電子マネーの「ポイント還元祭り」に乗るべきか

先日7Payの終了についてニュースがあったばかりですが、現在の日本では多くの電子マネーが競争しつつ主流になるべく様々な仕掛けをしています。

そんな中で、最近サッカーJリーグの鹿島アントラーズを買収したことが発表された「メルカリ」が行なう「メルペイ」のコマーシャルが流れています。「吉野家の牛丼が実質114円?」というのがそれですが、メルペイを使った人全員が牛丼(並盛)の価格が114円になるわけではなく、2つの条件があることを個人的には理解しました。

もし間違っていたらコメントをいただきたいのですが、そもそもこの金額というのは支払い方法として即時決済の電子マネー利用ではなく、その月に使った利用額を翌月に決済して支払う「メルペイあと払い」という支払い方法で払う必要があり、さらに利用時にはくじを引き、その場で利用額の50%か70%がポイントで(キャッシュバックでないことに注意)還元されるということで、牛丼114円というのは還元ポイントの最高である70%ポイント還元がされた場合の「実質的なユーサーの負担額」ということになるだろうと思います。

ちなみに、これを書いている現在の吉野家での牛丼並盛の価格は消費税8%込みで380円ですので、後でポイントで70%分が還元されることになれば、「1ポイント=1円」というレートが崩れなければ計算上は3割だけの負担となるので114円でという表現は間違いではありませんが、必ず70%還元されるわけではなく、さらにポイントを使えるお店が限定される状況で、「1ポイント=1円」という風に簡単に計算してしまっていいのかという疑念は残ります。

というのも、例えばクオカードを金券ショップに売りに行った場合、実際に現金で買ってもらうことが前提になると金券ショップの方ではカードの保存状態などを細かく見て、当然ながら額面の金額で買い取ってもらえるものではありません。現在のメルペイはまだ利用できる店舗は少なく、少なくとも全国どんなお店でも使える現金と比べるとやはりそのポイントを「1ポイント=1円」という風に考えるのはよほどメルペイ加盟店だけで買い物が済んでしまう人だけではないでしょうか。そうした事も考えて使わないと、還元されてきたポイントをなかなか使えないというような状況も出てくるかも知れません。

そして、この「メルペイあと払い」という決済方法にしても、「お金がなくても電子マネー決済ができる」というメリットがあると同時に、様々な物やサービスを「つけで買う」ことと同じですので、クレジットカードを持っている人なら別に必要はないように思います。

逆に、あまり「つけで買う」ことについての知識がない人が利用し、利用した分を支払うだけの収入がない人が利用し、翌月にその分を支払わなかった場合、もはや実質でどれだけお得ということではなくなり、逆に一定の利息を上乗せされた額の返済をせまられることになってしまいます。個人的には「電子マネー」というのは、自分の手持ちのお金をチャージしてからその分だけ使うことで使い過ぎの心配がないものとして利用させてもらっているのですが、この「メルペイあと払い」というのはさすがに最大70%の還元があっても期間内だけの話ですし(期間は8月11日まで)、無理をしてお金を使うくらいだったら最初から使わない方がいいかなと考えてしまいます。

このような後向きの事ばかり書くと、古い人間だと思われてしまうかも知れませんが(^^;)、昔でも今でも「つけで物を買う」というというのは、その場ではお金を払う必要はなくスマートな支払い方法であるかも知れませんが、後から支払いを無かったことにしてもらうことは不可能で、継続して使う場合には毎月の自由に使えるお金を確保しておかないと便利に使うことは難しくなることもまた明らかなのです。

もちろん、「メルペイあと払い」には、毎月の限度額を設定できるなど使い過ぎについての対応もアプリの設定によって可能になりますが、さすがにあのテレビコマーシャルだけ見た人がそこまで考えが及ぶかというところも心配になることです。今回のキャンペーンに乗る方も乗らない方も、自分自身が重荷を背負わないような形でしっかりと電子マネーの使い方を管理できるようにしていただくのが良いかなと思うところです。

カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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