北海道地震でのエコノミークラス症候群

北海道で起きた最大震度7の地震について、ようやく火力発電所が動き電気が普通に使えるようになったことで、今後への不安の一つは解消しつつあるということは正直に言ってホッとしています。ただ、このブログは車中泊というジャンルを扱うものだけに、今回の地震による避難生活で、車中泊をしたことによる「エコノミークラス症候群」で、血栓ができて健康的な被害を受けた人がどのくらいいたのかということは大変気になっていました。

そんな中、地元の新聞の社会面を読んでいたら「エコノミークラス症候群8人か」という見出しが目に付きました。詳しく内容を読んでいくと、どうやらこの文章を書いている状況の中ではエコノミークラス症候群によって重篤な被害を受けた方は今回の地震ではおられなかったようでそちらの方でもホッとしました。

その詳しい内容はというと、主な震源の近くの場所である厚真・安平・鵡川(むかわ)の各地区で9月17日と18日に運動の機会が少なかったり、足にむくみがあったりした高齢者ら約100名を旭川医科大の東信良医師のチームが診察した結果が報告されていたのです。

それによると約100名中足の静脈に血の塊(血栓)が見付かった人が16人いて、その中で地震による避難生活が原因で血栓ができたと思われる人が7名いたということです。これは、翻って考えると通常の生活をしていてもずっと座ってテレビを見ていることの多い高齢者の方は血栓ができる可能性があるということでもあり、災害に関係なく思い当たるような行動をしていたり、家族にそんな生活パターンの人がいる場合には散歩に連れていったり体操をさせるなど、ずっと同じ姿勢でいないよう気を付ける必要があるということでもあります。

ここまでの内容では「エコノミークラス症候群8人か」という見出しと矛盾すると思いますが、実は医師の診断ではないところでエコノミークラス症候群と考えられる症例が一つあったということでもあります。それは、厚真中央小学校に設けられた避難所において、83才の女性が立ち上がろうとした際にふらついて転倒した事故があり、消防が出動したということです。そこから運ばれた病院で、エコノミークラス症候群の疑いが出されたということで、この方も避難所生活によるエコノミークラス症候群とおぼしき患者であるとカウントしたようです。

この例からわかることは、血栓ができた場合、しっかりと立つことができず、ふらついて転倒する可能性があるということです。誰か常にその様子を見ている人がいればいいですが、そうでない場合転倒することによって最悪の場合頭から倒れてしまったら本来足の治療だけで済むところが、大変な状況に変わってしまうことも十分にあり得るということになります。

ただ、今回のケースの場合はどの方についても命を脅かすようなことにならなかったというのは不幸中の幸いと言うべきでしょう。そうは言ってもあくまでこれらのことは結果論でしかないということもあるので、車中泊での避難生活を長くしなければならない時にはフラットなスペースを車内に作り座席を倒すだけで寝るということは避けるとともに、狭い場所で多くの人が寝ざるを得ない場合にはずっと車内にいることは避け、散歩や体操など体を動かすことを心掛け、トイレの心配はありますが水分もしっかり補給することも考え、足のむくみやふらつきを感じた時には早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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