車の旅でどうしてもテレビを見たいという要求は、ある人にはあるのではないかと思います。私の立場としては、あえてテレビなど見なくてもいいと思っているのですが、さまざまな工夫を考えておられる方は多いでしょう。サブバッテリーシステムが既に車にある方なら、普通に液晶テレビとアンテナ(BS含む)でいいとは思うのですが、電源は取れないがとにかくテレビを出先で見たいという方のための一つのやり方として、自宅のテレビをインターネット経由でストリーミング配信させ、ネット接続したパソコンやスマートフォンで見る方法があります。
この方法はWimaxなどの高速インターネットでないと大きめの画面で滑らかに再生できなかったり、エリアの関係でネットが繋がらない場所では使えないという問題はあるものの、システムを構築してしまえば海外であってもネットが繋がればそこで日本の番組が見ることができるというメリットもあります。わからない方には敷居が高いものであるかも知れませんが、I-O DATAが面白い製品を出しているようなので、ここで紹介してみたいと思います。
http://www.ioplaza.jp/shop/contents/vulkano.aspx
VULKANO FLOWというテレビやチューナ付きのレコーダーに接続し、ネット経由で転送するアダプターが上記リンクで紹介されています。パソコンで見るためのソフトは無料で、スマートフォンで見るためのアプリは有料となりますがだいたい千円強で入手することができます。自分の環境できちんとストリーム配信できるのかという方にはお試し環境が整備されていますので、そこで確認してから購入を検討してもいいでしょう。従来のこうしたハードと比べると、自分で設定する手間がかかるので接続ケーブルと合わせても1万5千円程度で済んでしまうので、多少こうしたノウハウを持っていて、旅先でどうしてもテレビが見たいと考えておられる方には意外と面白いのではないかと思います。
直接車にテレビチューナーとアンテナを設置する場合と違い、旅先ではネットが繋がるかどうかだけを気にすれば良く、レコーダーの場合は録画予約も出先からできるので、ネットの繋がる状況で録画した番組を、後で見るということもできます。きちんとセッティングできるスキルがあるならば、これくらいの投資でBSを含めたテレビを見られるというのは魅力的ですね。こうしたスキルがない方の場合でもお金さえ出せば専門の方が自宅までセッティングに来てくれるサービスがあるそうですので、自宅でのネット接続環境および、外での高速ネット回線の確保(スマートフォンでは機種によって3G接続で見られないことはありませんが、できたらWimaxがおすすめ)を導入した後に考えてみてもいいかも知れません。くれぐれも、こうしたネット接続環境がない方が目先の安さに釣られてネット環境も整わないうちから買うものではないということをお知らせしておきます。普段携帯電話を通話だけしか使わず、パケット用の定額プランに入っていないままこのシステムを導入してしまうと、ちょっとの番組をスマートフォン経由で見ただけでも高額の通信料を請求されてしまうことになります。まあ、スマートフォンに機種変更するような方はほぼ強制的にパケット用定額プランに入らされていると思うので、5~6千円程度の突出した出費で済みますが、今回のテレビ視聴に限らずネットを利用したさまざまな機能を使いこなすためには、定額のネット接続プランをできるだけ安く契約しておくことが重要になります。
話は最初に戻りますが、あくまで生中継の番組をリアルタイムで見たいと思うなら、宿泊をホテルにする方が簡単です。また、ドラマなどいつでも見られるようなものならば、事前に自宅のレコーダーに録画予約をして出掛ければいい話なので、今回紹介したような機材を使って自宅のテレビをリアルタイムネット配信するというのは、限りなく趣味の世界に近いとも言えるかも知れません。ただ、ある程度スキルのある方はそれほどお金を掛けず、追加投資もそれほどかからずにできることは確かなので、興味のある方はチャレンジしてみるのもいいかもしれません(^^;)。