今回のテーマについて何度もこのブログで書いていますが、本日(2024年11月15日)は、偶然にも日本におけるメジャースポーツの代表戦がかち合うことになりました。世界的に見るとそこまでメジャーではないとは言え、日本においては歴史があり昔から多くのファンを持つ野球の国際大会「プレミア12」で、日本対韓国の試合が19時から行なわれ、21時からは世界のメジャースポーツであるサッカーのワールドカップアジア地区最終予選の日本対インドネシア戦が続けて行なわれます。
サッカーの試合はアディショナルタイムがあるにせよ、前後半90分で終わりますが、野球は時間制ではなく9回の攻防がありますので、恐らく試合時間はかぶることが予想されます。両方の試合を見たいと思っている人は少なくないと思うのですが、今回の試合について、多くの人は野球は地上波テレビやAmazonプライムで中継されるものの、サッカーの方は地上波での放送も無料での配信もなく、どうしても見たい場合には有料の配信に頼ることになります。
となると、インターネット環境を持たない人は見られませんし、ネット環境を持っている方でも、基本的には月ごとの契約料金を支払わなければならないというのがネックになって(たった一試合のため月額料金を払いたくない?)、リアルタイムでサッカーを見る人は野球と比べると少なくなることが予想されます。
サッカーのワールドカップアジア地区最終予選では、日本はグループリーグの首位を独走していますし、本選を地上波で見られるのだからいいやという意見もあるものの、Jリーグ中継とは違って代表戦はかなり独特な雰囲気があり、本日の試合もどうなるかわからないところもあるので(この文章は試合前に書いています)、地上波で見られるのだったら野球の試合が終わったらすぐに切り替えて見たいという人も多いでしょう。このような状況が続くとどうなるのか、サッカー関係者の方も薄々気付いているのではないかと思います。
今年は、オリンピックで人気になったバレーボールの日本国内のプロリーグが新しくなりました。オリンピック前には地上波で国際試合の放送はまだ視聴率が伸びないだろうからということで、地上波ではなくBSでの中継になっていたのですが、今年の国内リーグの初戦を地上波のテレビで中継したのは正直驚きました。その他、プロバスケットの試合もBS中心ではありますがかなり無料放送していますし、テレビや無料配信でのスポーツ中継は非常に多岐にわたっています。国内の試合は置いておいて、まず何が何でもアメリカのMLB(メジャーリーグベースボール)をロサンゼルス・ドジャースの試合を中心にワールドシリーズまで連日放送していたのがNHKですし、それによって日本のプロ野球、さらには今回の代表戦まで盛り上がってきているのとは打って変わって、サッカーにはなかなかリアルタイムで試合を見ながらエキサイトするような事ができなくなっている見る側の不自由さというものを感じざるを得ません。
サッカーの代表戦が地上波やBSのテレビで放送されないのは有料配信をしているDAZNのせいではなく、どうにもならない様々な理由があるのはわかるのですが、今はこれまで紹介したように、サッカーが見れなければ、他のスポーツが面白ければそちらに流れてしまうことも十分にありえます。個人的には大好きな卓球のトーナメントWWTファイナルズも日本国内(福岡)で行なわれ、地上波での中継がされるようですし、最近の日本女子は中国に迫るくらい強くなってきているので、もしサッカーと卓球がかち合った場合には私は卓球の方を優先してしまうかも知れません。
かつて、高騰するサッカーの試合におけるテレビの放映権を払うことができず、自国の試合も見られない途上国の様子に同情していた身からすると、今の日本もそんな感じに国の力が弱くなっているのではないかと思ってしまうところがあります。ただ、日本においては興味深いプログラムとしてのスポーツはサッカーだけでなく、他の地上波で見ることのできるスポーツも多いので、このままだとサッカーの代表戦を見るのを諦めることで、小さな子がサッカー自体に興味を持てなくなるような可能性もあるのではないかと思っています。
今のサッカーの男子日本チームは史上最強と言われていますが、日本は少子化社会に向かう中で、他のスポーツとの選手の取り合いになれば、将来の日本代表候補が他のスポーツに行ってしまうような未来もあるのではないかと思います。サッカーのテレビ放映権料は高額で、地上波テレビではなかなか中継が難しいという状況は十分に理解はできているものの、このままではあまり良い展望は見えません。残念だと思って諦めるのか、コストをそこまで掛けなくても国際的に活躍できそうなスポーツにシフトしていくのかわかりませんが、大きな試合ぐらいは国内・国外に関わらず普通の家でも見られるように知恵を出して欲しいものだと強く思います。
(追記)
DAZNの最新の配信内容について補足します。今回のサッカー・ワールドカップアジア地区最終予選の配信について、2024年11月15日のインドネシア対日本(アウェー)戦および、同11月19日の中国対日本(アウェー)戦については無料配信を行なうとのことです。当日のテレビコマーシャルではそのような発表を見ることができなかったので、今回も無料配信はないのかと思っていました。ただ、テレビの大画面で見るにはそれなりの用意は必要なので、FireTV Stickにアプリのインストールをしたり、ウェブブラウザでアクセスしてテレビとパソコンを接続したりなどの準備が必要です。そうした準備の上、ネット配信を楽しみましょう。