高速周遊チケットの充実を!

 以前と比べて高速道路上のサービスエリアが変わったなと思うことの一つに、外から入って高速道路上の施設を使えたり、逆に隣接する施設を高速道路に車を置いたまま利用できるところが増えたことがあります。今回、東名高速のパーキングエリアを主に使いましたが、スマートインターチェンジがない小さなところでも人の出入りができる(業者のみということでなく一般の人でも行き来できる)出入口が設置されているところが意外と多いのにはびっくりしました。

 以前新潟へ出掛けた時、上信越自動車道の新井パーキングエリアで休憩を取ったのですが、ここは「道の駅あらい」に隣接していて、その施設をまるまる使うことができます。パーキングエリアの設備は最低限のものですが、道の駅の方には直売所やみやげ物、食事処や近くにはホテルまであります。このように高速道路上にいながらにして近くの商業施設を利用できるというのは利用する側からすれば実に好ましいことで、将来的にこうした感じで高速道路会社は考えているのかなと思ったのですが、今回の旅ではこんな事もありました。

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 写真の張り紙は東名高速の遠州豊田PA上りにあるコンビニエンスストアのところに張ってあったものです。行かれた方はわかると思いますが、大型ショッピングモールの「ららぽーと」がすぐ前にあり、スマートインターチェンジから出ればすぐにららぽーとの駐車場に入ることができます。しかし、写真のようにパーキングエリア内に車を停めて徒歩で外に出ることはできなくなっています。高速道路を下りないでららぽーとに行く目的の人たちに利用されると駐車場の数が足りないということなのかも知れませんが、目の前に食事もできて買い物もできる施設がありながらいったん車で外に出ないと使えないというのは、実に切ないものです。ちなみに、反対側にある下りのパーキングエリアからは歩いて外に出られるようになっているそうですが、下りでできてどうして上りでできないのか不思議に思ってしまいます。

 民主党がすでに取り下げてしまった高速道路の無料化というのは、外から自由に乗り降りできることで、周辺の商店街やホテルにもお金を落とすようになるという地域振興のための政策という面もあったと思います。例えば、土地の名物がある場合、高速道路上で食べるのと、地元の名店まで行って食べるのとではやはり名店まで行く方がおいしくいただけるわけですし、車で旅行する方でETCを付けている方はおそらくほとんどの方はカーナビを付けていると思いますので、住所と電話番号さえわかればその場所まで迷わず行けるわけです。高速1,000円の政策というのは民主党がやったのではなく、その前の自民党が選挙対策としてやったものを引き継いだだけですので、結局のところ車の旅による地方活性化ができるのかという疑問にはっきりとした答えが出せないまま中途半端に幕が引かれてしまうことになります。

 大型商業施設を目前にして決してフェンスの外に人を出そうとしない高速道路会社の姿勢を考えるとき、いくら政治主導で高速道路を無料化しようとしたところで、最初からやる気がない人たちがいて、抵抗を示したのだろうなとも思います。そうした流れが実際のところ、食べるものや寝るところも車の中でできるようにして旅出つ人たちを増やす結果になるのでしょう。個人的には車中泊は個人的趣味でやっているので(^^;)、今後仕方なく車中泊するような方のために途中のインターで途中下車可能な高速道路の周遊チケットを作ってもらって(以前からあるものよりももう少し価格を安くし、利用条件を緩和してくれないと長距離の旅では使う気になれないと思います)、目的地に着く前でも宿泊は格安なビジネスホテルを利用することができるような旅の形態も認めていただければと思いますね。

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