将来の電気自動車よりも現実的な車は?

 一昨日の夜のニュース、日本テレビ系列のNEWS ZEROを見ていたら、最初の方で三菱自動車とGSユアサが共同で車載用のリチウムイオン電池の工場を3月から本格稼動するという内容をかなり大きく報じていました。三菱自動車はハイブリッドではなく電気自動車を多く作っていて、そのための量産化が必要ということなのでしょうが、リチウムイオン電池をいくら大量生産してもどこでどの程度充電ができるかというインフラの整備が進まない限り、近所で乗り回す程度の車でしかないわけで、輝かしい未来の車を目指すためにはもう少し時間がかかるのではないかと少々冷めた目で見ていました。

 電気自動車にしてもハイブリッド車にしても、一般消費者が企業や政府の行なう壮大な未来に向けての実験に自腹を切って協力するという図式はまだまだ変わらないでしょう。そうした状況を冷静に見たいと思う私としては、同日のニュースで流れたマツダが出した新型車のニュースの方が興味がありました。昨日の新聞ではこの2つのニュースが並列に報道されていたのですが、テレビのニュースではカットされていたのが残念でした。まあテレビ局も商売ですから、日本経済のためにより多くの人がお金を使ってくれるようなニュースを優先して流しているのかも知れませんが、なけなしのお金をはたくなら、今回のマツダが出した車のような別のアプローチのエコカーを見てみるのも無駄ではないでしょう。

 今回マツダが発表したCX-5は、スポーツ用多目的車ですが、電気自動車でもハイブリッドでもないエコカーをコンセプトに開発された車で、特に2.2リットルディーゼルエンジンが興味をひきます。JC08モード燃費で、2WD(FF)で18.6km/L、4WDでも18km/Lというカタログ値はかなり頑張っている印象です。アイドリング時のエンジン音や室内空間の広さががどの程度かというのは実際に物を見てみないとわかりませんが、ガソリン車程度の静かさで、力もあって燃費もいいなら、将来このエンジンをMPVやかつて車中泊カーとして今もユーザーの多いオートフリートップの付いたボンゴフレンディのような車に載せてくれたら、日常の用途でも十分に使える車中泊カーとしてかなり注目されるのではないでしょうか。

 今後、電気自動車の画期的な充電方法が実用化し、今のガソリンスタンドの数くらい充電スタンドが整備されるようになるにはどのくらいかかるのかという事はちょっと自分には判断できませんが、今の技術ではまだまだではないかと私は思っています。もし車載用バッテリーをカートリッジタイプにして、日本で動いている電気自動車共通で使えるようにしたら、今あるガソリンスタンドで交換するような方法で使えることになるので、ガソリンやディーゼルエンジン車の代替として長距離走行も可能かも知れません。しかしバッテリーのリサイクルのためにカートリッジの交換にどのくらいお金がかかるか私自身把握できないということもあり、そもそも日本メーカーが電池を共通化できるのかといった問題もあるので、私は現時点では車中泊用途の電気自動車の購入はあり得ないと思っています。でも、電気自動車が日本国内なら今のガソリンエンジンの車なみにどこでも急速充電ができるようになれば、車内で家電製品を使いつつ車中泊なんてことが現実味を帯びてきますので、全く期待をしていないかといったら嘘になります。今回紹介したクリーンディーゼルエンジンを搭載した車は、そうした未来の車を私たちが使うまでの橋渡し的な車としてその役割をになっていってくれればと思う次第です。


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