太平洋プレートを伝わって起こった異常震域の地震発生は過去にも起こっていた

昨日午後5時過ぎに三重県沖のかなり深いところ(約350キロ)を震源とするマグニチュード6.1の地震は、比較的三重県沖と近いと思われる静岡の自宅では地震があったことすらもわからない状況(実際は震度1を観測)で、テレビの速報を見てただただびっくりしたというのが正直なところです。

大きな揺れが感じられた所では震度4が最大で、小刻みな揺れが長く感じるということで、気象庁では「異常震域」と発表されました。改めてこうした地震のメカニズムについて調べてみると、太平洋に沈み込んでいる太平洋プレートの中で起こったことにより、プレートの中を揺れが伝わったことで、震源の真上では深い場所であるがためにほとんど揺れずに、プレートの先の方が地面に近いところにプレートがあるため、大きな揺れとして認識されてしまうとのことです。

長い竿を揺らすと、根本より先の方が大きく揺れるというのと感じは似ているのか? とも思いますが、こうした小刻みな揺れが長く続くような事で思い出すのが、私が住む静岡県で感じた東日本大震災の揺れがそんな感じでした。その際は東京でも高層ビルでの揺れはかなり大きかったそうなので、今回のように地下350キロという深くて緊急地震速報が出せないというような地震においても、日本の広範囲に今後大きな影響を与えるかも知れないので、注意深く状況を見ていくことが大切なのではないでしょうか。

今回、揺れの中心は茨城県や福島県という、ここのところ福島県沖で起こっている地震で大きく揺れている場所と同じようなところだったので、ついその関連性を感じてしまうところもありますが、今回の地震はそうした一連の地震とは別のものであるという、しっかりした認識をすることも大事です。

ちなみに、過去の記録をひもとくと色々と興味深いことがわかってきました。2003年11月12日に、同じ三重県南東沖で起こった深さ395km・M6.5の地震でも今回と同じような関東から東北において広範囲で揺れに見舞われました。その後三重県沖では2019年9月にも同じ深さと大きさの地震が起こっています。すぐにまた同じような地震が起こるかはわかりませんが、もう一つの例がちょっと個人的には気にかかります。

2015年5月30日に小笠原諸島西方沖で、今回の地震よりもさらに深い、深さ682kmで地震の大きさは何とM8.1という大地震ですが、小笠原諸島ではほとんど揺れず、震源地から1,000キロ近く離れた埼玉県で震度5弱を記録しています。この時は全国で震度1以上の揺れが観測されたという広範囲の揺れが確認されています。今後、同じような場所で同じような規模の地震が起きた場合、特に関東の高層ビルの上の階に住んでいる人はどうなるのかと、首都圏直下型地震とは違った危険性があります。

過去にこうした地震は起こっていながら、私自身はこうした震源地から離れたところで大きく揺れる震源地が深いところにある大きな地震の存在を認識していませんでした。今のところ同じような地震は今回紹介したように、場所はある程度特定できそうなので、その辺も頭に入れながらリスク管理を行なっていこうと思っています。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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