月別アーカイブ: 2012年11月

避難所での口腔ケアのために

 最近になって、震災による避難所での生活の中でお口のケアをおろそかにすることによって肺炎などの感染症にかかる恐れがあるということを告知するテレビコマーシャルが流れています。震災に襲われて助かった命が、対策を立てることによって助かる見込みがあるのにそのまま失われてしまうというのはできる限り避けたいものです。こうした避難所の生活に起因する体の不調というのは、このブログでさんざん取り扱ってきた窮屈な姿勢を長く続けたことによるエコノミークラス症候群による血栓を予防することもありますが、さらに口腔ケアの必要性も十分考えた上で避難計画を立てるべきだと思います。

 差し当たって用意しておきたいのが普通の歯ブラシです。水がほとんど手に入らないような場合でもそのままブラッシングし、食べかすは唾液と一緒に外に吐き出すなどして対応してもいいでしょう。歯科医の方の書かれたブログなどを読むと、私たちは普通に口の中にたまった唾液を飲み込んでいて、自分の唾液ならば健康に問題はないということで室内などどうしても外に吐き出せない状況ならば飲み込むという選択肢もありだとのこと。もちろん、こういった状況は極端に水が不足した状況を想定してのことです。そんな場合は歯ブラシを洗うこともなかなかできないでしょうから、日光に当てて消毒するような感じになってしまうだろうと思います。

 しかし、そうは言っても普段の私たちはなかなか水のない状況での生活をしたことはありませんし、洗わない歯ブラシを水が手に入るまで使い続けるのが我慢できないという方もおられることでしょう。そんな方が水のない状況で口腔を清潔に保つためには、介護用品を活用する手もあります。

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 写真のウェットティッシュは口腔ケア用に作られたもののようで、指に巻いて汚れをふき取る方法でケアのできるものです。歯ブラシを用意するのと違って応用範囲が広いですし、自分だけでなく他の人にも同時に口腔ケアをしてもらいたい時は、こうした使い切りのウェットティッシュの方が使い勝手がいいのかも知れません。災害時でなくても、家族で車中泊の旅に出て、お子さんに歯磨きをさせられない場合にも親御さんがこうしたものを使って歯の汚れを拭いてやるだけで虫歯の危険性を減らせることにもなります。

 こうした専用品がない場合でも清潔なハンカチやガーゼなどを指に巻いて汚れをふき取ることだけでも感染症の危険性を避けることができると言われていますので、いざという時の口腔ケアを考えながら非常用に持ち出す品の選定を考えていくべきだと思います。まずは家族分の新品の歯ブラシを用意するところからはじめるのがいいのではないでしょうか。


自分の車の塗装色がお店にない場合には

 新しく車を購入する場合、車種そのものや性能だけでなく、色で選ばれる方も多いだろうと思います。白や黒、シルバーなどの定番では面白くないとあまり一般的でないカラーのものを選んだ場合、ちょっとした補修をしようと思った場合に困ることもあります。それだけでなく、車もちょっと古くなってしまうと、いわゆる定番の色以外のものについてはなかなか店頭で見付けることが困難になってしまうという現状があります。

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 写真はとあるカー用品専門店で撮影させていただいたものですが、これだけの種類がペイント缶が揃っていても、自分の車の色がない場合があります。お店に備え付けの色見本の冊子にも載っていない場合もあり、どうしたらいいかわからずにそのまま帰ってきてしまう方が多いとは思うのですが、カー用品店によっては見本にない色を調合してくれるサービスを行なっているところがありますので覚えていて損はないでしょう。

 色を調合してもらうためには普通の車ならボンネットを開けたところに付いているプレートに刻印されている3桁の数字とアルファベットで構成された「カラーナンバー」を知らせる必要があります。現車でお店に行けばお店の人に調べてもらえるので心配ないですが、そうでない場合は車の取扱説明書でどこにカラーナンバーが表示されているかを調べ、「メーカー名」「車種」「カラーナンバー」およびおおよその色をメモしたものを渡すことで調合できるかどうかを調べてくれます。また、車によっては上下2色の色が番号付けられているので、カラーナンバーだけでは確定できない場合もあるのでそうした情報についても(欲しいのは上下どちらの色かなど)しっかりメモを取ってお店の方に渡しましょう。そして、スプレー缶かタッチアップペンの形のどちらで作ってもらうかということもしっかり伝えましょう。そうして調べてもらって調合可能の場合、仕上がるまでにはある程度の時間もかかり、お店に置かれているものよりも多少金銭的な負担が増えますので、その点も作ってもらう前にお店の方に確認しておいた方がいいでしょう。

 私の場合はドアの縁など、自分ではそれほど意識がないまま塗装が剥がれてしまうような事が結構あるので、タッチアップペンを使って上塗りし、錆を防ぐような事を想定してタッチアップペンを常備しているのですが、幸いにして車の色はスタンダードな黒なので既製品として置かれている色で間に合っています。ただ、今後購入する車によっては、恐らくまた中古車で探すことになると思うので、そう都合良く既製品がいつでも購入できる色になるとは限りません。場合によっては調合して作ってもらうことにもなるかも知れませんが、実際に使う時にも注意したい点があります。多くの色を調合して色を再現している関係から、完全に色が混ざっていないところがあり、違う色が出てくる場合も0とは言えませんので、使う前にはしっかり振って、別の場所に試し塗りしてみて色の状況を確認してから使うようにするのが大事です。それほど多くの方が役に立つ情報ではないかも知れませんし、使い慣れない方がやみくもに使ってもかえって塗ったところが目立ってしまうようなこともありますが(^^;)、車の色を調合してくれるサービスがあるということを覚えておいて損はないと思います。


5-7 バッグの底に「サバイバルシート」

 車に乗せる荷物の軽減化を図るためしまっておいたさまざまなキャンプ用品をひっくり返していたら、以前布バケツとカセットガスを使ったコンロおよびクッカーセットを購入した時に一緒にセットされていたアルミのサバイバルシートを見付けました。

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 最近ではどこのホームセンターでも置いてあるところがあるような薄いアルミのシートなのでほぼその存在を忘れかけていたのですが、こんなちゃちなものでも着の身着のままで避難しなければならなくなったような場合、広げて体に巻くだけでも違うのかなということでバッグの中に入れておくことにしました。

 果たしてこんなもので暖かくなるのかと思う方がほとんどだと思いますが、とりあえずこんな薄いシートでも風はさえぎってくれますし、光っている部分を中にして羽織れば、多少は体の熱が外に逃げるのを理論上は抑えてくれます。この種のシートは一度広げると元のようにしまえないと思うのでほぼ使い切りと考えた方がいいと思いますので、できるならばこれを使うことがないように願いたいのですが、それでも持っていないよりは持っているに越したことはないでしょう。

 写真の私の持っているものはだいたいポケットティッシュぐらいの大きさなので、カバンの中に入れてもそれほど影響を受けません。安いものならホームセンターでもリーズナブルな値段が付いて売っているものなので、安く売っているのを見付けたら買っておくのもいいでしょう。震災時だけでなく、秋から冬にかけて、台風や大雪で電車が停まって帰宅ができなくなったような場合にも使う可能性が出てくるかも知れません。本来の用途に使うこと以外にも、レジャーシートのように使ってもいいですし、応用範囲が広いのもこの種のシートの魅力だと思います。しまっているのを忘れるぐらいの感じで十分だと思うので、安いサバイバルシートが売っているのが目についたらとりあえず自分用に確保しておくのはいかがでしょうか。


mKettleでもできる調理法

 以前紹介したmKettleですが、構造上の関係で炎が筒状になっている上部に抜ける構造になっているため、炎自体も上に吹き上がってきます。私が考えることもなく、このエネルギーを何かに使えないかということで試行錯誤した先人の方々がいらっしゃいました。私がmKettleを購入に至ったのもこの試みが面白いと思ったからで、あくまでメーカーの補償範囲外の使い方ですが、別の市販品を使って上の筒のところに調理器具を置いて調理することも可能です。

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 以前、トランギアのアルコールストーブ単体で調理を可能にするために金属を十字に合わせて上にのせることでカップなどを安定して使うことができる写真のゴトクを購入しました。元々はトランギアのものではなくエバニューのアルコールストーブ用に開発されたものですがトランギアでも使えます。これがmKettleの上の筒の部分にぴったりとはまるというわけです。

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 このようにゴトクをセットすると、元々mKettleは背が高いので、扱える鍋の種類は限定されるものの、私が持っている中ではそれほど背が高くないマグカップであるエバニューのチタンカップ400FD EBY265や各社から出ているシェラカップなら、それほど倒れることを心配しなくても調理ができます。

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 まず先日試したのがレトルトパックのスープの中味だけ温めるような方法で、一応適度な量の水をケトル内に入れておいて空焚きを防ぎながらエバニューのカップにスープを入れて調理してみました。その時には15gの青色の固形燃料を使ったのですが、炎は全く上まで届いていなかったのにも関わらず、固形燃料が燃え尽きるぐらいにはスープとして適温になっていました。

 アルコール燃料で行なう場合もほぼ同じように考えていいと思います。上記のようなスープを温めることや、缶詰の中味を温めて食べたいような場合には火の勢いがあれば湯沸しが完了するまでの時間でそこそこ温めることができますので、カップラーメンに缶詰の焼き鳥をプラスするつもりで使えば、カップラーメンにお湯を注いで待っている間に温めた缶詰をいただくというような短時間で効率のよい食べ方もできるでしょう。

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 さらにもう一歩進めて、シェラカップで炊飯についても試してみました(^^)。室内での安定した中での試みだったのでアルコール燃料は水を沸騰させる場合より多い50mlで行ないました。結果、アルコール燃料が燃え尽きる前にシェラカップの中の水が飛び、焦げ臭い匂いがしてきたところで火から下ろし蓋をして10~15分蒸らしたところ写真のように無事にご飯が炊き上がりました。

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 お湯を沸かしながら炊飯ができるので、食後のお茶もシェラカップで飲むことで、多少は洗う手間を省けるといったことがあると思います。こうしてお湯とご飯をいっぺんに作れるということは、多少炊飯に失敗してもお茶漬けにするとかすれば何と食べられますし、何よりも一回の調理でここまでできてしまうというのが嬉しいですね(^^)。まだまだ道具の組み合わせなどの工夫次第でmKettleの調理の可能性が広がってくると思いますので、改めていろいろ試してみたいと思っています。


新型ワゴンRの発電システムへの期待

 現在販売されている新型ワゴンRの仕様は、私の乗っている旧型からはかなり変わっています。「発電するエコカー」というわかったようなわからないようなキャッチフレーズでコマーシャルを展開していますが、基本的にはハイブリッドカーの類ではありません。普通のガソリンを使い燃料をできるだけ走行のためだけに使い、アイドリングストップを減速時にも行なうことでリッター30km/lに迫る(カタログ値では28.8km/l)性能をたたき出しているということです。果たして車中泊カーとしてはどうなのか、考えながら紹介させていただこうかと思います。

 普通の車の場合、エンジンの力によって常時オルタネーター(発電機)が回って走行および車内で使う電気をまかなうようになっています。備え付けの鉛蓄電池に充電される分を超過して発電してもそのままになってしまうので、先日こちらのブログで紹介したようなアイソレーターという機具をつなげると、常に出力を出し続けている発電機から余った電機をサブバッテリーの充電に充当することになるので、ある意味効率的に電気を貯めることができます。

 しかし、わざわざサブバッテリーを搭載したり、電装品をこれでもかと付けまくるようなユーザーはワゴンRのユーザーにはそれほどいないでしょうから、メーカーの方では燃料を車の推進力に極力使うため新たなシステムを作りました。オルタネーターの能力を上げつつアクセルを踏んで回転が上がる場合には敢えてオルタネーターを動作させず、ブレーキを踏むなどして惰性で車が進む時に(当然ながらそういう状態の場合には燃料はほとんど消費されません)積極的にオルタネーターを動かし、そこで充電するというシステムを作りました。そうして作った電気を付属の鉛蓄電池に充電するだけでは走行時にメインバッテリーが減ってしまうので、助手席の下に置いたリチウムイオンバッテリーにも充電することで、走行中の電力消費にも対応したというわけです。車を運転していて常にアクセルを踏み込んでいるわけではないので、惰性で車が動く時だけ充電するような仕組みでも十分だということなのでしょうね。

 そう考えると、走行中充電を見越してポータブルバッテリーや自作の鉛蓄電池によるサブバッテリーを使おうと考えた場合、新型ワゴンRの場合はまずリチウムイオン電池から放電され、それが足りなくなったらオルタネーターが作動するような感じになるのかも知れません。基本的には走行中にオルタネーターを作動させないということですから、走行中にサブバッテリーを充電するためにリチウムイオン電池を放電させることになるのでしょうが、そのようにして放電と充電を多く繰り返したリチウムイオン電池の消耗度にどんな影響が出るのか、これはある程度時間が経たないとにわかには判断できないでしょう。しかし、ハイブリッド車に搭載されているような燃料電池と比べてリチウムイオン電池は安価に交換できると思いますし、上記のように特殊な使い方をしなければ(^^;)十分リチウムイオン電池は長期間性能を維持すると思いますので、以前のワゴンRとそれほど変わらない価格で燃費が伸びるということにメリットを感じるならば、乗り換えをする意味も出てくるでしょう。

 なお、カタログによるシートアレンジを見ると今までのワゴンRのように助手席を前倒しにしてフラットな空間を作ることはできそうですので、その点では車中泊に問題はないでしょう。ただ、私自身がワゴンRに乗っていて言うのも何なのですが、スペアタイヤを省略してまで燃費を伸ばすよりも、いざパンクをした時にタイヤ交換で何とか走れるという装備は付けた上で燃費向上を目指して欲しかったと思います。元々、こうした軽自動車で長距離の移動を含めた車中泊の旅なんてものはメーカーが想定していないと言われればそれまでですが、今の軽自動車は人にもよると思いますが、長距離走行をしても普通車並みに走らせることができると思っている方もおられることでしょう。ホンダのNBOX+のような車も出てきただけに、単なる燃費競争でない魅力的な車中泊にも使える車を出してほしいですね。今回のスズキの技術を使えばリチウムイオン電池ではなくユーザーレベルで簡単に交換可能で安い大型の鉛蓄電池をセットして充電し、家電製品も使えるコンセントが付いたサブバッテリーを標準で搭載することもできるかも知れませんし、将来車のボディに塗装するタイプの太陽電池が実用化されれば、さらに面白いレジャー用の車が作れそうな気もします。どちらにしても今後のこうした技術の発展には大いに期待していいのではないでしょうか。


誤発信で迷惑を掛けないために

 携帯電話からスマートフォンに移行していく中で、ついつい気になってしまうのが「誤発信」に関する問題です。これはスマートフォンだけの問題ではないと思うのですが、夜中に仕事上でお付き合いのある方から携帯電話に着信したので何だろうと思って出てみたところ、ずっと無音や雑音のような状況が続き、こちらから呼びかけても何の反応もないことが続いたことがあります。それとなくその方に後日お会いした際に携帯電話を確かめてみたところ、携帯電話の機種変更をしていて、折りたたみ式からストレート端末に変えていたのでした。その後、その方はどうやらあちこちでそうした誤発信を繰り返したようで、携帯電話を以前使っていた折りたたみ式に戻してしまいました(^^;)。

 相手がスマートフォンの場合でも誤発信を受けたことは結構あって、これは電話帳アプリでメールを出すはずがつい電話番号をタップしてしまってそのまま電話がかかってしまったのだろうと類推されるパターンがありました。最近のアプリでは一回そうして電話番号をタップしても本当に掛けるのかという確認のための表示が出るようになっていますが、やはり画面むき出しの状態というのは怖いですね。これは私の話ですが、ズボンのポケットに入れておいた携帯電話のストレート端末が、どうやら運転中だろうと思うのですが、自分の知らないうちに発信してしまい、発信相手に迷惑を掛けてしまいました。ボタン長押しでキーが反応しないようにセットしていたにも関わらず、何かの拍子にロックが解除され、履歴に残っていた人のところに自動発信してしまったというのが事の真相でした。まあ、普通の相手に普通の時間かける分には言い訳が立ちますが、例えば夜通し車で走っている真夜中にそうした誤発信が起こったとしたらかなり相手に迷惑を掛けてしまいますし、もしそれが普通の相手ではなく緊急通報先だったらと思うと本当に心配になってしまいます。

 そういうわけで、私の使い方ではとりあえず通話に使う限定の電話についてはスマートフォンではなく普通の携帯にして、さらに折りたたみ式を選ぶようにしようと思うようになりました。幸いにしてというか、私の使っているスマートフォンは白ロム購入でデータ通信用の通信カードを差して使っているだけなので通話しようがなく、誤発信の動作が起こったとしても相手先にはつながらないのでその点では助かっているのですが、すでにスマートフォンでデータ通信も通話もという形で使っている方は、ケースを利用するなどして服のポケットに入れていて誤発信するようなことを極力起こさないように万全の対策をしておいた方がいいと思います。

 個人的な感想になりますが、最近出てきた中高年用に開発されたスマートフォンでも誤発信に関する対策はされているとは言っても、ポケットの中で何かの拍子で誤作動してしまう可能性は捨て切れないところです。これは全く技術的な問題ではなく、昔あった電子手帳のように液晶保護および誤作動を防止するために蓋を付けることがどうしてできないのか、これは今だに疑問に思っています。逆に蓋がついたスマートフォンが出てきたら常に誤発信の恐怖におびえている人たちには結構売れるのではないかと思うのですが。


災害時にも使えるソロ湯沸し mkettle

 野外でお湯を沸かすためには様々な方法がありますが、常に安定して燃料が購入できるならばキャンプ用のガスが簡単でてっとり早いものの、災害時のような非常の場合は同じガスでも支援物資として流通しやすいカセットガスを使ったカセットコンロやキャンプ用の小型ストーブを一つ用意しておくと安心かも知れません。今では100円ショップに飛び込めば多くの店舗でカセットガスが売られていますので、私はそうしたカセットガス用のコンロのみを車で持ち運び、必要に応じて現地調達するような使い方を想定しています。

 しかしながら、旅行中に全くお店が見付からなかったり、災害時に外から全く物資が入ってこなくなったような場合も想定しておくことも大事だと思います。キャンプ用にはそこいらに落ちている小枝などを集めて炊きつけにし、その熱で調理ができる焚き火台やコンロ類があり、その中で実にユニークな製品があります。お湯を沸かすことに特化した「ケリーケトル」という湯沸しです。これは、下で火を焚いてその上からかぶせたヤカン部の中央に穴が開いた構造になっていて、水は容器の穴の周辺にたまるようになっています。火は穴を通って上に抜けるため熱効率が良く容器中の水を温められるので短時間でお湯を沸騰させることができる仕組みになっています。

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 今回紹介するmKettleはケリーケトルと同じものではありませんが原理は同じです。イギリスのメーカーが発売しているのですがケリーケトルとの違いは、より小型で持ち運びしやすくなっていることと、ヤカン部分をそのまま手で持てるようにネオプレーンで巻かれていることで、多少熱くはなりますが何とか手で持ってお湯を注ぐことができるようになっています。

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 通常は火を焚くところに小枝などを入れるのですが、写真のようにトランギアのアルコールストーブがちょうどぴったりはまるので、今回はアルコール燃料を使っておよそ500mlの水からお湯を作ることにしました。

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 上から見ると下に置いたアルコールストーブの炎が中心の筒の部分から出ていることがわかるでしょう。こうした仕組みがあるので早くお湯が沸くわけです。できればある程度容量のあるステンレス保温水筒を用意しておけば、水を持ち運ぶだけでなく作ったお湯を保管することもできます。mkettleの容量は満水でだいたい530mlということで500mlくらいを入れたのですが、やはりというか沸騰して一気に吹きこぼれてしまいました(下の写真)。

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 吹きこぼさないためには少々水を少なめにすべきで、カップラーメン用なら400ml程度からが妥当でしょう。ちなみに500mlほぼ満水の状態で風の影響のない場所で試したところ、だいたい8分ぐらいで沸騰しました(アルコール燃料はだいたい20ml+αぐらいだと思いますがこれで残りませんでした)。ただこれでは、言うほどそんなに早く沸騰しないのではないかと思い(^^;)、今回使用したトランギアのアルコールストーブの火力調整蓋を底に敷いてかさ上げをし、炎をよりケトルの部分に近づけて同じく500mlの水を沸騰させたところ、より炎が筒の上から立ち上るようになり、沸騰時間も6分30秒くらいまで短縮されました。トランギアよりも火力が強い、エバニューのチタンアルコールストーブならさらに沸騰時間が短縮できるのかも知れませんが、よく燃える分アルコール燃料を消費してしまいますし、本体以外のフタや火力調整蓋は元から付属しないのも残念です。実際は400mlぐらいを沸かすことがほとんどだと思うので、とりあえずはトランギアとのセットで使っていきたいと思っています。

 この他、青色の固形燃料も使えますし、小枝や松ぼっくりを燃やすという本来の使い方の方が炎が大きくなるので早くお湯が沸くことが予想されますが、ススや燃えカスが出ることで後片付けが大変になるということを考えると、燃焼して蒸発するだけのアルコール燃料での利用も捨てがたいものがあります。小さくまとめて持ち出せることから、防災用のリュックの中に入れておけばどんな環境でも水から湯を沸かせるこのセットの有用性は高いと思っています。バイクでのツーリングのお供にもこうした小さくまとまったセットはありがたいものですから、普段は趣味的に使いながらいざという時に備えるという使い方もありでしょう。まだ取り扱い店舗が限られるのが残念ですが、意外と拡張性もあるのでこれからもう少しいじりながら湯沸し以外の使い方についてもその方法を探っていきたいと思っています。


スマートフォンとタブレットで通信手段を分けるべきか?

 前回紹介したNTTdocomoの回線を利用したServersMan SIM 3G 100は、月額490円と格安のかわりにノーマルのままでは時間帯によって少々待たされてしまうような速度しか出ないため、多くの方が高速クーポンを利用しながら使っていかれるのだろうと思います。私の場合はこと普段使いのスピードについては以前から使っているIIJmioで不満な点はありませんでしたが、あえて安く持てるということで今はServersMan SIM 3G 100のカードをスマートフォンに入れてあります。

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 で、今まで使っていたIIJmioのSIMカードはどうしているかと言いますと、当初はSony Tablet Pに入れておいたのですが、ちょっとした情報収集やメールのやり取りにいちいち鞄から出して使うのもちょっとめんどくさく、常に身に付けているスマートフォンでした方が便利なんですね。それでもいざという時にSIMカードを直接差して通信できるメリットはありがたいですが、スマートフォンの通信環境は新たに構築したので、タブレットについては必要な時に取り出して通信できる環境を作っておけばいいということに気付いたので、これからはドコモのL-09CというモバイルWi-Fiルーター(写真右)にこれからは入れて使うことにしようと思っています。

 基本的には外でのメールのやりとりやちょっとした調べものについてはスマートフォンに入れたServersMan SIM 3G 100の低速回線で行ない、スピードに不満が出てもう少しストレスなくネット接続したい場合や、スマートフォン以外の端末、具体的にはパソコンやタブレット端末、通信カードを付けたポメラやiPod touch、携帯電話(私の使っているauの携帯電話ではWi-Fi通信によるネット接続が可能なプランに加入しています)などでネットしたい場合にはルーターの電源を入れてすぐに使える状況を作っています。

 この方法のメリットとしては、今後ますます安く提供されるであろうタブレットタイプのWi-Fi通信機能を搭載しているハードを増やしていっても、どれも同じようにストレスなくデータ通信が行なえるということです。もちろん最初から紹介しているように、常時通信が必要なメール送受信やカーナビとしての端末利用についてはServersMan SIM 3G 100を入れたスマートフォンに集約してありますので、その点にもぬかりはありません(^^)。

 こういうやり方ですと、かかる費用につきましてはSIMカード2枚で1,500円程度とそんなにたいそうな負担ではありません。また、どうしても高速通信が必要な場合はServersMan SIM 3G 100の追加クーポンを使うパターンになるでしょう。ちなみに、高速通信の切り替えについてはスマートフォンのアプリ以外でも変更できるので、他のデータ通信端末でも切り替えて使うことができます。当然その分の負担は出ますがほとんどの場合はこれで十分ではないかと思います。

 ひとつこのやり方で問題なのは、私の使っているL-09CというモバイルWi-Fiルータは、クロッシィのSIMしか使えないためServersMan SIM 3G 100のカードを使えないことです。特にServersMan SIM 3G 100の高速サービスをWi-Fiで使いたいと思われる場合はFOMAもクロッシィも両方使えるタイプの製品を手に入れる必要がありますので、機材をそろえる場合はその点にご注意ください。さらに、無線ルータの機種によっては扱えるSIMカードの種類も違う場合があります。L-09Cは標準SIMですが、後継機のL-04DはFOMAとクロッシィ両方で使えるもののmicroSIMになりますのでL-04Dの方を使おうと思っている方は、導入する際はmicroSIMの形態で入手するようにしないとそのままでは使えませんのでご注意のほどを。


DTIの月490円SIM ServersMan SIM 3G 100 の速度比較

 今までスマートフォンで使っていたIIJmioのSIMカード(携帯電話に入っているデータ通信専用のカード)をタブレット端末やモバイルWi-Fiルータに差すようになり、以前のようにスマートフォンを常にネットにつなげておくことが不可能になり、結構不便な場面があったため、ここでおよそ月額490円をプラスしてServersMan SIM 3G 100を契約してみることにしました。

 事前のリサーチにより、時間によっては接続スピードがかなり落ちるということは理解した上での購入だったので、スマートフォン単体でウェブ接続をする場合のストレスの増加は覚悟の上でしたが、実際にスピードを計ってみるとIIJmioとの差は歴然でした。

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 アンドロイドアプリの「speed test」を使い夕方の5時過ぎに計ってみたところ、写真のような結果になりました。30kbps台ということで、ブラウザを使ったネット接続にもかなり待たされる印象です。ただ、翌日の午前中に改めて計ったところ60kbps台くらいは出ていてストレスはかなり軽減されます。メール通知やカーナビなどの動作には以前の日本通信のイオンプランで出ていたスピードに近く、それでも使えていたこともあり、そちらの方は問題ありません。

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 ちなみに、IIJmioは同じ夕方の時間でどのくらいのスピードが出るのか試してみたのですが、SIMの入れ替えだけだとせっかくのLTE通信が使えないためLTEをサポートするWi-Fiルータからの接続(エリアもLTE圏内)の値が上記画像になります。240kbpsを安定して出しているということで、DTIのノーマルの速度と比べるとおよそ6倍のダウンロード速度になります。LTE対応のスマートフォンに差して使う場合は対応エリア内ならこの程度は出ると思います。そうでない3G接続の場合でも200kbps弱は出ている印象ですので、アプリダウンロードを除いて他のネット接続による操作についてストレスを感じることは私の場合ほとんどありませんでした。

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 そうはいっても、こちらの契約にもメリットはあります。ServersMan SIM 3G 100をメインで使おうと思っている方は専用アプリ「ServersMan SIM 3G Unlimited」を導入すれば、100MBごとの高速アクセスが可能なチャージ料金が263円となり(500MB 1GBも有)、高速通信か通常の低速通信かはアプリケーションやウェブからの操作で切り替えられます(ただし同時に使う場合の人数制限があるようです)。高速通信を申し込んだ期限は普段は低速通信で我慢しておいて、必要な時だけ高速通信を利用するようにすれば、使い方にもよりますが高速通信での利用を混ぜても月々の利用額はIIJmioよりも安く上げることもできるでしょう。

 ただ、せめて通常時の低速接続でも最低60kbpsくらいは出てくれればいいのですが、現状ではそうなっていないので、docomoの携帯電話網しかつながらない状況で高速通信をする必要が生じたような緊急時に高速通信を使うような感じで私は考えることにします。感覚で言えば、普段ある程度スマートフォンを使ったネット通信を行なうならIIJmio、とりあえずGmailのメールチェックをするくらいで、何かあった時のためだけに使おうと思っている場合はServersMan SIM 3G 100というような感じになるでしょうが、利用する状況によって状況は変わってきますので、スマートフォンの利用状況および高速通信利用の是非について十分に検討してから申し込むことをおすすめします。


キングジム ポメラDM100 その10 あえてiPod touch とコラボする

 先日のアップデートで無線LANを利用したアップロード機能(東芝のFlashAir利用)が実装されたポメラDM100ですが、おそらくポメラ本体の電池の残り具合にもよるのかも知れませんが、電池残量が厳しい状況になると私の自宅ではWi-Fiルータとなかなか接続しないことが起こります。今できるネット接続の方法はカード側に入れたデータファイルをEvernoteに飛ばすだけということを考えると、予備電池の準備がないような時にはQRコードで何とか分割できる程度の文章量の移動なら、簡単にポメラからスマートフォン経由でデータのやり取りをする方法について別の方法も考えておきたいところです。

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 その場合スマートフォンの種類によって状況が変わってしまうことを知っておいた方がいいでしょう。というのも、同じスマートフォンでもiPhone系かandroid系でデータ移動の方法については相当違います。それは、キングジムがiOS用のみにポメラ用のアプリをリリースしているのです。このアプリではQRコードを連続で読み込んで、ポメラで作ったテキストデータを簡単にiPhoneに取り込めるだけでなく、メールやメモ帳に簡単に貼り付けられます。さらにEvernoteやツイッター(連続投稿機能あり)にも直接アップロードできるのです。ですから、iPhoneをポメラと組み合わせれば、少ない文章量の移動だけならあえてFlashAirを購入する必要もないのですが、androidの端末しか持っていない場合はそれなりの対策が必要になります。あえてポメラが生成したQRコードをまとめて読み込むためには、アプリの「連続バーコードリーダー」というような分割されたQRコードを読み取ってくれるものを使えば一応テキストデータとしてスマートフォン内に読み込むことはできます。しかし上記のiOS用の公式アプリと比べるとどうしても誤認識や先走っての別認識が多く発生し、結果として読み込まれたテキストデータを手直ししてからでないと私の場合二次利用が難しくなってしまいました。

 今回のアップデータによるFlashAirの利用ができるようになったことにより、androidのスマートフォンを使っていて、公式アプリがなくてもWi-Fiの環境があればスムーズにアップロードできるようになったわけですが、ちょっと考え方を変えることでデータ移動の新たな方法を利用することができます。android利用の方があえてFlashAirを使わずにデータのパソコンやスマートフォンへの移動をするために、同じくWi-Fiルータを効果的に使うものの、ポメラとandroid系端末やパソコンとの間にiPod touchを利用するというパターンです。

 私の持っているiPod touchは第四世代のもので、裏面にカメラが付くようになりましたがその性能は約70万画素とそれほど高くなく、オートフォーカスも搭載されていないようです。ポメラのアプリ説明にも認識しづらい場合があるかも知れないという注意書きがあり、果たして高精度を誇るポメラ公式アプリの読み取り精度が保てるのか不安ではありました。しかし実際に使ってみたら実に確実にQRコードの内容を連続読み取りすることができたのです。そうやっていったんiPod touchに導入しておいて、Wi-FiルータにiPod touchをつなげればメールでも直接でもアップロードは簡単です。Wi-Fiの感度はやはりというか乾電池駆動のFlashAirよりもiPod touchの方が安定してネット接続ができる感じなので、個人的にはむしろこちらのパターンの方が簡単にandroid系端末に移動させたり、直接ブログアップなどが簡単にできますね。

 ただ、もちろん単三のニッケル水素電池のみでネット接続ができるポメラ自体の機能は他にはまねできないものであり、その点は高く評価しています。便利なiPod touchも充電池が切れてしまえばそれまでです。いざという時は外出でアルカリ電池や充電済みのニッケル水素電池を購入すれば通信もできるわけですから。さらに今のところ私はブログ更新に使う程度の長さの文くらいで収まっていますが、小説や論文などQRコードで分割する気も起こらないほどのデータ量の文章を日常的にやりとりする場合には、FlashAirでアップロードした方が簡単ではあります。

 個人的には、キングジムがandroid用の公式QRコード読み取りアプリを出してくれればあえてiPod touchを買い足す必要がないので簡単にいろいろできて嬉しいのですが、iPhoneに興味があっても機種変更できない方でiOSで動くアプリも使ってみたいというならばこの組み合わせも作っておいて損はないでしょう。androidを使っている方がポメラとiPod touchとのコラボをするのは、意外と便利に使えるのでおすすめですよ(^^)。