自己責任について考える

 今はそれほど言われなくなりましたが、小泉首相の時代に盛んに言われた言葉に「自己責任」があります。人様に頼らないで自分で最後まで責任を持とうという事で、特に無鉄砲な海外渡航について非難が集中しました。今回はその自己責任についての話ではなく、様々な製品にメーカーはどこまで責任を負わなくてはならないのかという事から出てきたユーザー側の自己責任について書いてみることにします。

 アメリカのような訴訟社会という所まで今の日本は行っていないとは思いますが、買ったものが壊れてしまったり、使ったことにより怪我をしたり最悪の場合死に至ったりした場合、責任の所在がどこにあるのかということでメーカーにクレームを入れる人の存在は常にあります。そうしたクレームに対応するため、メーカーはパッケージであったり取扱説明書に長々と注意事項を書き込んでいます。こうした注意事項を守って使用した場合に限り、メーカーは補償に応じるという事なのですが、では注意事項通りに使わないと必ず事故が起きるのかというと、なかなかそうも言い切れないところもあります。

 車中泊旅行のためのグッズとしてこれからの季節に持って行きたいと考えるものに、各種暖房器具やコンロ類がありますが、この種のものは狭い場所や換気の悪い場所での使用はメーカーによるとほぼ例外なく使用しないで下さいとなっています。それを無視して車内で使ったとしても直接とがめられる事はないと思いますが、実際に事故や火災が起こってしまったら話は違ってきます。メーカーの推奨する使い方を守っていないため、責任をメーカーに取らせることはできないでしょうし、他人や周辺の車などにも影響を与えてしまったとしたら、その責任は全て本人にふりかかってくることを覚悟しなければなりません。

 逆に考えると、ではそうした重大な事故さえ起こさなければいいのかという事にもなります。他の車も多く車中泊しているような場所で火を使うという事だけでも、最悪の状況が予想できてしまいますから、他の人や車を含む全ての責任を引き受ける事ができるならば使用するのもいいかと思いますが、はっきり言ってそんな風に責任を取ることができる方はなかなかいないのではないかと。どうしても使いたいと思われる場合は、確実な安全対策を講じるのはもちろんのこと、実際に粗相を起こしてしまっても回避が可能な場所で行なうなどの対策を十分試行した上で使用することが求められると思います。他人に影響がなくても、ご自身が怪我をしたり亡くなったとしたら、親族や友人の悲しみはいかばかりか、そんな事も考えながら安全な車中泊の旅をされていただきたいと私は思っています。


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