人間が生活をしている中で、あまり他人の行動を細かく知ることはないので、たまたま流れてきたネットニュースにびっくりしたり感心したりすることが度々あったりします。今年に入って私の持っている常識とは違う世間のありようでびっくりしたのは、今の世の中は「ネット検索」という場合には「ググる(Googleの検索を行なう)」というように、ウェブブラウザーを使っていない人も少なからずいるということでした。
そもそも、「ウェブブラウザー」という言葉自体が通じない人も世の中にはいるという話もあり、そういう方は主にアプリを使ったり、ツイッターやYou Tubeを使ってわからない事を調べる人もいるそうなのです。
確かに、スマホしか使わず、さらに利用するアプリも限られるということになるといつも使っているもので調べられ、自分で満足できるなら、それでいいのではないかと思われます。それだけ今の時代はインターネットと言ってもパソコンではなくスマホでネットをする方が当り前になってきているということになるでしょう。
ただ、物事を深く調べる場合にはインターネットというのはその入口にしかならないということも確かです。昔と比べると確かに調べられることは増え、私自身もネット検索でかなりの事を調べて活用させていただいているのですが、それも数々の検索の癖を知り、どこまでならネットでも調べられるかということを知っているので、ネットの限界を感じた時には辞書アプリを引いたり、図書館でもう少し専門的な知識を得ることを心掛けています。
ちょっと話題がずれるかも知れませんが、私自身は現在Amazon music unlimitedの4ヶ月99円会員になって色んな音楽を聴きまくっているのですが、これで自分の聴きたい曲が全て聴けるのかというと、実はそんな事はありません。過去のヒット曲のオリジナルを聴こうと検索したところ、ある曲については私自身よく知らないアーティストがカバーしたバージョンしか出てこなかったり、あとは「またか」と思われる「オルゴールによるインストロメンタル」だけだったりすることがあります。
こういう事が起きた場合、過去のオリジナルを知っている人ならば、これでは目的を達せられないということで他の手段をネット上で探したり、それこそ中古CDをあさってCDからデジタル化して手に入れるということもできますが、そもそもオリジナルを文字や話でしか知らない人であれば、そこまでの労力をかけてオリジナルの作品を入手するだけの情熱を持つ方は少ないでしょう。そういう人が多くなっていけばいつの間にかオリジナルの価値を重んじる人は少なくなり、私から見るとあれだけ一世を風靡した作品が消えていってしまうということにもつながっていく感じがしてなりません。
ネット検索というのは足を使って歩き回って探すよりも楽に様々なものを見付ける事ができるのに、少なからぬ人がその一部しか使わずにその結果に満足しているかと思うと、ちょっと残念な気がしてなりません。今現実の社会に出ている様々な作品というのは、過去のデータや作品にインスパイヤされたものも多く、音楽にしろ様々な文芸・芸術にしろ新しい作品にはそれ以前の状況を知ることで見えてくるものをあると思います。そういう事を語るにはやはりツイッターのような少ない文字数ではどうしても足りないですし、一つのサイトの意見だけでは見方が一方的というところもあるかも知れないので、様々なサイトを見比べながら考えることも必要になるのではないでしょうか。
ただ、このままではインターネットサイトにそうした貴重な情報がたまっていかないのではないかという危惧もありますので、個人のサイトやブログはもっと見られるべきだと思いますし、私自身もネットで様々な事を調べるような時にはそうしたサイトを参考にさせていただき、必要があればリンクも貼らせていただきたいと思っています。