2020年 東京オリンピック開催にともなうインフラ整備の展望

 2020年の夏季オリンピックは、トルコのイスタンブールとの決選投票の結果、東京開催に決定しました。国内ではまだ東北地方の復興の見込みが立たない中、東京周辺の競技場や道路、公共交通機関のインフラ整備が優先されるようになる状況に素直に喜べない方もいらっしゃるかと思いますが、7年後に開催されるという事実は動かしようがありませんので、招致を支持していた方も支持できなかった方も、あくまで冷静に今後の状況を見ていく必要があると思います。

 イスタンブールが支持を得られなかった理由には、様々な事が考えられます。イスタンブール市内で混乱が起こったり、トルコの隣国がシリアであり先の見えない中東問題に関する懸念があったとも言われていますが、それを言うなら日本の福島原子力発電所周辺の問題および、いつまた巨大地震が起こるかわからないという不安の方もいつ収束するかわからないので、個人的にはこの問題だけで選考が決まったのかというと少々疑問に思います。というのも、たまたま前の日に、テレビのドキュメンタリーで世界一と言われている中国・北京の道路が慢性的に渋滞している状況を取材した番組を見ていまして、ふと長野五輪のジャンプ競技のことを思い出しました。ジャンプ競技場へ向かう道路が大渋滞を起こし、観客の中には競技開始に間に合わなかったということがありました。今回の開催地の中では、イスタンブールの交通渋滞もかなり深刻だということが言われていたので、開催都市の交通インフラについても考慮がなされ、候補地の中では比較的ましな東京が選ばれたのではないかと思ったのですが。。

 とは言っても、東京に交通渋滞での不安要素が全くないかと言うと、そんなことはありません。そんな不安要素をつぶすためにも、これから東京オリンピック開催に向かい、鉄道などの公共交通機関の整備とともに新たな道路建設が行なわれ、東京中心部での渋滞を減らすためのインフラが整備されることになるでしょう。ただ、別の問題として、会場の周辺についてはテロおよび騒乱を抑制する目的で厳重なる警備体制がしかれる可能性がありますから、どちらにしても車で会場周辺まで雰囲気を感じに行くということはちょっと無理でしょう(警備が厳しすぎると多くの国民にとって、オリンピックが遠いものに感じられてしまう危惧がありますので個人的にはほどほどでお願いしたいものですが)。さらに本大会のチケットは恐らく私にはほとんど入手不可能だと思いますので、テレビで競技を見るのに時差がないくらいが東京にオリンピックがやってくるメリットかなとも思えますが、オリンピックのために建設されるインフラは、今後多くの人の役に立つような場合もあるでしょう。

 私は静岡在住ですが、2013年現在東京方面から例えば東北方面に車で向かう場合、新東名が合流する御殿場から神奈川県にかけて日常的に渋滞が発生して、そこから東北や関越方面に向かう場合でも都内へ入って行かざるを得ない場合もありますので、東京を抜けるにはかなりの時間を見なければなりません。少なくともこうした状況はオリンピック開催準備の事業として行なわれる外環道の整備などで解消され、東京の中心部を通らずに東名高速・中央道・関越道・東北道がつながることになれば、慢性的な首都圏に向かう渋滞がオリンピック開催前までにはある程度解消されることが期待できるわけです。

 ただ、現在想定されているインフラ整備のための費用はかなりのものになり、道路や地下鉄の建設も予定より前倒しされるとなると、税金が上がる傾向が強まることは十分に予想できます。しかし、こうした道路を使っても使わなくても同じように税金を取られてしまうことには変わりないのですから、自分の環境でこうした道路を使うことによって恩恵を受けられるならば使った方がいいでしょう。、今後東京周辺の道路が整備されていくに従って、新しい道路を利用しながらいろんな場所に車で旅行してみたいですね。個人的なイメージとしては、道路整備によって東北道へのルートがスムーズに進むようになったら、積極的に東北地方に出掛けてみたいと思っています。東京周辺の道路整備とともに、ある程度の台数の車が車中泊できるような休憩施設の建設にも期待したいところです。


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