LCC時代の万が一に備える旅行グッズ

先日、成田空港から上海へ行く航空便が、上海の天気が雪で着陸ができないため欠航になったところ、すでに出国審査を済ませていた中国国籍を持っている人達とLCCスタッフの間で騒動になったというニュースが有りました。

中国語のできるスタッフが案内したのではないということが原因かとも思えますが、これだけの騒ぎになったのは欠航が決まった時点で飛行機には乗れないわけなので、LCCスタッフがまだ出入国審査の窓口が開いている間にいったん日本への入国審査を受けないと、空港内にある待合所や深夜まで営業しているお店を利用できなくなるので、とにかく戻って日本への入国審査を受けてくれとお願いしたことがうまく伝わらず、お店も何もないロビーの中で飛行機にも乗れず、かといってお店のあるエリアにも進めなくなってしまったことから集団でのストレスが爆発し、ついには警察が出動するくらいの騒ぎになってしまいました。

当初この事件は中国の側から日本で受けたひどい仕打ちだとして公開されたものが出回ったということなのですが、よくよく内容を聞くとLCCの自社都合での欠航ではなくあくまでも到着先の上海での雪という会社ではどうしようもない天候不順が原因なので、そこまでLCC側の対応が非難されるのはおかしいと、中国のメディアの方でも意見が挙がっているようです。

こうしたトラブルは、もし中国語が話せないスタッフしかいなかったとしても、その国の言葉で書いたチラシを配って現状を伝えるなど、LCC側にとっての対応の余地が残ったので今後の改善を望みます。ただ日本人であっても飛行機が欠航した場合の対処についてあまりに無知だと、大手航空会社と違って安い代わりにサービスを削っているLCCのビジネスライクな対応にカチンと来てしまって今回のケースと同じように大声で騒ぎ出すような人が出てくる可能性もあります。人間生きている以上、公の場所でも頭に来ることがあるでしょうが、今回のような場合は事前に欠航する可能性は天気予報を確認すればわかっていたこともあり、さらに自社に責任のない欠航の時にどのような対応をLCCがするかということをわかっていれば、そもそも怒りの感情以前に、多くの飛行機に乗れない人のための対応を行なわなければならないということで、できるだけ自分の分は早くに交渉を済ませようと私なら思います。

私自身はJALの航空券が付いた旅行会社のパッケージツアーで欠航ではないですが札幌からの便が振り替えになり、代替機を使ったために羽田に着いた時刻がかなり遅れたことがありました。その際の航空会社の対応は、まず新千歳では代替機を待つ間の迷惑料的な売店で使える金券の支給があったので、羽田に着いた後に利用しようと思っていた夜行の電車の切符を示しながら、とりあえず先に自分の状況を話しておきました。

他の乗客がこの対応に気付いて金券を貰おうと列を作っている時には軽食とお茶くらいをいただいていました。その後、そのまま代替機に乗り無事に羽田に着いたのですが、その時にはすでに時刻は深夜になっていましたので当然ながらその先の交通機関は使えません。東京近郊に住んでいる方には、さすがLCCではなく大手のJALということで、タクシーを使った料金を後で精算するということで、その書類をもらうためにまた多くの人が列を作っていたのですが、私は元より自宅まで帰ることは不可能なので、たまたま羽田空港に隣接するホテルを取ってもらい、翌朝そのまま自宅まで帰りました。

ただこれはきちんと正規の料金を払った上での対応なので、LCCの場合はここまでの対応は難しい場合もあるでしょう。いろんな航空会社の口コミを見ると、別便に振り返ることができて飛ぶのは翌日以降になる可能性がある場合、ホテルが確保できないほど多くの利用客に影響が出るようなら、空港のロビーを開放したり24時間利用できる空港ならあえて空港内で夜を明かすような状況も考えておいた方がいいということは言えます。

お金を出してビジネスやファーストクラスを使っている方なら全て航空会社持ちで何とかしてもらえると思いますが、LCCのバーゲンセールでかなり安くチケットを取った身ではそこまでのサービスを求めて騒いだら今回の中国上海行きの乗客と同じようなことになってしまいかねません。

そんなわけで、今後私がLCCを利用する場合には車中泊にも役に立つ「どこでもそこそこ快適に寝られるセット」を荷物の中に入れて持って行くというのが本当のいざという時に役立ちそうです。まずは空港の床にそのまま寝て体を壊さないための「マット」が必需品になります。マットと言っても、キャンプ用の大きくかさばる銀まっとや、よくバックパッカーがザックにくくりつけているパタパタ折りたたむことができるZ-Liteのようなマットでもかなり目立ちます。荷物の隅に忍ばしておけるという点では、空気を入れて膨らますタイプのマットでも、空気を自分で入れることなく自然に膨らむインフレータブルマットと呼ばれるものでコンパクトに持ち運びできるものがおすすめです。ただ、寝る前にはマットに穴が開かないように小さなピンなどマットに穴を開ける恐れのあるものがないかを十分に調べた上で設置しましょう。キャンプの時に地面に直接敷く場合よりも空港のフロアはパンクの心配は少ないと思います。私が持っているのはイスカの「コンフィライトマットレス165」の前のモデルですが、もしサイズが気にならないのならもう少し長い180の方が頭を含む全体を乗せられるので、個人的には長い方が良かったかなと思っています。

枕についてはバッグで代用できるとして、夏ならそのまま寝てもいいのですが、汗がマットに付いてしまって不衛生になるので、私はトラベルシーツを常備しています。元々はかつてのユースホステルにあった袋状になっていて人間は中に入って寝るように作られていて、特に海外旅行先でとてもホテルのベッドに直接寝たくない場合に重宝するのですが、空港内がそれほど寒くないくらいの季節なら、これ一つでダウンを着込めば何とかなるような気がします。

個人的にはこの2つに空気を入れてふくらませる枕があれば十分かなという気がします。このトラベルシーツには枕を入れるためのポケットが付いているので、枕も汚すことなく旅行から帰ったらシーツだけを洗濯すればいいわけです。もし毛布が借りられるならこの上に掛ければいいので、そのくらいのわがままは航空会社に言ってみるのもいいのではないでしょうか。それでも寒い時のために、ポンチョのような小さくまとまる雨具を用意しておき、それを着た上でシーツの中に入り込めば、少なくとも航空会社が用意する簡易寝袋やマットより快適に夜を過ごせるかも知れません。

飛行機を使っての旅の場合、常に飛行機が飛ばなくなるトラブルはありますし、電車で移動中にも雪で立ち往生して車内泊をせざるを得ないこともあります。そんな時のための用心として、さらに大きな災害が起こって帰宅困難になった場合に備えて、このようないざという時にどこでも寝られるセットというのはあると本当に安心することができますのでLCCを使って全国を飛び回ろうと思っている方は、大手と比べてサービスが少ない場合に備えておくというのも一つの考え方ではないかと思うのですが。


カテゴリー: 車中泊のための道具考 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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