軽自動車の規格が危ない?

 アメリカのいわゆるビッグ3と呼ばれるメーカーが、TPPに日本が参加するなら軽自動車の規格を廃止するよう日本との交渉で迫るべきだという意見を出したことがニュースになっています。アメリカのメーカーとしたら軽自動車という日本独自の規格が自分たちの車が日本で売れない原因だとでも言いたいのかも知れませんが、相当強引な意見だと思えてしまいます。

 なぜ私が軽自動車に乗っているかというと、車自体の小ささということもありますが税金や保険に優遇があり普通車と比べると安く維持できるからということも理由の一つです。そして、もし軽自動車の規格が廃止された場合、ビッグ3の思惑通りアメリカ車の日本での販売台数が増えるのかどうかということを考えると、これも全く的外れな思惑であると言わざるを得ません。もっとも、こういうことは十分理解の上日本のメーカーを挑発しているのかも知れませんね。とにかく、軽自動車という規格を廃止させさえすれば、今までのように売れ筋の車の中であえて軽自動車を選ぶメリットがなくなる可能性があります。そうなれば特に軽自動車に重点を置いて車を開発しているダイハツやスズキの経営にも影響が出てくるかも知れません。そこにアメリカビッグ3が入り込む余地があると計算し、日本市場というよりも東南アジアのマーケットを狙っているのではないかなんて、そうした思惑があってこそ軽自動車の規格廃止を働きかけているとの穿った見方もできます。

 元来、日本の道というのは広いところだけでなく大きな車では通行できないようなところも多くあります。そのために作られた軽自動車という規格が普通車に乗るような人にまで広がってきたのは、ひとゆえ日本の車の税金が高いということの裏返しであるような気がします。車は他の買い物と違い、購入時にはさまざまな税金がかかるようになっています。新車の購入時には取得税、車検時には重量税、年に1回の自動車税がどんな車にもかかるだけでなく、燃料としてのガソリンにまで本体価格に税金が上乗せされ、その合計額に消費税がかかるという事になっています。それが当り前と思っていればそんなものかで済んでしまうかも知れませんが、もし今の税金が半分になればどうなるかという風に考えてみると、私たちは車を持つことによってかなりの税金を負担していることがわかります。できれば税金の負担を少なくしたいと考える人は多いですし、複数の車を用意しなければならないところはなおさらですから、同じような大きさの車で4人までしか乗ることがなく、見てくれにこだわらないならば普通車のコンパクトカーよりも中古の軽自動車を選ぶというのは当然のような気がします。

 今後のTPP交渉によって軽自動車の規格が廃止されるようなことになった場合、今の軽自動車の税金を上げる方向に行ってしまうのかというのが、実は今後の事を考える中で重要なような気がします。日本政府が軽自動車のメーカーをアメリカの言いなりになって潰すような事はないとは思いますが、もし軽自動車の規格を廃止した場合でも、全メーカーが平等に競争できるように、バランスのいい800ccクラスの車の規格を作り、その税率を優遇するなどして、日本独自のコンパクトカーとして売り出せば、日本国内だけでなく世界中に売っていける燃費抜群のエコカーとなるのではないでしょうか。走りも燃費もいいミニキャンピングカーでも、この規格なら十分実現可能だと思いますし、そんな車が出てきたら個人的にも大変うれしいですね。

 しかしながらそれ以前の問題として、消費税の増税論議の中、今まである意味取られすぎの感じもある自動車ユーザーの税金をどうするのかということもしっかりと国会で議論していただきたいものです。建設費用を通行料で支払い終えたはずのルートにおける高速道路の無料化ができず、今までと同じ額の通行料を取るのなら、車に関する税金を下げるというのはある意味当然のような気もするのですが、いかがなものでしょうか。


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