今後の高速道路と道の駅はどう変わっていくのか

ここ数日の大きなニュースで国会の衆議院解散がありますが、今後の選挙戦に向けて各政党が公約を発表しているものの、車の税金や高速道路、ガソリン代というように車に乗っているドライバーの関心事について具体的な公約を言ってくれるところがなく、ドライバーにとってはどこが第一党になっても変わらないのかとわかってはいるものの少々残念な感じがします。

日本の産業について話すなら、今後はEVとの兼ね合いで世界的な市場での競争が激しくなる自動車業界をどうするのかという話は大事だと思いますし、家計の負担を軽減する場合、地方都市なら自動車関係の税金の見直しも少しは考えて欲しいと思います。さらに大都市だけでなく地方を活性化するためには、魅力的な場所を作るだけでなく、全国どこからでも気軽に出掛けられるように高速道路を多少でも安く利用できるようにしてくれればと思うのですが、そうした事に予算を回すのは大変なのかも知れませんが、そんな事も全く話題にはなりませんね(^^;)。

そんな中、最近ではすっかり「中継基地」ではなく「観光のための目的地」となっているところも増えている道の駅について、先日JAFの行なった「道の駅に欲しいサービスとは?」というアンケートの結果がニュースになっていました。欲しいサービスの第一位は、温泉やスーパー銭湯のような入浴施設ですが、前回のアンケートから比べてかなりの伸びを示して第二位に食い込んだのが「ガソリンスタンド」だということです。

確かに最近は全国的に多くのガソリンスタンドが閉店になっていて、いざ旅先で給油したい場合になかなかガソリンスタンドがないというケースが増えています。もし人でにぎわう道の駅の敷地内にガソリンスタンドがあれば、道の駅を目指して集まる車はさらに増えるでしょうし、そうした旅行者のニーズである程度の利益が見込めるなら、なかなか山の中などで経営が難しいとされているガソリンスタンドが営業を続けられるのではないかと思う方もこうしたアンケート回答者の中にはいたのかも知れません。

ただ、少なくともスマホで使えるカーナビを移動の際に使っている方なら常に最新の地図データを利用することができるので、給油について心配があればカーナビアプリから現在地から一番近いガソリンスタンドを検索し、まずは燃料を入れてから道の駅に行くなり周辺の観光をするなりできるのでそれほどガソリンスタンドが道の駅にあるかないかというのは問題にならないのではと思います。

もっとも、市販のカーナビを長期間バージョンアップせずに使っていたり、古い紙の地図を頼りに回っている方にとってはとりあえず道の駅に行けば何でもあるというのは有難いものです。しかし、全ての機能を道の駅に集中させてしまうということは、それ以外の場所には人すら集まらなくなってしまうような事も起こってしまうのではないかと心配にもなるのですが。

元々、道の駅という施設は高速道路と違って一般道でのドライバーの休憩する場所がなくなってきているということで作られたものだと思います。過去にはそのような役割は民間のドライブインが担っていましたが、道路整備が行なわれ同じ国道でもバイパスに車が流れるようになるに従って、旧道上にあるドライブインはよほどの集客力がない限りは車の流れが止まった時点で営業することができなくなり、休憩場所としてのドライブインが無くなっていったことが背景にあることでしょう。

道の駅の設置というのは、ある意味究極の後出しじゃんけんのように、一通り整備された道路に基づいて作られていったことと、民間のように必ずしも店内での飲食などの支出を強要しないということで、トイレ休憩のために立ち寄る車が増え、そんな中でそのまま素通りさせないようにその地方の物産品を売ったり、イベントを開催したりする中でしだいに単なる休憩場所というよりも、様々な機能を持つ旅の目的地化していくようになったと言えるでしょう。

しかし、当初の道の駅の目的であった長距離ドライブに疲れ、さらに周りにはきれいなトイレも見当たらない中で、少しの時間だけでも休憩したいというドライバーにとって、一部の観光地化した道の駅というのは利用が難しい存在になっている状況もあります。地元の農産物を目当てに朝の開館時間の前から多くの車が道の駅に殺到するなど、休憩目的の車が入れないようなケースがイベント開催日などには実際に起こっています。

昨日のニュースで訪日外国人向けに、「Japan Expressway Pass」という日本国内の高速道路が乗り放題のパスが出るようです(7日間用2万円、14日間用3万4千円)。もし、長距離移動をする場合の高速道路料金が国内用の目的地別のパスの発行により今よりも劇的に下がるような事があれば、今のように旅行費用を節約するために高速道路を避けるような車も少なくなると思いますので、現在のような道の駅のあり方であっても、何とか駐車場から溢れ出るような休憩難民は生まれないと思いますが、今後の政治の動向いかんでは、家計を切りつめた中で家族旅行に行くような場合は、現状よりも道の駅の混雑状態が更にひどくなってしまうのではないかという感じもします。

そのように考えていくと、今後の道の駅がどのような方向に進むかによっては、あえて道の駅に立ち寄るのを避けるような選択肢も出てくるのではないかと思います。アンケートの結果で躍進したガソリンスタンドがもし多くの道の駅に作られたとしても、地元の人にとってはかえって観光客が増えることで使いにくくなってしまうことも考えられますし、何もかも施設を道の駅に集中させることが本当にいいのかということも、じっくり考えた上で決めていただきたいものです。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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