iPhone5 移行に関して初心者が注意すべき事

 すでにiPhoneを持っていてその魅力をわかっていらっしゃる方には今さらの事かも知れませんが、今回各種マスコミを巻き込みながらその登場が大々的に報道されたアップルの新しいスマートフォンiPhone5は、以前のバージョンと比べるとソフト的にもハード的にも大きな変更が行なわれています。

 こうしたiPhoneについての報道が過熱して行くと、それまでスマートフォンに関心がなかった人にも興味を持つ方が現れてくるでしょう。そして、これだけ報道されているのだからいいものに違いないと思った初心者の方が新たに買ったり機種変更した後でこんなはずではなかったと思う可能性もあるわけです。もちろん、新しい機種は以前よりも性能が良くなっていますし、アップルの設計によって直感的に動かすことができ、勘のいい方ならそれほど悩まずに初心者の方も使いこなせることもあるでしょう。そういうことも踏まえた上で、今回は私が危惧する2点について紹介させていただきたいと思います。

 iPhone5が採用した新しいシステムソフトiOS6は、メーカーの対応がうたわれている機種なら、以前のiPhoneやiPod touchでも導入することができます。私の持っている第4世代のiPod touchもアップデートできますが、今回のソフトウェアアップデートはandroidを提供するGoogleのサービスから決別し、今まで標準で入っていたyoutubeは改めてアプリをダウンロードしなくては見ることはできません。youtubeについてはアプリを入れる手間がかかるだけなのでそれほど問題はないと思うのですが、すでにさまざまなところで問題視されているのがマップ(地図)についても、Googleマップを排除してしまっていることです。

 スマートフォンがない方でもパソコンでグーグルのサイトにアクセスし、自宅周辺の地図を拡大してみると、思いの他細かい内容が網羅されていてびっくりされる方も多いと思います。個人住宅の名称はさすがに載っていませんが、商店などはかなり名称を付けて記載されています。表示を切り替えて「航空写真」にすると、まさに自分の家の形が写真として出てきてしまいます。航空写真の方は上から撮影するだけなのでそれほど手間はかかりませんが、番地や家の形などまで正確に再現できるのは、Googleが日本で古くから地図データをパソコン上で見やすく再現しているノウハウを国内の地図会社と共有しているからです。

 新しいiOS6標準のマップでは、細かい情報がないのはしょうがないにしても、報道や多くの方々の検証によって明らかに記載が間違っていたりあるはずの道がなかったり、繁華街の建物が消えてしまっていたりとかなりひどい事になっているようです。当初は日本国内だけの問題なのではないかという話もありましたが、さらに様々な情報が入ってくるにつけ国外でも問題が出ているという話もあり、基本的なところで問題があるとの指摘もあります。これではiPhone5をナビゲーションのように使って目的地へ赴くことはかなり難しくなっていると言えます。今後、アップルは地図の間違いを修正し細部についても充実させるとコメントしているようですが、個人的にはyoutubeと同じようにGoogleマップのアプリおよびGoogleマップを利用したナビアプリが提供されないと、地図としてはまともに使えないのではないかと思っています。待ち合わせの場所への道順を携帯電話で確認しているような人がiPhone5に今機種変更してしまったら、以前と同じように目的地に到達するまでに苦労するのではないでしょうか。

 そしてもう一つ、本体の薄型化軽量化を実現したことにより変更になったのが充電や音楽を外付スピーカーから再生できたりする「ドック端子」と呼ばれるコネクターで、小さくなったことによりさまざまな影響が考えられます。

 以前からiPhoneやiPod touchを使っている方は、今まで使っている周辺機器(コード類を含む)をそのまま使うためには変換アダプタを介さなければなりません。さらに、コネクターの仕様変更もあり、変換アダプタを使って全ての周辺機器がそのまま使えるかどうかというのは今のところわかっていません。100円ショップで充電コネクターが出てくるのももう少し先の事になると思いますので、私が買うならこうしたコネクターや変換アダプタが安価に調達できるようになるまで待ちになると思います。

 また、新たにiPhone5てスマートフォンを使い始めようと思われている方も周辺機器の購入については注意してください。今までのコネクタの形状にぴったりとはまる充電スタンドやオーディオ機器というのはそのままではiPhone5には差さりませんし、アダプタを介して差せたとしても当然ながら安定感が悪くなります。最悪の場合アダプタ経由でも使えないこともあります。おそらくこれから、従来高値が付いていたコンポなどが投売り価格で売り出される事も予想されます。その際、よくわからない方はiPhone5で使えるのかどうか、店頭で確かめてから購入するようにしないと、全く使えないものを購入してしまうことにもなりかねませんのでご注意を。

 こうしたことはゲーム機の新機種が出た時と同じで、早く手に入れた人はまだの人と比べて優越感を持つかわりに、後から買う人は先人の苦労の後を易々と乗り越え、失敗せず安く端末を利用できるようになります。苦労をしても早く使いたい方が昨日徹夜をしてまで行列し、今回紹介したような問題は承知の上で購入し、決して後悔はしないのです。しかし、本来苦労したくない人までこうした騒ぎに飲み込まれて購入した後で苦労してしまうのはできれば避けたいものです。テレビや新聞の騒ぎを見てiPhone5に興味を持った方は、これまで書いたことを読んで冷静に判断して購入するかどうかの材料にしていただければ幸いです。


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