携帯大手のような売り方をするMVNOの事情とは?

格安SIMを提供するMVNOは以前と比べて事業者の数も増え、この夏にはいよいよ注目の「LINE」が本格的に格安SIMを出すということで、その前に何とかお客を取ろうというのでもないのでしょうが、様々なキャンペーンを打ち出しているのが目立ちます。

2016年7月1日より始まるFREETELのキャンペーンは、「最大3年間0円キャンペーン」として基本料を3年間0円で使えるという普通では考えられないような大盤振る舞いという感じが持てますが、キャンペーン内容をよく読むと、3年間基本料を無料にするためには、複数の条件をクリアしないと駄目だということがわかったので、私個人としてはあえて契約する気が起こらなくなりました。その条件とは以下のようなものです(料金については全て税抜の価格です)。

・オプションの「music.jp」への加入をし契約を3年間続けないと3年基本料0円の対象にはならない。途中で解約したり、最初からオプション契約を付けなかった場合には基本料が2年間0円という条件に変更になる

・1年間は毎月の基本料が完全0円だが、毎月高速クーポンを100MB以内に抑えるような使い方をしている場合は2年目から基本料の299円が請求される

つまり、3年間基本料0円で使うためには、music.jpには全期間加入し、さらに基本料を無料にするためには高速データ通信も2年目からは100MB以上毎月使い続けないといけないということです(その場合の最安価格は100MBから1GBまでのデータ量で月200円とmusic.jp400円との合計で600円/月になります)。

こういった契約手法はどこかでさせられた記憶があったのですが、携帯大手のオプション加入がないとキャンペーンの一部対象にならないというパターンに似ています。FREETELのキャンペーンの場合でも、music.jpに入る気がない人にとっては「3年間無料」という文字がしらじらしい気もしますし、とりあえずはオプションに入ってもらい、ユーザーの支払うオプション料金でも利益を稼ぐビジネスモデルに近いのではないかという気がするのです。

こうした内情を知らなければ、任意加入のはずのオプション契約を必ずしなければならないと思ってしまうユーザーも出るかも知れないので、FREETELの方にお願いしたいのは、ネット上から契約する場合にそうした誤解を生まないようなサイトにして欲しいと思います。

また、高速データクーポンを使わない0円運用を2年目から認めないというのも、大多数のユーザーにとって100MB以上1GB以下というようにメリハリを付けたデータ通信運用をすることは難しいでしょうし、つい多く使ってしまったというユーザーを狙っているのかと思ってしまったりするのです(^^;)。

ですから、このキャンペーンに入って3年間0円で格安SIMを維持できると思って申込む人はほぼいないとは思いますが、以上のような理由で、最安での運用を長期間したいという方には微妙なプランであるということはここで指摘させていただきたいと思います。

こうした既存の携帯大手のビジネスモデルを多少真似たような感じのものをMVNOが行なうものとしては、24ヶ月ごとの自動更新というまさに携帯大手と同じ契約内容で加入することでサービスを提供するUQ mobileの「ぴったりプラン」があります。このぴったりプランについては大手に準じたビジネスモデルを持つY!mobileの対抗プランであることから仕方のないところではあるのですが、今後、携帯大手のビジネスモデルを参考にしたプランが複数のMVNOから出てくる可能性は少なくないような気がします。MVNOが今のままの路線で安いもの中心になってしまうことで、事業としての旨味がなくなってしまうということは事実だと思いますから、今後どうなってしまうのかという気がします。

今後そのようなプラン・キャンペーンがMVNOの中で主流になるのだとしたら、ちょっと切ないところではあるのですが、今後もこうした動きについては確認しながら、あくまでユーザー側に主導権のあるような形で、さらにいい条件での契約ができるような方法についても模索していこうかと思っています。

カテゴリー: モバイル関連コラムコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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