身はUQmobileやY!mobileを使ったことがないのではっきりしたことは言えませんが、回線を大手キャリアに借りて営業しているMVNOでは回線の帯域を借りているだけなので、同じ金額で同じ帯域を借りているなら、どのくらいのユーザーが契約しているかにもよりますが、現在までの動向をふまえて考えると特定のMVNOにおいて「安い割に安定している」というような噂が立ち、実際に高速で通信できるということが広まってしまったらユーザーが押し掛けることで当初の速度や安定感はそこまで無くなってしまうのが常です。

以前はLINEmobileは早いと言われていましたが、これもユーザーが増えるに従って今ではそこまで早いとは言い切れませんし、ブログなどでそうした事が書かれているのを発見したとしても、まだユーザーが押し掛けてスピードが下がる前だったというような事は多くあります。

そんな中、現在ではテレビを付ければそのコマーシャルを見ない日はないUQmobileやY!mobileという大手のサブブランドのキャリアについて、確かにネットでは憶測に基づいた記述だろうとは思うのですが、サブブランドのキャリアは安定して速いという記述が継続して目につくことがあります。

これらの指摘について、親会社であるKDDIとソフトバンクおよび、そのサブブランドと言われるUQmobileやY!mobileの側では、MVNOからの指適は否定するに決まっていますが、今回の五回会合については、どちらの会社の意見とも違うところからケイ・オプティコムらの指摘は当たらないとした方の発言を紹介しています。

その発言とは「大手が通信速度の面で優遇している疑惑はなかった」としてケイ・オプティコムらMVNOの指摘を一蹴した、野村綜合研究所のコンサルティング事業本部パートナー北俊一氏の意見だったということです。新聞では「疑惑なし」とした根拠やデータは示されていませんでしたが、長く会議に関わる北氏の発言は重いと言わざるを得ません。

もちろん、疑惑がないことを証明するということそれ自体はほぼ不可能なわけで、こうした意見を基にして政府の今後の方針について決定がされることも十分に考えられます。その結果、サブブランドでないMVNOの中には廃業したり吸収されるところも出てくるでしょう。そうして残った業者の間で、公正な競争ができるのかのかどうか。今回の事が格安SIMを仕掛けるサブブランド以外の業者のやる気を削ぐような結果にならないかという心配もあります。

それでなくても政府の出してくる書類に改ざんがあったとか業者との癒着があったとかいうことで政治に関するニュースは連日報道されていますし、確かめようのない事実であることは間違いないものの、本当に総務省の役人の方々が公正な大手キャリアとMVNOとの競争を先導してくれるかという公の機関に対しての信頼度が問われます。

今回の問題は小さな問題かも知れませんが、長いこと専門家を入れての会議を行なっている中でもなかなか大手キャリアの寡占的な流れが止まらないということもあります。携帯電話・スマホにかけるお金が高くなれば高くなるほど、人々が他の生活費やレジャーにお金を使うことができなくなる状況は変わらないので、もう少し一般ユーザーにもわかるような資料を出していただき、少なくとも新規参入者がまともに市場で競争しようと思えるような答申をお願いしたいところです。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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