電気自動車と自給自足生活

 昨日は朝に少々余裕があったのでテレビを見ていたら、テレビ朝日系列で放送されている情報番組「モーニングバード」のコーナーで興味ある自給自足の生活を行なっているグループを取材していました。山口県宇部市の「NPO法人 学生耕作隊」が行なっている「楠クリーン村」というのがそれで、主にお茶を売ることで資金を調達し、お米や野菜などの食料だけでなくエネルギーについても太陽光パネルを利用した発電でまかなっているとのこと。

 ここまでは非常にいい話なのですが、取材した局員の方が夜間でも普通に電気が使えるようにしたり、配達などに使う車の動力をまかなうためにアドバイスをしたという話からちょっとおかしな感じがしてきたのでした(^^;)。ちなみに、番組ホームページを見ると、以下の記述があります。

(引用ここから)
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電気エネルギーは太陽光パネルによってまかなっているそうですが、日没後の電気がこころもとないのが目下の悩みだといいます。番組では、昼間のうちに充電しておけば、“蓄電池”として夜間の電力をまかなえるという電気自動車を用いることを提案しました。
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(引用ここまで)

 この電気自動車はモーニングバードのウェブページ内に「楠クリーン村」と並列して紹介されている日産のリーフで、車両価格はおよそ300万円代です(ここから政府の補助金による割引あり)。しかし、これだけでは電気自動車に太陽光パネルから蓄電したり、家庭への給電はできないので、別途設備投資の必要が出てくるでしょう。取材の映像からは極力お金を使わずに手作りでやっている活動の様子が見えただけに、なぜそこだけまだ一般的に普及しているとは言い難い電気自動車をすすめるのか疑問に思いました。

 ある程度現金収入が見込めるならば車はガソリンを購入して動かせばいいでしょうし、てんぷら油の廃油でも動く車の導入という手もあります。どうしても多くの電気をためたい場合については、私はすでに現地で使っているようだった自動車用の鉛蓄電池を単に増やせばいいのではないかと思ってしまいます(^^;)。鉛蓄電池はリサイクルも充実していて、寿命も全うするまで使い切ったようなものでも専門業者に頼めば買い取ってくれますし、日常の電力として使うということならば自動車に積んでいるバッテリーと同じなので空にならないように気を付けながら使っていればそこそこの耐久性を見込めるのではないかと思います。

 また、300万以上のお金を掛けるなら周辺に小川などがあれば水車小屋を作って水力発電キットを導入すれば夜間も安定して発電できるでしょう。現状でリチウムイオンバッテリーの将来的な処理費用や交換費用の問題など、まだまだ普通の人たちが使うためには乗り越えなければならない問題はあると思います。電気自動車による蓄電システムというのは、停電時にも普段と同じ電気を使った生活を維持しつつ、未来のライフスタイルを一足先に体験したい方が主に導入しているものだろうと思いますので、現実的な自給自足を目指したNPO法人とはちょっと並び立たないのではないかと思ったわけです。

 以前のブログでも書きましたが、現状の電気自動車では周辺の買い物用途程度なら役に立つものの、長距離ドライブにはまだまだ解決しなければならない課題は山積しています。一回の充電時間が短く、半永久的に交換不要なキャパシタ(コンデンサ)が高容量になり、電気自動車用として使えるようになれば、私も本気でこういった蓄電生活の方法について検討したいと思っているのですが、まだしばらく時間がかかるのではないかと思います。それまでは格安で現実的な電力自給の方法を考えるのがまずは得策なのではないでしょうか。


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