100・106・108通話サービス終了後の対策

 表題の3ケタの番号は、固定電話から使えていたサービスの数々で、100とはオペレーターを通して相手先に繋いでもらい、通話終了後に料金を通知してくれるサービス。106は同じくオペレーターを通し、相手側が料金の支払いを承諾した場合に限り繋いでくれるコレクトコールのサービス。108はコレクトコールをオペレーターを通さず自動音声で行なうオートコレクトコールです。これらのサービスが2015年7月いっぱいで終了するという事がニュースになっていたのですが、これを読んでいる人の中にはすでにこれらのサービスを使うことができない方が多くいらっしゃることが予想されます。というのも、これらのサービスは「ひかり電話」からはすでに使えなくなっているのです。

 固定電話回線の契約減少が続く中、少しでもコストを抑えるために、将来のメタル回線(昔からある電話回線)を全廃するための布石とも取れますが、今の時代にはほとんど使われることのないサービスである事も確かです。しかし、少なくとも公衆電話からはこれらのサービスが使えないと、ごく少数ではありますが深刻な問題に発展する可能性もなくはありません。

 まだ個人で携帯電話を持てない頃、親元を離れて暮らす学生が実家にお金や食料を送って欲しいと頼む場合、コレクトコールは良く利用されていたように思います。今の世の中では携帯電話があり、そこから発信さえできれば、いわゆるワンコール切りならコールバックをするという風に決めておけば、最初にコールした方には料金をかけずに連絡が取り合えます。ただし、固定も携帯も料金未納で止められていたり、最初から電話を持っていない(当然持てない場合も含まれます)場合は今後に向けて、緊急の連絡が必要な場合、どう親元や親戚などと連絡を取るかという事について考えなければならないでしょう。

 また、災害などで車の中から取るものもとりあえず逃げ出してきた場合や、旅先で携帯電話を落としてしまったり、全てのものが入ったカバンを車の中に残したままインキーをしてしまった場合など、どうして外部と連絡を取ればいいのかというのも車で旅をする際には考えておいた方がいいでしょう。今までは十円玉を数枚ポケットの中に入れておいて、いざという時には家族にコレクトコールを公衆電話からすれば何とかなった場面も、今後はどこに電話を掛ければいいのかわからなくなってしまうかも知れません。

 まず考えられるのが怪我があるようなら消防を、生活の困窮を含むにっちもさっちも行かない状況に陥った場合には110番をしてしまうという方法です。しかし、これらの番号には日夜多くの通報があるためか、緊急性を要しないと先方に判断された場合にはこちらで望んでいるようなサービスを受けることは難しいかも知れません。客観的に見て救援が必要な事例でさえも、以前あった事件で、山形大学の学生さんが119番に助けを求めたものの救急車は出動せず、電話を掛けた学生さんが通報をした部屋で亡くなってしまうという惨劇がつい先日起こっています。この方法はあくまで緊急避難的な方法ではありますが、公衆電話のボタンを押せばお金もいらずに通報できるというものでもあるので、ご自身でどうしても必要だと思えば、何回も掛け続けることが必要な場合は出てくると思います。

 そこまでの生命の危険を感じない場合には、いわゆる「フリーダイヤル」を活用するという方法があります。私の住んでいる静岡の場合、電話帳の中にある「くらしの情報ページ」に「いのちにかかわる相談」という項目があります。その中でフリーダイヤルを設定してくれているところになら10円や100円など、公衆電話に入る硬貨があれば掛けられます。また、車のトラブルの際、私の加入しているJAFへの通報は有料なのですが、加入している自動車保険のロードサービスはフリーダイヤルの番号で、保険会社経由でJAFを呼んでもらうこともできるようになっています。特に旅先では何があるかわかりませんから、お守り代わりに10円玉と、必要な際に掛けられるフリーダイヤルを複数メモしておいたものを一緒に持っておくと、万万が一の時でも公衆電話さえ見付かれば連絡は取れるようになるでしょう。フリーダイヤルを提供してくれている企業さんや団体さんにとってはお金と手間が以前よりかかってしまうことになるのですが、これも緊急の場合には躊躇せずに掛けることが自分の身を救うことになりますので、勇気を出して掛けることが大事だと思います。

 しかし、肝心の公衆電話自体も携帯電話の普及によって減っている現状もあるわけで。個人的にはせめて、鉄道や道の駅、公共の施設には置き続けて欲しいものであります。

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