先日、熊本を襲った大地震から10年が経ったということで、広く当時の状況などをマスコミではレポートしていましたが、その際気になったことがあります。避難所に入ることのできる人がいる中で、あえて避難所には入らず、車の中での避難を続けている人の健康被害についてのレポートです。
具体的には、ペットと一緒に避難していたり、高齢者がいて周りの人に迷惑がかかるのではないか? と心配する中で、他人の目を気にしないで済む自家用車の中で朝から晩まで避難生活をするということになっていく人たちが、最悪生命の危機に見舞われるような体調不良を起こすことが報告されていました。
これは、手足を伸ばすことができない中で同じような姿勢を取り続けることによって体の中で血栓ができてしまう「エコノミークラス症候群」と言われる症状だと思われます。こうした話は、熊本地震よりもはるか前に同様な事があり、何回も何回も繰り返し言われ続けていたことなのですが、今回も同じような問題提起にとどまっているということは、本当に駄目な事だし、何とかするための対応を個人からやっていかないとまずいという事を思います。
私自身は、車中泊の旅用に、普通車でもコットを広げて設置できるようなシートアレンジの仕方を工夫し、何とか一名であれば車内で手足を伸ばして寝られるスペースは確保していますので、行政の手を煩わせることはありません。ただ、家族全員が自宅外での避難生活を強いられた場合まで考え、一人用のツーリングテントの下に少し大き目のコットを置き、テントコットのように使えるようにして、就寝時には何とか家族全員がエコノミー症候群にならないような準備はできています。しかし、そうした知識がない人が無理に車中避難(あえて車中泊という言葉は使いたくないので、こういう言い回しにしています)をした場合、また同じような被害が地震の影響をくぐりぬけて命を保った人に襲ってくることになるでしょう。
公的な避難所での生活については、ダンボールを組み上げて作るダンボールベッドや、同じくダンボールや布を使ったパーティションを使うことで、外からの目を気にすることなくある程度快適に健康を維持するための支援はできつつあるように思いますが、車中避難をしている方への支援について私はそこまでの話をなかなか聞くことができません。
海外では布団でなくベッドを使って寝る文化があるので、例えばハイチで起こった災害の時には軍用のコット(折りたたみベッド)が避難民に配られたことを記憶していますが、日本でも簡易テントとコットは行政の方である程度用意し、健康被害が心配される車中避難者が見付かった時には速やかに使ってもらえるような準備はして欲しいものです。今までの日本で多くの災害が起きているにも関わらず、こうした用意ができない理由は単にお金の問題なのかどうかはわかりませんが、コットが無理ならせめて空気で膨らませるマットでも用意して欲しいですね。これを読んでいる災害に対する意識が高めの方は、できればご自身でそうしたものは用意して、必要な人のところに回せるようにできればと思います。