最強の非常用ラジオは作れないのか

 ソニーの業積は現状ではかなり悪いようで、人員削減の話も上がってきているみたいですが、その原因としてテレビ事業の赤字がかなりひびいているとか。今後はヒット作を目指して方向転換を図るという事ですが、考えてみると今私が使っているソニー製品はかろうじてデジカメがありますが、他社と比べるとそれほど差別化が図られているとは言い難いというのが実際のところです。

 個人的にはソニーには、エレクトロニクス分野での面白い物作りを期待したいのですが、どうやらそういう気はさらさらないようなので、今使っているラジオを大切に使いながら他のメーカーから魅力的な製品が出るのを待つしかなさそうです。

 実は昨日、たまたま無印良品の店舗を訪れる機会があったのですが、そこに災害用ラジオもありました。良くあるハンドル付きのダイナモラジオの隣に、イヤホン専用ながら裏面にソーラーパネルの付いたラジオがあったのでこれはなかなか面白いかなと思ったものの全くの期待はずれでした。というのも、ソーラーパネルやUSB経由で充電する電池というのが内蔵のリチウムイオン電池(恐らく交換不可)だったからです。

 製品レビューには停電時にも使えるとありますが、そのためには毎日マメに充電を繰り返さなければなりません。そうしているうちに内蔵電池は劣化してくると思いますので、最終的には電池交換より新しいものを買った方が安くなるからという事でごみになる運命にあります。こうした形のラジオが生産され続けるのは、災害による不安を煽る便乗商法と言ったら言い過ぎかも知れませんが、多くの人たちが防災ラジオという雰囲気を持った品物をこぞって購入するようなミスリードに引っかかっているのではないかと思えます。

 現状で防災ラジオを選ぶ場合、単三2本か単四2本で動くアナログ選局のポケットラジオを選ぶのが無難です。電池は使い捨てでないエネループなどの充電池を別に用意します。スピーカーからの連続動作時間が単三2本の場合は100時間以上を誇るものもありますので、当面はそれで何とかなりますし、どうしてもソーラーパネルで発電した電力でラジオを聴きたかったら別に単三や単四電池を充電するシステムを用意すればいいだけの話です。単三などの電池ならばラジオだけでなく別のライトなどにも使えますし、無印良品もソーラーパネルをラジオやライトの製品群に搭載するよりも、単三単四のニッケル水素電池が充電できるソーラーパネル付き充電器を出してくれればいいだけの話だと思うのですが。

 それと同時に、あの災害から1年以上経っても今だにこれなら使えると思われる防災ラジオがどこからも出て来ないというのにはがっかりしますね。今の家電メーカーの技術なら、ダイナモラジオの電源を電池ではなくキャパシタ(コンデンサー)にすることも可能なはずです。キャパシタは電池に比べると容量は少なく、一回の満充電で聴ける時間は少ないものの、半永久的に使えるという特徴があります。ハンドルを回しての充電はもちろんですが、小さなソーラーパネルでの充電でもそれなりにラジオが聞けるようになりますので、乾電池出力と併用すれは普段でも非常時でも何とか使うことができるでしょう。そして、ダイナモ出力で携帯電話を充電する場合の出力端子を汎用のUSBにするだけで携帯電話だけでなくスマートフォン(高出力のアダプターが必要なものは少々無理かも知れませんが)やゲーム機なども充電可能になるのです。その他USB経由での充電ができるものならケーブルさえあれば充電が可能になり、そうしたケーブルは100円ショップでそろえる事ができます。

 今挙げた機能を持つラジオは一部の機能を搭載したものは存在するものの、全部入りというのはなかなか出て来ないというのは、はっきり言ってメーカーの怠慢以外の何物でもないでしょう。目先の業績しか気にしないような日本の一流メーカーに期待するのは難しいかも知れませんが、もう少し本腰を入れてラジオを作るところが出てきてくれてもいいのになと思いますね。


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