適正な価格で買い物をするために その2 ブームによる一時的な高値への対策

 2014年のヒット商品としてだれもが知っているだろうと思うのが、テレビアニメの「妖怪ウォッチ」関連グッズに付いたプレミア価格でしょう。さまざまなキャラクターのメダルを腕時計型の玩具に挿入しての遊び方は、単なるメダルの収集だけでなくさまざまな遊び方ができ、室内だけではなく外でもいろいろ楽しめるという点で実に画期的で、子供の頃にこういうものがあればと思わせる完成度の高いものだと思っていました。しかし、あまりの人気ゆえに普通に買えなくなってしまったことで、プレミアム価格が付くようになってしまったのでした。

 こうした騒動は何も今年だけのことでなく、人気が沸騰して一時的な品切になったことで爆発することが多いと言えます。仮面ライダーの変身ベルトや、携帯ゲーム機などでも同じことが起こりました。この種の玩具にプレミア価格が付いてしまうのはいつ人気に火が付くかわからないため、初回出荷分は多く作らず、その売れ行きによって増産せざるを得ないおもちゃ業界の仕組みもありますが、使うためではなくて売るために安く(確実に定価以上で売れるなら定価販売も含む)買えるならいくらでも買ってしまう一部の人たちの動向によるところも大きいと言えます。

 プレミア価格を付けて売る人の狙いは、大人と比べて子供の物欲というのはすさまじいので、何とか子供の喜ぶ顔が見たいからとついお金を出してしまう大人の懐です。子供のお小遣いではとても手が出ない金額でも、大人がちょっとしたプレゼントとして出せる額をプレミア価格として付けている感じもするので、傍から見ているといい値を付けているなと思うのですが(^^;)、来年以降も新しいブームが起こった玩具については同じようにネット上では定価以上のプレミア価格で堂々と売られることが予想されます。細かいことを気にせず、すぐ買えるならお金は出すという人がいるならそれはそれでいいでしょう。ただ、国内の流通の中で店頭で出ている価格は明らかに安いわけですから、今後も続くであろう供給が間に合わなくて価格が上がってしまう品物に関する傾向と対策を私なりに考えてみました。

 まず、こんな状況になった根本的な原因について考えてみましょう。転売をねらって複数の品物を購入したり、何回も継続して同じものを買うような人が増えた裏には、おもちゃに限らず、人と人とのしがらみを排除するような量販店やインターネット販売の割合が増えたことと無関係ではないと思います。実際、今回の妖怪ウォッチのグッズについても、うちの家族の場合、何かあると優先して購入する昔ながらのおもちゃ屋さんと付き合いがあるのですが、そのおもちゃ屋さんのおじさんと仲がいいため、先日向こうの方から妖怪ウォッチグッズについて話を振られたりしました(^^;)。具体的には「DX妖怪ウォッチタイプ零式」が出たことで若干入手しやすくなった「DX妖怪ウォッチ」が定価販売できるとか、新しく出る妖怪メダルを買うならとっておいてあげるとかという話をされました。さすがに家族の中にも親戚にも妖怪ウォッチにはまっている人はいなかったので、欲しがっているお子さんがいる方に回してくれと断りましたが、やはり近所に顔見知りのお店があるなら、そのお店の人との関係をしっかりつなぐことは今の世の中でも大事だと思います。

 ただ、すでに回りには古いおもちゃ屋さんがないとか、引っ越してきて知り合いもいない場合には上の方法は使えないでしょう。その場合でも地道に購入する努力をすれば普通の値段で入手できる可能性は上がると思います。新聞のちらしで告知された開店前のショッピングセンターに並んで抽選を繰り返すのは、お子さんと一緒に出掛けることで、自分の力だけではどうにもならないことがあるのをお子さんに実感してもらう効果があるので当たる確率が低くても一回は子供さんと一緒に行っておいた方がいいと思います(^^;)。とは言っても毎週早起きして並ぶのも大変ですから、インターネットでプレミア価格情報を調べるのではなく、ネット通販で抽選販売を行なっている所(メーカーや各種家電量販店では特設サイトを設けて、抽選販売の申し込みをしています)には忘れずに応募したり、アマゾンなどのサイトで定価販売していないかどうかを連日チェックするなどの地道な活動でも案外手に入るものです。これも私の回りでの話ですが、入手困難な「DX妖怪ウォッチタイプ零式」を親戚の子供が持っていたのでどうしたのかと聞いたら、お友達の家族が一家総出で抽選販売の列に並んで抽選したら、何とお父さんだけでなくおじいさんも購入権を当ててしまったので1つ分けてもらったのだそうです(^^;)。待てば待つほど当たった時のうれしさは思い出に残るものだと思いますので、手に入れる困難さとともに、苦労して入手した時の嬉しさを感じることも含めて楽しめるようになればいいのではないかと思うのですけどね(^^)。

 さらに、こうした子供の喜ぶおもちゃはクリスマスシーズンをあてにして増産される傾向にあります。つい先日、全国にある家電量販店に平日に行ったところ、そうした増産効果が出たのか「DX妖怪ウォッチ」「DX妖怪ウォッチタイプ零式」が1人1個という限定ながら抽選でなく普通の価格で売られていました。増産体制が整い、欲しいと思っている子供に行き渡った段階でプレミア価格では売れなくなるわけですから、企業がクリスマスシーズンに向けて増産体制を整えてくれることを期待して待つというのも方法の一つです。

 この種の子供のおもちゃに関するプレミア価格での販売というのは、自分のためでなく人を喜ばすためにお金を出してしまう人がいる限りなくなることはないでしょう。その辺のことを理解した上で購入する事自体について言うべきことはありませんが、家計の負担がかかる時代でもありますし、プレミア価格で買うことについて、それが本当に子供にとっていいのかということも含め、当の子供をまじえて話し合ってみるのもこの年末年始の時期にはいいような気がします。定価の何倍もの金額で買うなら、その分別の物を買って欲しいと言われるかも知れませんし(^^;)。


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