デジカメの世界は日進月歩とは言うものの、コンパクトデジカメの画質の進化というのは劇的に変わったわけでもなく、一昔前から比べると格段に進歩した感じのある、一眼レフレンズ交換式カメラの現在売られているモデルというのも、高機能ですが大きくて重かったりしてしまいます。
そんな中、日本のメーカーはコンパクトなレンズ交換式カメラをミラーレス方式で出するようになり、先陣を切ったパナソニック・オリンパスのマイクロフォーサーズ、ソニーと出して、最近ではペンタックスまで新たな機種を投入するという状況になってきました。ミラーレスのレンズ交換式カメラはその小ささから旅用のカメラとしておすすめであるとは思いますが、後付けの光学orEVFファインダーか液晶画面を見ながら撮影するスタイルというのは、コンパクトカメラの撮影手法そのものです。生まれて初めて出会ったカメラがデジカメで、背面液晶を見ながらの撮影が当り前だと思われている方が多いので、こうした製品について、私のように違和感を持つ方が少ないのだと思いますが、個人的にはファインダーを覗き、脇をしめ、レンズを通して広がる世界だけに集中するような撮影のできる一眼レフカメラも使い続けたいと思っています。
今回紹介するオリンパスのE-620はすでに店頭での販売は終了していますが、レンズを含めたシステムが他社の一眼レフカメラと比べると格段にコンパクトになるということで店頭販売終了時のぎりぎりで購入しました。元々、フィルムカメラでも同じオリンパスのOM-1を長く使っていまして、他社と比べて一回り小さいサイズの一眼レフの扱いに慣れていたということもあるのですが、こうしたコンパクトサイズの一眼レフカメラのシリーズが実質終了してしまったというのは実に残念です。
写真は、コンパクトカメラとレンズキットのレンズを付けたE-620とを比べてみたものですが、さすがにコンパクトカメラと比べてしまうと大きくてどっしりしています。ただ、自分の手の中にはすっぽりおさまり、持ち出すのにもそれほど心の負担にはなりません。
写真のバッグの中には本体にレンズキットの広角レンズを付けたもののほかに、ダブルズームキットの望遠レンズと、35mmマクロレンズが入っています。とりあえずこれだけ持って行けばほとんどの撮影に対応することができますし、車の中でもほとんど邪魔になりません。さすがに本体の基本性能は新しいものよりも劣ることは確かで、高感度撮影や動体撮影は他社のものと比べると一歩も二歩も見劣りしますが、趣味で撮影するレベルで、どうしても高感度撮影や動体を撮影しなければならないような状況にならない限りは、これで行こうと思っています。ちなみに、すでに外付けストロボは持っていて、室内で人物の撮影が予想される時にはストロボを持っていきますが、車中泊の旅で室内の撮影をする事はそうそうないですし、きれいな風景をコンパクトデジカメ以上の画質で撮影したい場合はこのセットで必要十分と言えます。
今の世の中は全体的に不景気で、特にデジカメというのは商品の周期が早く、値崩れも早いようです。各メーカーも、興味がある人たちのところには大体行き渡り、扱いが難しそうな一眼レフよりも、コンパクトカメラからのステップアップを目指す人たちに、単価の高い価格設定で売っていけるということで、ミラーレスのレンズ交換式カメラにシフトしていくのは仕方のないところがあります。ただ、こうしたカメラからステップアップする場合、大きくて重いシステムの一眼レフだけしかないというのは、特に女性の方にとっては大変ではないかと思ってしまいます。まだオリンパスが公式に通常のマイクロフォーサーズを投げ出すような事は言っていませんので、世の中の流れがミラーレスのカメラ一辺倒から変わっていき、その結果コンパクトタイプの一眼レフカメラの後継機が出ることを期待したいですね。