法律の取扱次第でも「あおり運転」を撲滅できるか

車の中にキャンプ用品や車中泊のための道具を満載して、さらに家族で出掛けるような状況の中では山道などで急坂を登る際にはどうしてもキビキビと走ることができなくなる場合が多くなるだろうと思います。そうなると、普段のように普段のスピードで走ってくる車にとっては、車中泊をするために目的地へ出掛けている車というのはイライラの種になるのかも知れず、「あおり運転」をされる側になる可能性が普通の車より多くなるのかも知れません。

今年東名でのあおり運転を行なう車によってあおられた車の中にいた大人が亡くなってしまう事件が起き、その事件が起きる前にも容疑者の男は地元の一般道であおり運転を数回行なっていることがわかりました。こうした発表を受けて、今後法律を変えることもあるのかも知れませんが、今ある法律の適用を変えることでもエスカレートするあおり運転を抑制することができるのではないかという話が出ています。

これは、今の道路交通法の中に書かれていることでもあります。車を使って交通に危険を生じさせる罪を犯した運転者のほか、覚醒剤や麻薬の使用者らについて、車を運転することで著しく交通の危険を生じさせる恐れがある「危険性帯有者」として、免許停止の行政処分を科すことができると規定されているのです。

ここで言う「危険を生じさせる罪を犯した運転者」というのは、点数の累積によるものになるので、今まではあおり運転程度では一発で免停までの処分はしていなかったのですが、これからは覚醒剤や麻薬以外にも明らかに危険な運転を誘発させる「危険性帯有者」として、一発で免停にできるという法律の運用をあおり運転を繰り返す人にも適用するという話が出ています。

私の読んだ日本経済新聞の記事では、警察庁の見解によるとあおり運転自体ではそこまでの処分は適用されないものの、あおり運転がきっかけとなって「暴行や傷害、脅迫、器物損壊などに至った場合は点数制度によらず、危険性帯有者として処分する」というガイドラインを出しているようです。

ただ、このように厳しい道路交通法の適用を警察が行ない、悪質な運転者を処分したとしても、悪質な運転者はまさかと思うような事をする場合があるので、これで問題が解決するわけではないということもまた確かなのです。というのも、免停期間中に車を運転して重大事故を起こすようなケースはしばしばニュースで見聞きしますし、車ではねて人を死亡させたとしても、裁判で決められた罪によっては他の犯罪と比べて軽めの量刑になる可能性もあります。

運転時に問われる罪で大きいものは「危険運転致死傷罪」で、その罰則は「人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役(最大二十年)」という内容になっています。

この「危険運転致死傷罪」にどのような場合が該当するかというのが問題になるのですが、

・アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態
・進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行
・進行を制御する技能を有しないで自動車を走行
・人又は車の通行を妨害する目的で高速に自動車を運転
・信号を殊更に無視し高速で自動車を運転
・通行禁止道路を高速で運転

こうした行為について、ドライブレコーダーや監視カメラで明らかな信号無視や交通妨害の証拠を示せればいいのですが、あいまいなお互いの供述だけでは危険運転致死傷罪までにはならない可能性もあります。いろんな事を想定すると、なかなか悪質なドライバーを0にすることは難しいですが、実際に起こった悲惨な事故による教訓を多くの人が共有し、ちょっと冷静になってもらうだけでも、相当変わってくる可能性はあります。私自身はドライブレコーダーを付けていますので、もしそんな自動車事故の現場に当時者とは別の立場で立ち合うことがあった場合には、できるだけ事故の実況見分に役立つように、もし事故の瞬間が動画として残っていたら、その映像を提供することもありかなと思っています。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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