太陽電池との付き合い方 その2 GOAL ZERO Guide 10 Plus Adventure Kit を中心に

 太陽電池からの充電というのはすぐに電気を使いたいと思われている人には向きませんが、充電池を数多く用意することで何とか実用になります。前回のミニマム構成であっても、充電された多くのエネループなどのニッケル水素電池をかなりの数持っていれば、それらを消費している間に充電できればいいわけですし。それでも、スマートフォンや一部のタブレット端末の充電がしたい時には、単三2本ではUSB出力は5V500mAとなり、少々充電するにはきびしいものがあります。少なくとも単三4本を充電し、5V1Aでの出力できるモバイルバッテリーが使えたらスマートフォンも自然エネルギーだけで使えます。こうした私のニーズに合ったもので、それなりに実用になりそうだと思ったものがGOAL ZEROというアメリカのメーカーのGuide 10 Plus Adventure Kitです。

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 この発電セットは折りたたんで収納できるようにコンパクトにまとまっていますが、太陽光パネルは最大7Wで、Guide 10 Plusという単三および単四電池を4本単位で充電し、5V1Aで出力できるポータブルバッテリー兼用のものが付いています。ケーブルもGuide 10 Plusと繋げられるものの他、USB出力用のものと、車のシガレットアダプターに繋げられる12Vのコードが付属しています。

 実際に使ってみて気付いたのは、USB端子やや12Vでの出力の場合はパネルに直接日光が当たるような状況で使わないと外付けした機器を動かすぐらいの電力が発生しないような感じなので、そうした状態では充電が開始されないということです。ですから、スマートフォンなどをUSB経由で直接パネルにつなげて充電しようとする場合は、日が陰ってきたりした場合はそこで充電が中断する場合が多いです。それでも、Guide 10 Plusで単三電池を充電する場合は多少の曇り空でも少しではありますが充電はできているようですので、天候が悪い場合や走行中にも充電したい場合、パネル自体を時間の経過とともに太陽の方向に動かすことができないような場合は他の機器を直接繋がないで、Guide 10 Plusを繋いだままにしておき、基本的にはこのセットではニッケル水素電池を充電した方が良さそうです。

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 その上で、効率的に充電を続けるために、Guide 10 Plusとは別に5V1Aで出力できる単三4本用のバッテリーチャージャーを別に用意しておき、外部機器への充電については、写真のように用意した別のポータブルバッテリーで行うことをおすすめしておきます。そうすれば、充電の終わった電池を給電用に使いながら、常に太陽電池で発生する電気をGuide 10 Plusを使って新しい電池に溜め込むことができます。写真ではリチウムイオン電池のエネループモバイルブースターを単三4本のバッテリーで充電しているのですが、充電のペースが機器での電力消費量を上回った場合はこんな風に蓄電していけば、いざというときの電気切れを心配することもないのでおすすめです。逆に、すぐにリチウムイオン電池に給電するために充電するのなら、あえて高性能のエネループなどの電池を使う必要もないかも知れません。使い古しでも性能が維持できているならば、そうした電池の流用でもいいのでないでしょうか。このセットには充電池は付属しませんので、どういった電池を使うのかは充電した後どうするかによって変わってくるといえます。充電した電池自体を使うならエネループ系の自然放電しにくく、使う前に継ぎ足し充電に対応したものの方が使いやすいですし、すぐに別のバッテリーに充電してしまうのなら通常のタイプのニッケル水素電池でもいいのではないかと思います。

 今回紹介したGuide 10 Plus Adventure Kitの太陽光パネルは様々な状況でも充電を続けられることが特徴の一つです。使い方のパターンについて紹介していきますと、まずは車中泊の旅では普通に使える、車のダッシュボードに設置する方法です。これはガラス越しになるため発電効率は落ちますが、天候が急変しても雨に濡らす心配はありません。

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 また、家の中でも写真のように上からぶら下げて充電するというやり方も使えます。この写真ではサッシを閉めていますが、効率を上げるためには物干し竿にでもぶら下げておくのがいいかなと思われます。

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 さらに、この製品はカラビナなどを利用することで、リュックに取り付けられるようになっていますので、パネルの部分がうまく太陽に当たるようにリュックに縛るなり取り付けるなどして、歩きながらの移動中に充電するような使い方もできます。このようにさまざまなシチュエーションで充電できるのがこの製品の強みですが、改めて書きますがパソコンのような消費電力のものを充電できるだけのパワーはありません。基本は5V1AでUSB経由で充電できる、スマートフォンやタブレット端末の充電までならかなりの威力を発揮します。また、単三や単四電池を充電できることから、それらの電池を使用する製品を使うようにするなど一緒に持って行く携行品を工夫することによって、自分のためだけではなく他の人のために携帯電話用の充電を行なわせるくらいの電力は確保できるでしょう。
外での充電方法としては手回しなどのダイナモを回して発電する方法や、温度差を利用した発電の方法があり、先日紹介したような発電鍋や発電できる焚き火台のような魅力的な製品もありますが、静かで力もいらず、危険性も少ない太陽光パネルでの充電は天候の具合にもよりますが、車で移動しながらの旅にはぴったりのような気がします。

 とりあえずこれ以上の規模を持つ太陽電池パネルについては、今のところ導入する予定はありませんが、私のような普通の軽自動車でも設置できるようなパネルが安く提供されるようになれば、それこそ車の中で家電が使えるくらいの事もできるようになるかも知れません。ただ、太陽光発電を車中泊の旅で利用しようとする際の問題は、太陽電池パネルというよりも電気をためる蓄電池の方にもあると言えます。繰り返しの充放電に強く、今までのものより小型で持ち運びも簡単な家庭用の高容量充電池が登場してくればいいのですが、それまでは規模は相当小さいながら、とり回しがしやすく応用範囲の広い単三型電池の充電で頑張ろうと思っています(^^)。


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