まず最初にお断りしておきますが、今回紹介する時計ははっきり言って安物の範疇に入る時計です。クォーツではあるものの電波時計ではありません。一応日常生活防水はありますが、装飾や付加機能も全くなく、真っ暗な中では時間がわかりません。表面のガラスも普通のもので、こだわりの逸品というものでもありません。
ただ、東北での大きな地震のあった後、改めてエコとは何だろうかということを考えた時、実はこういった安物の時計こそエコではないかと思うような心境の変化が出てきました。今までメインに使っていたのは同じカシオのタフソーラーと言われる太陽電池付き電波時計で、デジタルのカレンダーが付いていたものですが、これが太陽電池付きの電波時計が出た当初のもので、本体の厚みが見てわかるほど分厚いので、ロングドライブをする際などはついつい腕から外してしまう事が多く、特に車での旅では腕時計としての用途を全うすることができないことがしばしばありました。そこで、気軽に付けておける無難なデザインの腕時計を物色していたところに見付けたのがこの時計でした。
ちなみに、この時計の定価は7千円程度で、私が買ったのは5千円ジャストくらいでした。文字盤の色が黒のモデルはLIN-171J-8AJFで、どちらにしようか迷いましたが、今使っている腕時計の文字盤が黒ということもあり、今回はシルバーのLIN-171J-7AJFを購入しました。
もっと安いものも同じカシオにはありましたが、あえてこれにしたのはちゃんとした理由があります。まず、電池交換式クォーツの中では長寿命の10年電池交換不要であるということです。改めて時計屋さんへ行くとわかりますが、手回きや機械式のものを除くと、ほとんどがソーラー発電のものになってしまっています。電池交換不要というのがソーラー発電の売りではありますが、中には充電式の電池が入っています。私が過去に購入したソーラー発電の腕時計は幸いにもまだ動いていますが、いつ充電池の寿命が来るのかというのは安いものでも高いものでも同じ可能性があると言えるでしょう。安いものならば諦めも付くと思いますが、最近では高級ブランドでもソーラー発電搭載のものが増えてきました。もし充電池に不具合が出た時に交換ということになれば、普通の電池交換とは1ケタ違うだけの修理費がかかってしまいます。そもそも、同じ電池が搭載されている時計をエコ商品として売っているメーカーの方にも疑問が出てきてしまうわけですが、どの程度安物の時計に耐久性があるかは別にして、5千円で買える時計が10年使えるというのなら私はそちらの方が十分にエコではないかと思います。
そして、今回の地震で新たな不安要素が出た点として、電波時計を修正するための送信場所であった福島があの原子力発電所の近くにあり、しばらくは東日本全体へ電波を発信できない状況になったことです。現在は復旧しているようですが、落雷など自然災害が起これば送信が止まってしまう可能性も出てきています。私の住んでいる静岡あたりでは福島の電波が受信できなくても、九州の電波を受信できる場合もありますので普通に電波時計は使えているものの、移動がメインの車での旅の間ずっと電波が受信できない可能性すら出てきてしまったということになるわけです。
普段自動的に時刻が修正されるのが電波時計の特徴ということで普段は全く気にしないものの、電波受信ができない場合、時刻を合わせるには改めて説明書を見ないとなかなかうまくいきません。それならば安いものでも手動で時刻合わせが簡単な時計をということになったわけです。お店でいろんな安い時計を見ましたが、私がこの時計に決めたのが、その材質にありました。
写真のようにベルトの部分と手が当たるケースのフタの部分がチタンになっています。金属アレルギーの方も安心して使えるチタン製の時計ですが、オールチタンではないものの実売5千円の時計でここまでものができてしまうとはちょっとびっくりです。カレンダーも日付けだけでなく曜日も表示されますし、奇抜なデザインでもないため旅用だけではなく、日常用としても十分に使えます。腕時計に凝っている方には何の変哲もない時計かも知れませんが、デザインのシンプルさと基本性能の高さからくるコストパフォーマンスはなかなか侮れないと思います。まあ、安物のクォーツだけにそのまま使っていると表示にズレが出てきますが、時刻合わせはその分簡単なのでそうした修正が苦にならなければ十分におすすめできる一品だと私は思います。
型番検索でたどり着きました。バンドもチタンのはずですよ。
時計の寿命は高くても安くてもほとんど変わりませんので高いのを買う意味は装飾品としての
価値を見出さない限りないと思います。
コメントをわざわざつけてくださりありがとうございました。ちょっと前の記事ですが、最後につけているアマゾンのリンクを見ると、私が買った時よりも更に安くなっていてびっくりです。
ちなみにこの時計は無造作に車の中に入れていて必要なときにつけるようにしているのですが、仰るとおり数万円の時計でもその寿命はそれほどながくなく、ロレックスのように孫子の代まで使える時計であったとしてもきちんと動くようにメンテナンスをするには膨大な費用がかかります。そういったことも考えながら身の丈にあった時計を楽しみながら使い分けていきたいと今は思っています。