このエントリーを書き終えてからすぐ読まない方もおられると思いますので、今回の内容を書こうと思いたったきっかけには人が殺傷された事件があります。というわけで、まずは事件の概略を説明します。
その事件の元というのは男女の感情のもつれで、以前交際していた男性の方が女性への暴力がひどいということで刑事事件となり、執行猶予の判決が出ていました。いわゆるストーカーとして警察に連絡済みでもあったらしいのですが、男性は女性のことが諦めきれず、引っ越して居場所を隠していた女性の住居を見付けて乗り込んできました。当然ながらその場で口論となり、2人は自宅から出て、女性の方が近くにあるホテルの事務所に逃げ込んだと言います。その時点で男性は凶器は持っていなかったのですが、女性が逃げ込んだ先に事務用品のはさみがあったので、そのはさみを手にして女性に対し凶行に及んだとのこと。つまり、普通の文房具店で売っているはさみであっても人を殺傷することのできる凶器になり得るということが実際の事件を通して明らかになってしまったのです。
私は車中泊のためというよりも防災用としてさまざまな品物を車の中に入れていますが、もし車中泊中に警察の方から職務質問を受けた時の事を考え、包丁だけでなく金属製の食事用のナイフも入れる事を控えています。文具のカッターナイフについても特別な用途を説明できないと、単に没収されるだけでは済まないかも知れません。以前にも書きましたが、銃刀法違反までかからない軽犯罪法違反にかかる小さなものでも、持つ必要がないのに持っていると最悪、職務質問をされた後で拘束される危険もありますので十分に注意をするのがいいと思います。
ただ、旅先でさまざまな物を買い足した場合、衣類などのタグを切りたいような場合ははさみの一つぐらい持っていたいものです。しかし、多くの人にとってはよもや人に向けて使うことなど考えられない文房具でも、それを凶器として使う事例が起こってしまったことで、今後はたとえ事務用のはさみであっても厳しく取り締まられてしまう事は想定していた方がいいでしょう。キャンピングカーを使っている方についても、旅行以外で車を使う際にはキッチンバサミを含めた刃物類は下ろしておき、出掛ける際にはすぐに取り出せないようにきちんとパッキングして持っていく方が無難です(その方がキャンプの自炊のみに使うと主張できるため)。もちろん私自身、こういったことで注意を受けたことはありませんが、普段の旅行では全く問題がなかったとしても、さまざまな要因が重なって不幸が続くようなことが起こる場合は出てきます。これから車中泊ならびに防災用として車に積む品物を選ぶ際には十分注意しましょう。