新東名高速道路が開通した際の目玉は、道路そのものというよりも一般道からも利用できる大規模なSAPAだったのではないかと思います。多くの利用者が高速道路よりもSAの方に押しよせ、観光地化しているのはご存知の通りですが、その裏で、従来のドライブイン的な施設から新しいサービスを始めるため、参入を模索する業者の苦労は並ではなかったと思われます。
知っておられる方は知っていると思いますが、2014年3月21日から、土日祝日限定の営業ではありますが、東名高速道路の浜名湖SA(施設は上下どちらからでも利用可能)において、午前9時から午後3時まで、浜名湖観光の遊覧船が出ています(約20分の周遊で一般千円、4才~小学生まで500円)。現在浜松市で開かれている「浜名湖花博2014」に合わせてのものですが、これが実現するまでには大変だったようです。
まず、誰もが気にすると思うのですが、遊覧船や食事のためにSAに入る車が増えることで、一般の通行車がSAの駐車場に入れなくならないのかということですが、この点については昨年に社会実験を行ない、ゴールデンウィークでも駐車場に余裕があることが確認され、他の様々な問題もクリアして今回の就航にこぎつけたとのこと。
今後は大型の遊覧船を導入することによってSAから浜名湖遊覧というパターンを広く認知させたいということらしいですが、こういった試みが全国で広まっていくと、逆に高速道路から降りないで周辺の観光地を見たと通過していく人も増えていくような気もします。また、高速料金の値上げの影響によって、そもそも遠方からわざわざ高速道路を乗り継いでやってくる観光客もどうなるのかわからないということもあり、今回の浜名湖SAの取り分みがどんな効果を観光に及ぼすのか気になりますね。そして、過去の社会実験で駐車スペースに空きがあったとしても、今後こうした情報がテレビなどで拡散されることによって多くの車が駐車場に押し寄せ、トイレ休憩が取れないような状況になってしまうことは本当にないのかということも気になります。SAPAを人の集まる場所にすることは観光振興にとって大切なことかも知れませんが、特にSAPAから車が溢れるほど流入するハイシーズンに車が入れないような状況にならないよう配慮いただきたいものです。