災害時に使うグッズは説明書を読んでから使おう

今年の9月に起こった北海道胆振東部地震における被害において、できれば地震による直接の被害は仕方ないにしても、地震には関係ない避難所や車中泊生活が長びくことで起こる血栓による被害は無くなってほしいなと思っていたのですが、別の二次災害でお亡くなりになった人が出てしまいました。大きな災害の後の報道では、地震で直接命の危険には遭わなかったもののちょっとした選択のミスで命まで危ぶまれる事故に巻き込まれる場合がありますので、そんなニュースを聞くと本当に悲しくなります。

東日本大震災の時には、ガソリンの入手が難しく寒い夜中に車のエンジンを切って行列していた車の中で暖房器具を使っていての一酸化炭素中毒での事故が起こりましたが、季節的には今回の北海道の地震では常に暖房を使うような季節ではなく、寒い北海道と言えども一酸化炭素中毒の事故は起こらないのではないかと思っていたのですが、何と小型のガソリンエンジンの発電機を室内で回していて一酸化炭素中毒事故が起きてしまったのです。

詳しい事故内容についてネットで読める新聞記事を探してみたのですが、2件起こったどちらのケースでも男性の一人暮らしで、住居は一軒家と共同住宅の中で起こり、窓は閉め切られていたそうです。発電機はどちらも玄関や玄関付近に置かれていて、仕事に出て来ないことを心配した人が見に行ったら、現場の発電機の燃料は既に空にななっていたとのことです。

発電機の出す音は大きく、外に置くと他のお宅から騒音や振動に関する苦情が出る可能性はあります。それとも長いコードがなくて屋外に設置すると家電製品が使えなくなるので室内に発電機を置くしかなかったのかはわかりませんが、他の地方と違って北海道では冬を乗り切るためには室内の密封具合も高かったことが想像されるので、その点でも事故が起こる状況は高まったと言えます。

ただ、もろもろの事情はあったと言っても小型発電機の利用についても、メーカーはしっかりとした注意喚起を行なっています。小型発電機としてはレジャー用というとまっ先に思い付くヤマハ発動機のページには以下のような「発電機を安全にお使いいただくために」というページの文言があります。

(引用ここから)

排気ガス(ガス中毒)に注意

・室内などでの使用は絶対禁止
カセットコンロとは異なり、排気ガス中に毒性の強い一酸化炭素が多く含まれているため、一酸化炭素による中毒死のおそれがあります。

・排気ガスは有害な成分を含んでいますから、屋内、倉庫、車内、井戸、トンネル、タンク内など換気の悪い場所では使用しないでください。

(引用ここまで)

メーカーの方でも利用者の安全を確保するために、引用した部分だけを読んでも、室内だけでなく屋外でも設置場所に注意しなければならない事がわかります。屋外の風通しの良い場所で発電機を回すことの大切さを普段から発電機を利用している方や、いざという時のために発電機を所持している方は考えてみる必要があるでしょう。

この他にも、キャンプ用品を室内で使うような場合、一酸化炭素中毒の危険とともに、火器をひっくり返してしまって火事が起こる危険についても想像すれば、避難所ではなく自宅で電気などのライフラインが復旧しない状態での過ごし方にも注意すべきだと思います。

災害が起きた直後というのは平常時での生活が望めない非常時になるということで、いつもならしないこともやらざるを得ない状況というのも出てきます。寒い夜には明かりだけではなく暖房が欲しくなりますが、燃料を燃やす形でエネルギーを得たいと思う場合は、部屋の換気に気を付けつつも、利用する製品の説明書を使う前に読み、その中で禁止されているような使い方はしないように、災害が起きていない時にしっかりと確認しておくことが必要です。

また夏のバーベキューシーズンに必ず起こるのが、室内で使っても安全なはずのカセットコンロが爆発するという事故です。鉄板や鍋がコンロよりかなり大きいものを使っていたり、大きな鉄板を2台のカセットコンロをつなげて載せて調理していて、熱せられた鉄板がガスボンベに触れることでボンベが爆発する危険性が増します。これもカセットコンロの取扱説明書を読めば、そのような使い方は控えられるはずなのですが、今後の避難所での炊き出しで説明書で禁止されているような使い方をしての事故が起こらないことを願っています。


カテゴリー: 防災グッズ | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す