これを書いているのは7月の終わりなのですが、なぜか6月の入梅のような集中豪雨が各地で起きるような変な天気になってしまっています。昨日の被害状況の中で、がけ崩れのために多くの車が立ち往生し、自力で脱出できなくなり夜を明かしたような事もあったようです。旅先で天候の急変に遭ったときには、できるだけ早めに危険な場所から避難することが最重要なのでしょうが、土地勘のないところで夜動くのは危険ということもあり、本当にまずくなったらできるだけ安全なところに停めて車の中でやり過ごすしかないのが現状でしょう。
実際に孤立した場所から脱出された方のインタビューで、車内に食べ物はあったものの、不安で喉を通らなかったという話が紹介されていました。安全が確保されない車の中で一夜を過ごすということは大変な事なのだと改めて思いましたが、夜の車内で過ごすための装備というのは車中泊をするしないに関わらず、用意しておいた方がいいのではないかとも思いました。
具体的には、車内全体を照らす電池式のランタンと、同じく電池式のポータブルラジオがあればとりあえず明るい中情報は常に入ってきます。ただ、人によってはこうした情報を聞き続けることによってさらに不安になってしまう方もいらっしゃるかも知れません。車内にランタンがあればそれだけでも落ち着きますが、いざという時のためにもう一つ、電気もいらず時間をつぶすことのできるものとして、お気に入りの本を持参するというのも一つの手です。
私の場合難解な本を寝床で読んでいると、だんだんその内容を追っていくことができなくなり(^^;)、いつの間にか電気を付けっぱなしで寝てしまう事があります。まさに睡眠薬のような本の効用であるわけですが、これは通常の車中泊では使えても、災害時の緊張した状況の中ではまず使えない手でしょう。旅と本というと、トラベルミステリーのような小説本が駅構内のキオスクでは当たり前のように売っていますが、お好きな作家の小説でもいいでしょうし、新たに購入しなくても何度も読んでいるような本があればそれを旅先に持っていくというのも当然ありでしょう。
なかには、ほとんど本を読まない方もおられるかも知れませんが、日頃の生活の中で何度も読みかえして楽しめる一冊というのを作っておくというのも大事なような気がします。電子書籍をスマートフォンで読むスタイルというのが提案されている現在ですが、紙の本というのは明かりは別にして電池の心配をしなくてもいつでも読めますし、たとえ水に濡れたとしても乾かして読むことも一応可能です。文庫本ならポケットに入れて持ち運びも苦になりませんし、しおりを使えばすぐに読みたいところにアクセスできます。
集中豪雨による水災で立ち往生した車が出たから言うのではありませんが、眠れない夜に安心して読める本を何冊か持っておくというのは、車の旅にも持っていくことで精神の安定作用もあるような気がします。普段読書をされない方も、お気に入りの本を見付けてはいかがでしょうか。
歴史小説が好きです。お気に入りは、新田次郎原作「槍ヶ岳開山」
ですかね。
歴史小説はいいですね(^^)。私もたまに本に描かれた世界を実感するため、本に出てくる地名をたどりながら旅をする時があります。逆に、現地の古本屋さんや図書館にある郷土資料の類を見ながらちょっと違った立場からの旅行ガイドとして使うというのも面白いです。何の情報もなく出掛るのもいいですが、ちょっとした情報でもあると景色も違って見えたりするような気がします。