「Google パーソンファインダー」に安否情報を登録する

 もし自分の回りで未曾有の大災害が起きた場合、いかに心の不安を取り除き、冷静に行動できるかというのがポイントになってくるような気がします。これはあくまで個人的な見解ですが、災害直後の身体的被害を何とか回避でき、自分で自由に動ける状況になった場合、自分や自分の家族・友人だけのためでなく、回りにいる人たちのために何らかの行動を取る方が自分の精神状況も安定しやすいのではないかと思います。

 このブログはモバイル機器関連について紹介していますので、携帯電話の基地局が生きていて、何とかスマートフォンやタブレット端末を現場で使える場合、何か人の役に立てることはないかと考えると、やはり肝心な情報発信についてその役割を担う方法がいいだろうという事で、今回提案してみたいと思います。

 携帯電話やスマートフォンを使った携帯電話会社ごとにある「災害伝言板」は、Wi-Fi経由では使えないことがあるばかりでなく、広く安否情報を見たい人に見せることができにくい側面も持っています。被災者にはそもそも携帯電話を持っていない人もいるわけで、特に被災地から離れた人に向けて、「誰々は今こんな状態で元気です」といったメッセージを出すための方法として「Google パーソンファインダー」というGoogleのサービスを使うのをおすすめしたいと思うのです。

http://google.org/personfinder/japan

 まずは上のリンクにアクセスしてこのページをブックマークしてみてください。現在は体験版のサービスが提供されていますので、興味のある方は実際に安否情報の入力を試してみてください。スマートフォンを使うと、本人の了解を得た上で聞き取りを行ない、顔写真もアップロードできたりなどかなり詳しく情報を登録できます。先日のニュースで、このGoogle パーソンファインダーと、NTT東西地域会社やNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなど主要通信事業者とNHK、東京都など、10以上の企業・公的団体が安否情報や災害伝言板の情報を集約させる取り決めを結んでいる「J-anpi」(http://anpi.jp/top)が連携し、広く入力した情報を拡散させることができるようになったとのことです。体験版で試してみたところ、Google パーソンファインダーに入力したら、そのデータもJ-anpiで情報の検索が可能になりました(名前で検索する場合、姓と名の間にスペースを空けないとだめでした)。

 いったん聞き取りをした人についてはその人の状況が書かれたページが作られるので、例えばすでにだれかの手によって情報がアップロードされている場合でも、新たな状況の変化(登録されている地点から別の場所に移動したとか健康状態に変化があったなど)を入力すれば、もしその方の身内の方がこのページを発見したら、新たなメッセージが入力された場合に特定のメールアドレスに内容を送信する設定もあるので、必要な所にリアルタイムで情報を送ることができます。聞き取りをした方の名前を聞いたら、そのお名前で検索してみて、ページが見付かればデータ入力の作業を軽減できます。

 また、災害が発生してこのシステムが動いた場合、携帯電話で使える受信専用のSMS番号がGoogleから発表されることになっているそうです。その番号に検索したい人の名前を入れたメッセージ(SMSとはショートメールのことです)を送信すると、入力された安否情報を携帯電話でも受信できるそうです。恐らく、携帯電話が被災地で使える状況の中、この番号は各々の避難所で発表されていると思いますので、携帯電話だけ持っている人で操作ができない人でも、回りの人の協力があれば登録されている情報を見ることができるようになります。そうなると、できるだけ多くの安否情報をどのように入力できるかが災害が大きくなればなるほど鍵になってくると思います。

 少なくともこのブログを読まれた方々がこうしたシステムがあることをわかっていただければ、自分の回りにいる人の聞き取りを実施し、地道に情報を増やしていくことができるでしょう。当然他にスマートフォンを使える人がいたら登録方法を説明し、情報提供者を増やすことも可能です。そう考えると災害時にいかに長時間スマートフォンを使えるようにしておくかということも大事になってきます。というわけで、次回は長時間使用の鍵となるモバイルバッテリーについて紹介する予定です。


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