日本がサッカーで世界の強豪国になる条件を過去データから考える

2018年のサッカーロシアワールドカップは決勝トーナメントの初戦が行なわれ、日本は世界ランク1ケタのベルギーに惜敗し、ワールドカップを去ることになりました。個人的には日本とベルギーとの間に不可解な判定があって両国に遺恨が残るようなことがなくてまずは良かったなと思いますが、勝てた試合を落としたと落胆されている方もいるでしょう。

しかし、サッカーの試合を多く見ている人からすると、2対0で勝っている時の試合運びは大変に難しいと言われていることも確かで、ちょっとしたスキを(今回のベルギーの場合は大変に効果的なメンバーチェンジがありました)つかれて追い付かれ、逆転されてしまうことは良くあることです。今回の日本チームについて専門家でない単なるファンが語れることは限られているかも知れませんが、過去のデータを元にして分析することはできます。というわけで、今後日本がさらにレベルアップした場合、どこまで行けば世界でも強豪国だと認知してくれるのかということについて、今の時期だからこそ考えてみたいと思います。

まず、今回日本と対戦したベルギーはランク的には世界のトップに君臨してはいるものの、まだワールドカップを獲得したことはありません。1986年のワールドカップでベスト4(4位)に入ったことがあるので、実績はそれなりにあるとは思うのですが、大会のダークホースには挙がっていても優勝候補の本命とまでは大会前には思われていなかったというのが正直なところです。

なぜそんな風に考えてしまうかというと、サッカーのワールドカップで好成績を過去に挙げているチームは常に固まっていて、なかなかダークホースの存在がワールドカップを獲得するどころか決勝戦に行くことも難しいからです。ちなみに、ロシア大会前までのワールドカップ獲得国は以下の通りです。日本が属するアジアや、オセアニア、北中米カリブ海、アフリカのチームは蚊帳の外という状況です。

・ウルグアイ(南米)
・アルゼンチン(南米)
・イタリア(ヨーロッパ)
・ブラジル(南米)
・ドイツ(ヨーロッパ)
・イングランド(ヨーロッパ)
・フランス(ヨーロッパ)
・スペイン(ヨーロッパ)

さらに、ワールドカップ決勝まで行った国というのもその数は限られます。

・チェコスロバキア
・ハンガリー
・スウェーデン
・オランダ

このうち、「チェコスロバキア」は現在「チェコ」と「スロバキア」に分離独立していますので実質的にはヨーロッパの3国しか決勝の舞台を経験していないということになります。

この文章を書いているのは日本対ベルギー戦の後のことなので、その時点でトーナメントに残っている国について改めて確認してみると、ウルグアイ・フランス・ブラジル・ベルギー・ロシア・クロアチアに、まだ試合が行なわれていないスウェーデン対スイスの勝者、同じくコロンビア対イングランドの勝者となっています。これらの国の中でまだ決勝戦に出たことがないのが、ベルギー・ロシア・クロアチア・スイス・コロンビアになりますが、このうち準決勝に出たことがあるのがベルギーと当時のソビエト連邦(現ロシア)、クロアチアというように、やはり過去の成績が積み重なってワールドカップ獲得が見えてくるということがわかります。

最初からワールドカップ獲得を視野に入れた計画をするなら、3試合ある予戦リーグは2連勝し、3試合目を消化試合にしつつ決勝トーナメントでどの山に入るかを考えつつ試合をする余裕が必要になります。今回の日本は様々な意見が噴出した3試合目のポーランド戦でスタメンを6人代えましたが(そのためベルギーとの試合にハイパフォーマンスを出すことができたと個人的には思っています)、多くの選手を実戦の中で試すことができたのも、今回の日本の2試合までの状況があったからこそできたことであるものの、コロンビア戦の勝利はある意味コロンビアの自損事故に近く、大会特有の雰囲気の中でラッキーな面があったことも否めません。

ですから、ワールドカップの出場が決まったらまずは決勝トーナメントで勝つことが目標になり、1位で予戦リーグを抜けられるだけの実力を付け、最終的にはワールドカップの決勝を目指すだけの強化を行なうことが、日本のサッカーのレベルを更に上げるにはどうしても必要になってくるのではないかと思うとともに、今回のロシア大会で新たな決勝進出を果たすチームが現われるかということが個人的には最大の関心事になります。日本に勝ったベルギーをはじめ、コロンビア・スイス、そして今回開催国として実力以上の活躍でロシアが決勝に進めるのかどうか。日本が敗退してもまだワールドカップは盛り上がります。

(追記)
決勝トーナメント一回戦の結果、スイスとコロンビアというまだ準決勝に出たことのない両国が次戦に進めず、どちらも決勝まで勝ち進んだことのあるスウェーデンとイングランドが準々決勝に進みました。そう考えると日本が世界の強豪として認知されるにはまだまだだというように改めて思います。ただ、今回の悔しさを昇華させることでまずは今大会よりさらなる前進を目指して、皆で盛り上げていくのも大切な事なのではないかと思います。


カテゴリー: ノンジャンルコラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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